友達以上 2






 中間テストの期間中は部活はないが、生徒会活動はある。

とはいえ、生徒会室で勉強会となるのが通例で。今年もそんな流れになった。

「リコ、何してんの?」

隣に座るリコがノートに何かを一生懸命書いている。

「中間終わったらすぐにインターハイ予選が始まるのよ。その対策」

「試験対策は?」

「それもやってる。でも、ね。こっちが面白いの」

そんな風に言うリコの表情は言葉の通りで、だから興味が沸いて彼女のノート覗き込んでみたが何のことやらさっぱりだ。

まあ、バスケって何人でプレイするんだっけ?と考えるような自分なので、毎日バスケに打ち込んでいる彼女と同じレベルでの話なんて到底無理だ。

「優勝?」

インターハイ予選と言っていたので、まずはその予選で優勝をしなくてはいけないのかと思い、はリコに聞いてみた。

「ん?ああ、目標はもちろん全国制覇。でも、東京って学校が多いから全国に行けるのは上位3校なのよ。そして、その3校に入るには、まず予選ブロックのトーナメントで勝ち上がっていく必要があるの。ブロックは4つに分かれてて、そのトーナメントで優勝して次の決勝リーグに進めるっていう流れ。
そして、その決勝リーグで順位が決まってさっき言った上位3位までが全国大会、つまりインターハイの出場が可能ってこと」

「複雑ねぇ」

そう感想をこぼしてリコのノートを覗いていた姿勢を戻して座っているパイプ椅子の背もたれに体重をかける。

ギシッと音が鳴る。

自分の体重が重いみたいでいやだなと思いつつも、パイプ椅子はこんなものなので仕方ない。



自分の席で勉強をしていた書記が声をかけてきた。

ちなみに、とリコはスペースが広いからと会議スペースのテーブルを占拠している。

「何?」

「数学のノート貸してくれね?」

手を合わせていう。

「えー、どうしよっかなー」

笑って言う彼女に向かって「頼むって」と拝む。

「いいよー。でも、そうだね。いちごミルク飲みたい」

「そんくらい、いくらでも奢ってやる」

「お金は出すから、パシって来てよ。図書室行くときの渡り廊下の自販機ね」

「がってん!」

そう言って書記は慌しく生徒会室を出て行った。

「拘りがあるのねぇ」

「メーカーによって若干味が違うのよ。校内だったらあそこが一番」

「いくつも入ってるの?」

リコの疑問には笑い、右手の人差し指と中指を立てて、

「2つ」

と笑った。

「一番って表現おかしいじゃない」

笑って返すリコに

「でも、間違いじゃないし」

も返す。

「そういえば、黒子君と知り合いなの?」

ふと思い出したようにリコが問う。

「ああ、うん。彼、図書委員でしょ?あたし、図書室常連者。読む本の傾向も似てるのかわかんないけど、結構早く覚えられちゃってね」

苦笑していうに、

「まあ、彼は人間観察が得意だしね」

とリコは頷く。

暫くして書記が戻ってきた。

彼が持ってきたのは指定したもので間違いなく、「ならば、これを授けよう」とが芝居がかって言うと「ははー、ありがたき」と彼も乗る
「何やってんのよ」

呆れた口調で言うが、リコは笑っていた。



テスト明けに用事があり、体育館傍を通ったは苦笑する。

「久々な阿鼻叫喚だねぇ」

走りっぱなしのスポーツであるバスケは練習からしてキツイと依然リコが言っていた。

「もちろん、私の練習が厳しいってのもあるけどね」

とにやりと笑った彼女の表情を思い出す。

「鬼だねぇ」

「なんか言ったー?!」

体育館の中からリコの声がした。

は振り返り、リコの姿を探す。その姿はなく、つまりは

(恐るべし、乙女の勘)

は肩を竦めて少し早足でその場を去って行った。








桜風
14.7.28


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