グラデーション 32





は一応念のため、と折り畳み傘を持っていた。だが、服の替えは持っていない。

土砂降りの中、たちは駅まで走った。そして、彼女は黒子から予備のTシャツを借りる。

「またまたごめんね、黒子くん」

が言うと

「いいえ。僕が一番さんの身長に近いですから」

と黒子が言う。

火神の携帯が震える。

「何か、カントクが今から体育館に来いって」

メールを確認して火神が言う。

はいいぞ」

木吉に言われてはその言葉に甘えることにした。


帰宅途中の公園で、凄く不審な人物を見つける。

「職質かけてもらおうか?」

「うお!」

背後から突然声を掛けられて彼は声を上げた。

!驚かすな...!!」

「久しぶり、青峰くん。肘は大丈夫?」

がそういうと彼は驚いたように目を丸くした。

「な、何で知ってんだよ」

「見りゃわかるでしょ。元帝光中学バスケ部マネージャーなめんなよーって感じ?」

首を傾げてが言うと

「んだよ、それ」

と彼が笑う。

「んで、どうしたの?」

「や、なんつーか...」

そう言って彼はしどろもどろに事情を説明してくれた。


「お ば かー」

聞き終わったは深い溜息をついてそういった。

「うるせー!」

「てか、高校生が『ブス』って...子供か!」

「だから、うるせーっつってんだろ!」

「しかも、反省して探すは良いけど。何処に行ったかわかんないと来た。幼馴染設定、もっと活用して」

「うるせーよ。つか、お前何処に行ってたんだよ。部活か?」

「ストバス大会。電車で30分くらいのところが会場だったの」

そう答えながらは桃井の行動を思い浮かべる。

(たぶん、ウチだよね...)

「青峰くん、携帯を貸して」

「さつきに電話すんのなしだぞ!つか、お前持ってないのかよ」

「黒子くんに電話する。それならいいでしょ?携帯は持ってるけど、自分の番号を誰にも教えたくないから電話したくないの」

「何だよ、それ...まあいいや。けど、オレがダイヤルする。つか、何でテツだよ」

「何でそんなに信用してくれないのかしらー?」

青峰はポケットから携帯を取り出してダイヤルする。

「さっき、見りゃわかるって言ったけど来たのかよ、I・H会場に」

「黄瀬くん、凄いよねー。とうとう、青峰くんもコピーしちゃったよ」

「けど、オレが勝ったし」

「はいはい。もうちょい黄瀬くんに体力が付いてたらわかんなかったかもねー」

そういいながらコール中の携帯を受け取った。


「もしもし」

「あ、黒子くん。カントク、もしかして超不機嫌?」

が問うと

「ええ、かなり」

と黒子が返す。

「わかった。ありがとう」

そう言って電源ボタンを押す。

「さ、行こうか」

「何処に...」

「イイトコロ」

青峰に携帯を返しながらそう答えた。



携帯の電源ボタンを押して黒子は桃井を振り返る。

「テツ君?」

「いいえ、何でもありません」

さん、何で青峰君と一緒に...)

不思議な組み合わせだと思った。









桜風
12.7.21


ブラウザバックでお戻りください