| 表彰式が終わり、控え室に戻る。 打ち上げを、という声も上がったが今日はさすがに疲れているから、と明日リコの家で打ち上げを行うことにしてとりあえず今日は解散とした。 と黒子の携帯がメールの受信を告げた。 2人は顔を見合わせて 「じゃ、お先です」 と控え室を後にした。 「なに、あれ...」 「始まる前に呼び出しがあったんだから、終わってからもあるんじゃね?」 リコの呟きに日向が言う。 開会式の日、皆が集められた場所に向かった。 「さん、大丈夫ですか?」 「黒子くんもフラフラ」 は苦笑してそう返した。 「あー、待ち合わせ場所が分かりやすくていいよね」 紫原が見えたのだ。 「そうですね」 と黒子は若干面白くなさそうに呟く。 「テツくーん!」 黒子の姿を見つけた桃井が駆けて来て抱きつく。 「さつき、黒子くんが潰れる」 そう言ってはのんびりと足を進めた。 「わ、赤司くんが最後?」 苦笑して周囲を見渡した。 「そのようなのだよ。、おめでとう」 「あっちに言って」 そう言って桃井に抱きつかれている黒子を振り返った。 「...いやなのだよ」 拗ねたように言う緑間には笑った。 「それでも、ちゃんのチームが優勝っス」 悔しそうに黄瀬が言う。 「とりあえず、まだ当分『誠凛高校バスケットボール部所属』を名乗れそうで、嬉しいわー」 黒子は約束を守ってくれたのだ。 「ちん、お腹空いたー」 「そーねー」 紫原の言葉に返事をしていると「おい、お出ましだ」と青峰が言う。 「ああ、揃ってたか」 そう言って赤司は皆を見る。 「テツヤ、もう少し君を預けるよ」 「何度でも言います。さんは渡しません」 「んじゃ、解散かー」 そう言って青峰が伸びをした。今回も挨拶だけだろうと思ったのだ。 「待ってください」 黒子が止める。 「んだよ、テツ」 「この中の誰かが勝てばさんがその人のチームに、って話になっていたと思います」 「そうなの?」と傍にいる黄瀬に桃井が問うと「そうっスよ」と彼は苦笑して返した。 「ああ、だから今回勝ったテツんとこにがいるんだろう」 「それは、最初から状況が何ひとつ変わっていません」 黒子が何を言いたいのか皆は分からない。 「はっきり言ったらどうなのだ、黒子」 緑間が言う。 「皆は、僕のいうことをひとつ聞く義務があるはずです」 彼が言い切った。 「は?」 「えー、やだー」 「いやいや、黒子っち。それはないっスよ」 「寝言を言うな、黒子」 青峰、紫原、黄瀬に緑間はそれぞれ異を唱えた。 唯ひとり赤司は「勝者の言うことは絶対だ」と受け入れた。 「え、赤司っち?!」 (まあ、確かに赤司くんの信念ならそうなるよね) は一人でうんうんと納得した。 「ただし、僕達は全員に対してひとつという形だったはずだ。『君を貰う』ということで」 「そうですね。ですから、僕も皆に対して1つです」 黒子が頷く。 「あー、もうしゃーねーなー。ほら、とっとと言えって」 ガシガシと頭を掻いて青峰が言う。 皆も仕方ないという雰囲気になった。 「では、僕のその権利はさんにあげます」 そう言って黒子はを見た。 「へ?」 きょとんとは黒子を見上げた。 「皆に対して1つだけお願いが出来ますよ」 そういわれて凄く悩んだ。 「どんなエグイことにしようかなー...」 が呟く。 「え、ちょ..ちゃん?!」 黄瀬が焦って声を上げる。 暫く悩んで「あ!」とは声を上げた。一度浮かぶとこれ以外が浮かばない。 「あのね」 そう言って皆を見上げた。 「皆でプリクラ撮りたい」 「へ?」 黄瀬が声を漏らす。 「あ?何だよ、女子みたいなこと言うなよ...」 青峰が心から嫌そうに顔を顰めた。 「わたしは、女子だよ」 真顔でが返した。 「それなら、いーよー」 紫原は特にこだわらなかった。何より、面倒くさい何かをさせられるより全然楽そうだ。 「別に、構わないのだよ」 「君、そんなものでいいのか?」 赤司まで驚きが隠せない。 「うん。一瞬、逆立ちで学校まで帰る、って思ったけど。赤司くん、死んじゃうしね」 真顔でが言う。 「つか、テツと赤司は全然問題ねぇだろうけど。オレらでけーぞ?」 青峰が言う。 赤司と黒子が少しムッとした表情を見せた。 「最近のマシンは大きいから大丈夫よ」と桃井が携帯を使って近くのゲームセンターを探している。 見つけたらしい桃井は早速自分の知っている大き目のマシンがあるかの問い合わせを始める。 「行動力凄いっスねー」 「正しい女子高生の姿だね」 とが笑った。 「あるってー」 問い合わせが終わった桃井が声をかけてきた。彼女が求めている機種があったそうだ。 張り切っている桃井を先頭にぞろぞろと移動を始める。 「君」 名を呼ばれて振り返った。 赤司は彼女の前髪を上げておでこに唇を落とす。 ビックリした表情のに「祝福のキスだ。だが、二度目はないよ」と言った。 「では、ぜひとも黒子くんにも」と少し先を歩く黒子に向かって手で促す。 「いやだよ」 心底嫌そうに返した赤司は歩き始める。 それに続いてものんびりと歩き出した。 |
桜風
12.11.16
ブラウザバックでお戻りください