誠凛高校バスケ部次期部長について
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昼休憩、はリコに呼び出されて部室に向かった。 ウィンターカップへの出場が決まっているため、その関係のミーティングかと思った。 相変わらずマネージャーはだけで、だからリコが心配しているのも知っている。 部室のドアをノックして開けると、3年が揃っていた。 思わずパタリとドアを閉める。 「ちょっと!」 ドアの向こうから抗議の声が上がっている。 カチャリと再びドアを開けた。 「何で皆さんお揃いなんですか。わたし、嫌な予感しかしないんですけどー」 「何よー。いいから入ってきなさい」 リコに言われては肩を竦めて部室に足を踏み入れる。 いつでも逃げられるようにドアの前をキープしようとしていたが 「こっち座れ」 と日向が席を譲るために立ち上がった。 そこまでされたら座るしかないだろう。 とりあえず、窓の鍵を確認すると、日向がその鍵を閉めた。 「物凄く不安になるんですけどー」 「あ?」 の抗議を軽く流した日向はドアの前を陣取った。 「あのね、」 「はい」 「私たち、今度のウィンターカップで引退でしょ?」 「...ええ」 かなり寂しい話ではあるが、仕方のないことでもある。 「そうなると、新しいキャプテンと副キャプテン決めなきゃいけないでしょ?」 「そうですね」 「誰が良いかな?」 「...は?」 は頓狂な声を上げた。 「はどう思う?」 「え、でも。もう皆さんの中で固まってるんじゃないんですか?」 「一応、な。ただ、の客観的な見解も聞いておきたいって思って」 客観的と言われるが、だってガッツリ当事者だ。 「キャプテンは、火神君かなって思うの」 「でしょうねー」 は頷く。 何となくそのイメージはある。 「副キャプテンはどっちだと思う?」 「二択ですか?黒子くんと、降旗くん」 の言葉にその場にいた3年が頷いた。 「降旗くんですかね」 「理由を聞いてもいいかしら?」 「さつきじゃないですけど、女のカン...て言いたいところですが、キャプテンが火神くんですからね。全体のフォロー役と言う形では降旗くんの方が良いかと思います。黒子くんは火神くんの相棒って言う立ち位置と、プラス帝光中出身っていう事実がありますからね。1年生も少し敬遠しているところがあるみたいです」 「そうね。確かに降旗君の方がいいかも」 リコが頷く。 そして、は構えた。この程度の話で呼び出されるなんてことはありえない。 「あらあら。ホント、って勘のいい子ね」 にこりと微笑んでリコが言う。 「部長は、誰がいいかしら?」 「はあ?キャプテンが即ち部長じゃないんですか?日向さん、そうですよね?」 が確認すると 「ん?うん。普通はそうだな」 と頷かれた。 「でもね、。部長は、部費を取ってこなきゃいけないの。火神君にそれが望める?」 問われては頷けなかった。 勿論、副キャプテンの降旗も。 火神は、単純に理屈戦になったら勝てない。 降旗は、優しすぎる。他部に遠慮してしまう可能性があるのだ。 「じゃあ。それこそ、黒子くんは?」 「...あいつは、そもそもその存在を認識されないかもしれないだろう」 遠い目をして日向が言う。 「あ...」 部長会の部費争奪戦。発言を拾ってもらえなければ意味がない。 「その点、うちの敏腕マネージャーは学年首位の成績を持って、更に全国模試でもトップ。ね?その存在感は学校側が認めているのよ。何より、今年の部費と来年の部費、どう考えてもが増額もぎ取ったでしょ?」 「あの。でも、わたし選手じゃないんですけど」 「。あなた何部所属??」 リコが問う。 「...誠凛高校バスケットボール部です」 何だか、これに似た質問を別の人に以前されたことがある。 「じゃあ、誠凛高校バスケットボール部部長でもおかしくないってことでしょ?」 勝利を確信した笑みでリコが言う。 「...はい」 はうな垂れた。 「よーし。これでわが誠凛高校バスケットボール部は安泰と。やー、安心して試合に集中できるねー」 上機嫌にリコが言う。 「ま、頼んだわ」 日向がぽんとの肩を叩いた。 「はーい」 |
桜風