ぼーいずとーく
〜テーマ「冬服女子の足元(ジャージ不可)」〜





制服も夏から冬に変わり、朝晩は随分と冷え込んできた。

男子は個人差と言うものは殆どなく、基本的にネクタイを締めるかどうか位だが、女子は冬になると同じ制服でも随分と個人差が出てくる。

ハイソックスにストッキング。タイツの子もいる。


「つか、スカートの下のジャージ。あれねーわー」

全体練習が終わって一息ついているところで青峰が口を開く。

「あ、青峰っちのクラスの子はもう出てきたんスか」

「見ていてだらしないとは思うな」

赤司が頷いた。

昨年もいた。

スカートがメチャクチャ短いのに、ジャージを穿く女子。

寒いならスカートを短くするのをやめればいいのに。

「ですが、女性は体を冷やしてはいけないといいますからね」

黒子が言う。

「は?ならストッキングとかタイツでいいだろ。何でジャージなんだよ」

「ニーソって可愛いよねー」

紫原が言う。

「そうですね」

と黒子も頷いた。

珍しく黒子が話に入った。

「絶対領域って正義っスよね!」

目を輝かせて黄瀬が言うと、

「絶対領域?」

と緑間が問い返す。

「ほら、ニーソとスカートの裾の間の肌が見えてる部分っス」

「お前、マニアックだよなー」

青峰が溜息をつく。

「え?黒子っちも絶対領域が好きでニーソを言ったんスよね」

「黄瀬君と一緒にしないでください」

冷ややかに言われ、「ひどっ!」と彼は声を上げる。

「肌が見えていると寒そうなのだよ」

「膝小僧が赤くなってるのも可愛くない?ハイソとか」

緑間の言葉に紫原が言う。

「否定はせんが、やっぱり体に悪そうなのだよ」

「ま、お前は和服の熟女好きだもんな。肌の露出殆どねーよな」

「変な設定を加えるな、青峰!」

「赤ちんは?」

「拘りはない。本人の好きにしたらいいだろう」

「それ言ったら話が盛り上がらないっスよー」

ぶうぶうと黄瀬が口を尖らせた。


「そういえば。さっきの発言からいうと、青峰っちはストッキングかタイツ派っスか?」

「網タイツ」

「どっちがマニアックっスか!」

黄瀬が抗議の声をあげ、

「...制服でそれは見たことがないのだよ」

緑間が心底呆れて言う。

「んで、その網に指を引っ掛けて破きたいんでしょ?」

「おー、良くわかってんじゃん」

指摘した声に反応して青峰が振り返ると半眼になっているが立っていた。

「お、おぉ...」

何と反応していいのか今更分からずに青峰は変な声を漏らしただけだった。

今のこの体勢だと、絶対に逃げ切れない。

「脚には興味ないって言ってたくせに。成長しましたねー」

はしゃがみこんで青峰を見た。

「だろ?」

半ばやけっぱちだ。

「ったく、放課後の体育館の中で何の話をしてるのやら...」

溜息混じりにが言った。

「それで、君。どうしたんだい?」

「や、タイツだ何だって聞こえたから。この学校って指定あるのかなって。何か皆自由っぽいけど...」

が問う。

「ないと思う。女子は比較的好きにしているな。桃井か他のマネージャーに聞いたほうが確実だろう」

赤司が答えた。

「そだね。桃井に聞いてみるよ。あの子、今日は外で情報収集だから、そろそろ帰ってくるだろうし」

「あ、けど。ジャージだけは禁止になってる。校則違反だ」

青峰が真顔で言った。

「青峰くんって、ホントにアホだなーって思うよ」

しみじみとが言った。

「うるせー!」

「まあ、でも。ジャージはあまりに見た目がだらしないから、わたしの選択肢には入ってないけど」

「おう、ぜってー穿くな」

「はいはい。けど、青峰くんが嫌がるな1回くらい穿いてもいいかなって思うけどね」

「ぜってー穿くなよ!」

「あー、めんどくさ」

青峰の熱意が非常に面倒くさくなった。


「前の学校はどうたったんスか?」

黄瀬が問う。

「ん?ああ、私服だったからね」

「私服?!何着てたんスか?」

黄瀬が物凄く興味持った。

「無地のシャツにデニムパンツ」

「オシャレとか...」

「黄瀬くん、学校は何をするところなのかしらー?」

が問うと黄瀬は視線を逸らして「部活」と言った。

「だったら、服装関係ないじゃない。ジャージで充分」

は笑った。

ー!」

体育館入り口で桃井が名を呼ぶ。

戻ってきたらしい。

「あ、お呼びだ。じゃーねー」

そう言っては桃井の元へ行き、「何の話してたの?」と聞かれていた。

「冬の足元の話。紫原くんと黒子くんと黄瀬くんはニーソ派で、緑間くんはタイツかストッキングか和服」

?!」

彼女たちの会話が耳に入っていた緑間が思わず声を上げた。

「んで、青峰くんが網タイツ」

「は?」

「網タイツだって」

「...大ちゃんの変態ーーーーー!!」

そう桃井は叫び、の手を引いて体育館を出て行った。

「え、ちょ..!、てめー!!」

彼女たちが消えた出口に向かって青峰が抗議の声を上げた。


「...さん、いつからいたんですか?」

全くの動揺を見せていない赤司に黒子が問う。

「紫原のニーソのくだりあたりからだな」

「...教えてほしかったっス」

黄瀬がうな垂れる。絶対領域への熱い思いを聞かれた。

君が楽しそうにしていたからな。彼女的に非常に参考になっただろうし」

赤司はそう言って立ち上がり、自主練を始めることにした。









桜風
12.10.31


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