お題:結婚したキセキ



黒子の場合
【設定(妄想)】

黒子の職業は、公式ファンブック通りに保育士さん。

というか、アレを見た瞬間、「これだ!」って心から思いました。あれが天職だと思います。さすが藤巻先生!

それはともかく。

ヒロインも働いているんじゃないかなーと思っているのですが、もしかしたら、パートさんかも知れないなとちょっとだけ思ってみたり。

そして、子供は娘がひとり。もうひとり欲しいとは思っています。男の子でも女の子でも。

娘の髪型はツインテールなんですけど、それは毎日黒子がやってあげています。

お父さん大好き。お母さんも大好き。

娘は両親のことを「おとうさん」「おかあさん」と呼びます。

黒子家は家事分担できると思います。できないかな、黒子意外と出来ないかな??

してると思うんですけどね...

【小話】

右手には近所のスーパーの買い袋、左手には可愛い一人娘の小さな手。

「少し遅くなってしまいましたね」

黒子が言う。

「うん、おかあさん怒ってるかなー...」

娘がしょんぼりして言う。

「大丈夫ですよ、きっと」


黒子は、に頼まれて本日の夕飯の食材の買い物に出た。

娘も一緒に行きたがったので連れて行き、買い物を済ませたところまでは順調だった。

しかし、途中で通りかかった公園にふらふらと引き寄せられてしまい、そのままちょっと寄り道してしまったのだ。

黒子とは共働きで、普段は娘のことをあまり構ってあげられないため、構えるときは思い切り構うということを2人は心掛けている。

娘は聞き分けがよく、だから心配だとが言っていた。

確かに、と黒子も納得する。自分が勤務している保育園でもそういう子はいる。

聞き分けが良くて、だからその分損をしているような子。

さっきも寄り道したそうに公園に視線を向けたが、彼女は我慢をしようとした。

それを察した黒子が

「少し、遊んでいきましょう」

と声を掛けたのだ。

「だいじょうぶ?」

と彼女は不安そうに黒子を見上げるが

「大丈夫ですよ」

と頷かれて嬉しそうに公園に走っていった。

公園の中で散歩中の犬と遊んで、それに夢中になっており、黒子も黒子で可愛い愛娘の笑顔に癒されていて、こんな時間になってしまったのだ。

一応、には公園で遊んで帰る旨の電話はしているので怒られないと思う。

こんなに遅くなるとは思ってなかっただろうが...


「ただいまー」

自宅のドアを開けてそう声を掛けるが反応がない。

娘と顔を見合わせて家の中に入る。

先にリビングに足を踏み入れた娘が振り返って「しー」と口に人差し指を当てた。

黒子はそっと部屋の中に入る。

ソファに丸くなってが寝ていた。

「おかあさん、ねてるね」

娘が微笑んだ。

「そうですね」

黒子は頷き、ひとまずテーブルの上に買い物袋を置く。

「おふとん、持ってきたほうがいい?」

娘の言葉に黒子は首を横に振った。

「僕がベッドまで運びます」

「だいじょうぶ?おとうさん、運べる?」

心配された。娘に心配されてしまった。

黒子は薄っすら傷つきながらも、

「大丈夫です。さんは、僕のお姫様だからちゃんと運べます」

と言う。

「おかあさん、お姫様なの?」

娘が嬉しそうに問い返した。

「はい。僕の大切なお姫様です」

「すごい!じゃあ、おとうさんは王子様?」

そう問い返されて黒子は言葉に詰まった。

何だか柄じゃない気がする。

王子様といえば、もっとキラキラとした..イメージ的には当てはまりそうな人物が同級生にいたが、彼を王子様と言うのも何だか凄くいやだった。

「そうだよ」

持ち上げようと膝裏と首に腕を入れていた彼女が声を出す。

さん、起きてたんですか?」

もう運ぶ必要がないので彼女から手を離すと

「あら、お姫様を運んでくださるんじゃなくて?」

と言われた。

黒子は少し困ったように苦笑する。

は体を起こして伸びをした。

「おかあさん、おつかい、遅くなってごめんなさい」

しゅんとして謝っている娘に苦笑しては頭を撫でる。

「なんでー?買い物行ってくれてありがとう。助かったよ」

の言葉に彼女は嬉しそうに笑った。

「さ、おやつ作ってあげるね。ホットケーキだ」

「やったー!」

「僕も食べたいです」

黒子が言う。

「はいはい、心得ておりますよ。王子様」

笑ってはそういい、キッチンに向かう。

娘も手伝いをするためにキッチンに向かっていく。


そう時間を置かずに甘い香りが部屋の中を漂う。

「できたよー」

娘に声を掛けられて「はい」と黒子はダイニングテーブルに向かった。



黄瀬の場合
【設定(妄想)】

子供が2人ね。お兄ちゃん妹の順番。

国際線のパイロットさんです。家にいるときは、なるべく子供たちと遊んでるし、ヒロインとラブラブしています。

子供たちの前でもラブラブです。

子供たちは、お父さんがいなくて寂しいけど、遊んでくれるお父さん大好きです。

子供たちは黄瀬とヒロインのことを「パパ」「ママ」と呼びます。

ヒロインは..専業主婦?(あんまイメージじゃないかな??)

あ、勿論黄瀬はモテモテです。

CAとかがアドレスを渡そうとするのですが、それは頑なに受け取りません。

「世界一大切な人が居るんで」

って結婚指輪を見せながら笑顔で断る黄瀬。

そこもプラスになってこれまた人気が出るとかね(笑)


【小話】

成田上空の気流の乱れで中々着陸できず、ともすれば別の空港への着陸と言う状況だったが、何とか成田に着陸できた。

しかし、その後の業務もあり、帰宅できたのは予定よりも随分遅い真夜中となってしまった。

機長に声を掛けられたが、やんわりと断って帰宅を急ぐ。

時計を見ると、どう考えても子供たちからの「おかえり」は絶望的だ。

ちゃん起きてるっスかね...」

せめて彼女と言葉を交わしたい。

ただいまのキスをして、おかえりのキスをしてもらう。


鍵を開けてドアをそっと開いた。

「ただいまー」

少し小さくして声を掛ける。

これくらいの声だったら、起きていれば彼女は玄関まで出迎えてくれるが、どうやら寝てしまっているようだ。

「仕方ないっスね」

苦笑して家に上がり、リビングに足を踏み入れた。

彼女がソファに座っている。

「あー、座ったまま寝ちゃったっスか」

黄瀬が呟くと彼女は振り返って「おかえり」と言った。

「起きてたんスか?」

「うん、玄関までいけなくてごめん」

そんな会話をしながら黄瀬は彼女の傍に足を運び、キスをして彼女も黄瀬にそれを返す。

そして、黄瀬は自分の視界に入った景色に目を細めた。

「待っててくれたんスか」

「結構頑張ってたんだけどね」

の足の上にそれぞれ頭を載せて眠っている子供たちの姿を見つけたのだ。

「この状態なので、玄関までのお迎えがムリでした。痺れてるの」

苦笑して彼女が言う。

「じゃあ、オレが運ぶっスよ」

そう言って息子を抱き上げて部屋に運び、戻って娘を運ぶ。

戻ってきた黄瀬はの隣に腰を下ろした。

「あー、やっぱ家が一番っス」

そう言って黄瀬はを抱きしめた。家に帰ると必ずすることなのだ。

「今回はどうだった?」

彼女が言う。

黄瀬は自分の見たこと、聞いたことを彼女に話し、彼女は楽しそうに、興味津々に黄瀬の話に耳を傾けた。


青峰の場合
【設定(妄想)】

こっちも子供は息子がひとり。名前はまだない。

ガキ大将と言うか、青峰をちっこくした感じ。

桃井曰く

「大ちゃんの小さい頃そっくり」

だそうで。

なので、お父さんの大好きなバスケも大好き。

あ、子供は青峰とヒロインのことは「父ちゃん」「母ちゃん」呼びですね。

桃井が初恋の人だったらいいなー。

青峰が楽しんでそう。

ヒロインはちょっと困るでしょうねー...

お父さん大好きっ子だと思う。お母さんも好きだけど、お父さんのほうが
たくさん遊んでくれるから。

自分と同じレベルで(笑)

お母さんはたまに「勉強しなさい」って言うからちょっと苦手とかね。


【小話】

「ごっそさん」

「ごちそうさま!」

日曜日の昼ご飯はチャーハンだった。

「父ちゃん、バスケしよう。コートに行こうよ」

「おう、行くか」

「ちょっと待った!」

が止める。

「んだよ」

青峰が不満そうに足を止める。

「食器、ちゃんと流しに置いて」

「そうだった!父ちゃん、早く運ぼう」

意外と素直な息子に嘆息吐いて「おー」と青峰はやる気のない返事をした。

青峰は流しのところまで持って行った息子の食器を流しに置いてやる。

彼はまだ流しに食器を置くことができるほどの背はない。

「水張っててよ」

に言われて「やってるよ」と少しぶっきらぼうに青峰が返す。

「父ちゃん。早く、早く!」

体に対して少し大きめのバスケットボールを抱えている息子に急かされて青峰は「おう」と返事をし、

「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ」

と言って家を出て行った。

青峰と息子がいない間に家の掃除など済ませて風呂の支度をする。

絶対に泥だらけになって帰ってくる。大きいのも小さいのも。

そして、きっと「お腹すいたー」と言うに違いない。

だから、おやつも作っておいた。夕飯まで我慢できないときっと賑やかになる。


色々と家事を済ませてゆっくりとしていると「ただいまー」と玄関から声がした。

「はいはい、お帰りー」

玄関まで出て、は苦笑する。

「さっきお風呂沸かしたばかりだから、直行!」

そう言って風呂を指差した。

「はーい」と返事をして息子は廊下を砂だらけにしながら風呂場まで向かっていく。

「そちらも」

そう言って青峰を見た。

「や...わりぃ」

さすがに大人としてどうだろうと言うくらい汚れている。

は苦笑して「一緒に入ってきて」と言った。

は?」

「早く行け!」

「んだよ、照れんなよ」

からかうように青峰が言う。

「は や く い け!おやつ抜きにするよ」

「へいへい」

そう言って彼も廊下を砂だらけにしながら風呂場に向かっていった。

「息子が2人か...」

苦笑しては掃除機を取りにリビングに向かう。

「おっと、その前に着替え」

2人の着替えを準備するため、は手にした掃除機を置いて寝室に向かっていった。


緑間の場合
【設定(妄想)】

子供はとりあえず息子がひとり。

彼は緑間とヒロインのことを「お父さん」「お母さん」と呼びます。

そして、敬語。

あ、名前はこの子は決まりました。「誠太郎」です。お父さんが「真」のまことなので、息子は「誠」のまことです。

で緑間は公務員。

ヒロインも公務員です。公務員カップル。堅い所で行きましたね、2人とも。

というか、緑間の頭ならヒロインと同じ大学にも進学できると思うんですけど、どうですか?

勿論、ヒロインは大学も自分の目指す(?)ところで、他人に合わせる気はないので、緑間が別の大学に行くといっても彼女は進学先を変えることはしません。

緑間もそれで良いとは思っていたけど、いけるなら、と緑間がちょっと頑張ったとかそう言う感じ(笑)

んで、緑間は子供の相手は普通。物凄く可愛がるでもなく、嫌がるでもなく。

生まれたときから面倒を見ているので、緑間のあのちょっと愛想のないところも子供は耐性を持っていますからね。

でも、たくさん遊んでくれる高尾のおじちゃんはかなり好き。

子供がもしかしたら自分よりも好きかもしれないから、高尾に「お前は当分遊びに来なくていいのだよ」とか言ってそうです。

それを聞いてヒロインと高尾は噴出したりしてね。それがまた気に入らない緑間は高尾に当たってみたり。

【小話】

「ただいまなのだよ」

今日は少し早めに帰れた。今は、予算編成の関係で少し帰るのが遅い日が続いている。

「お帰りなさい、お父さん」

息子が玄関までやってきた。

驚いた緑間は「ただいま」と返しつつも、リビングにいるであろうはどうしているのかと気になった。

子供が遅くまで起きているのは感心しない。

それはも同じだと言っていたはずだ。

「ただいまなのだよ」

「おかえり。誠太郎、お願いできた?」

「...お願い?」

彼女の言葉を繰り返した緑間が自分の足もとにいる息子に視線を向ける。

彼は俯いていた。

「誠太郎、来るのだよ」

そう言ってリビングのソファに座った。

「どうした、何か話があるのか?だから、こんな遅い時間まで起きているのだな?」

緑間が問うと、息子はコクリと頷く。

「あの、これ...」

そう言って息子は何かのお知らせプリントを緑間に差し出した。

受け取った緑間は「日曜参観日?」と音読する。


来週の日曜日に参観日があるらしい。

働いている親が多いこのご時勢。休みの日なら出てこれるのではないかと言う苦肉の策のようだ。

緑間はを振り返った。

彼女は平日の参観日にも仕事を休んで顔を出している。

「さっき、それ隠してたからね。言うだけ言ってみればって」

が言う。

「隠した?」

眉間に皺を寄せて緑間は息子を見た。

「お父さん、忙しいそうです」

「...そうか。だが、誠太郎。それではダメなのだよ」

緑間の言葉に息子は驚いたように顔を上げた。

「いいか、いつも父さんは言っているだろう。『人事を尽くして天命を待つ』と。お前は、このことで人事を尽くしたか?」

は苦笑していた。

しかし、息子は真顔で「いいえ」と首を横に振る。

「そうだな。最初から諦めようとした。母さんに言われなければ諦めていたな?」

「はい」

「それではダメなのだよ。ちゃんと、父さんに話をした上でダメかどうか、ちゃんとはっきりさせなくてはならない」

「はい」

「それで、誠太郎は人事を尽くしたけど?」

が口を挟んでみた。

「誠太郎、すまない」

緑間が言う。

息子はしょんぼりとした。

「今はまだ約束が出来ない。父さんがまだ人事を尽くしきれていないからだ」

息子が顔を上げた。

「確かに、今は忙しい時期なのだよ。だから、日曜も出勤しなくてはならない可能性は否定できない。だが、この時間だけでも抜け出せるかもしれない。いや、日曜くらい休みをもぎ取れるかもしれないのだよ」

「本当ですか?」

「ああ。来週の日曜なのだな。それまで、父さんは手を抜くことなく仕事をする。人事を尽くしてみるのだよ。参観日に行けるという約束は出来ないが、そのための努力は怠らない。これだけは約束できる」

「はい!」

「誠太郎、良かったね」

「はい。お母さんもありがとうございます」

「では、寝るのだよ。もう子供が起きている時間にしては遅いのだよ」

「はい。おやすみなさい」

息子が部屋に帰っていった。


「それで、行けそう?」

コーヒーを淹れて緑間の座っている隣には腰を下ろしてマグを2人分テーブルに置く。

「誠太郎に言ったとおりだ」

「ま、真太郎さんのことですから?日曜参観日にはきっと教室の後ろで皆さんに見上げられていることでしょうねー」

「人を珍獣みたいに扱うのはどうかと思うのだよ」

「黄瀬くん以上の身長の皆さんはぼやいているねー」

が笑いながら言う。

、明日からこれまでよりももう少し遅くなると思う」

「うん。人事を尽くすんだよね。体は大丈夫?」

「心配ないのだよ」

そう言って緑間は彼女にキスをした。

は先に寝ているのだよ」

「はーい」

の返事に緑間は苦笑した。これは出来る限り起きているつもりのようだ。

「無理はしないで欲しいのだよ」

「それはお互い様」

そう言っては緑間にギュッと抱きついた。

「どうした、甘えん坊だな」

「いいじゃない。たまには」

「いいや、いつでもこれは構わないのだよ」

そう言って緑間は彼女の体に腕を回してギュッと抱きしめ返した。



紫原の場合
【設定(妄想)】

むっくんちも息子が一人。

紫原敦哉とかそんな名前。でも、(仮名)です。

『敦』の字を使いたいんだけど、本当は「あつや」は避けたいので、要検討。

両親のことは「パパ」「ママ」で。

キセキのみんなにも可愛がられています。

むっくんの職業が思い浮かばなかったので、そのままプロバスケットボール選手ってことで。

お勤めしているむっくんが本当に想像付かなくて...

ヒロインからしたら青峰家とは別な感じで息子が2人って感じだと思う。

で、ヒロイン実家はむっくんも孫も可愛がってると思う。

むっくんの良いところは素直なところだと思うし、ヒロイン母はそういう素直な子が好きだと思う。

ヒロイン母が可愛がってたら、ヒロイン父はそんなに毛嫌いできないとおもう。(黄瀬を除く/笑)

というか、むっくんはヒロイン実家が好きだからしょっちゅう家族揃って訪れていると思う。だから、ヒロイン父からしたら娘と孫を良く連れてくるむっくんはそんなに悪い子ではない(笑)

【小話】

シーズンオフで、更に練習のない休日。

は紫原と息子と共に実家に遊びに来ていた。


ゴンッと凄い音が頭上からした。

すると同じく頭上から物凄いけたたましい音が聞こえてきた。

紫原は少し顎を上げて見上げる。

「ちょ、敦くん。あっちゃん降ろして...!」

パタパタと駆けてきたにそういわれて紫原は膝を折る。

目の前に差し出された息子を抱っこして

「はいはい、痛かったねー」

があやす。

その場にストンと座った紫原は凄く面白くなさそうにその光景を見ていた。

「敦...それくらいの身長、何年目だ」

呆れたようにの父親が言う。

「うっせーし」

「ほほう?僕に逆らうとは良い度胸だなぁ」

「この家がでかいって自慢してたの、自分だし」

つまり、普段から天井が高いと自慢されているくらいの家なので、肩車をしていた息子がどこかで頭を打つはずがないと思ったらしい。

「何だ、その理屈」

「ははっ。あっ君てば、そろそろあっちゃんに嫌われるんじゃないのー?いやはや順調だ」

愉快そうに言うのはの母親で、この大惨事を楽しんでいる。

ちん」

拗ねたように透の名を呼ぶ。

「はいはい?」

「おなかすいたー」

「へ?さっき食べたばかりでしょ」

「すいたー」

紫原は繰り返し主張する。

「ぼくもー」

抱っこしている息子もいう。

「へ?食べるの?夕ご飯食べられないって言ったらダメだよ?」

そういいながらが息子を降ろす。

「何かある?」

父に向かって言うと嬉しそうに彼はキッチンに向かい、

「そうだなー。何作ろうか」

と、ウキウキしながらに声を掛けている。


息子は紫原の傍にやってきた。

「なに」

不機嫌にいう紫原に怯むことなく、ちょこんと彼の膝の上に座った。

片方だけに体重がかかるのがいやだった紫原は、息子をひょいと持ち上げて自分の胡坐の上に座らせた。

「痛かった?」

おでこを優しく擦る。

「うん」

「ごめんね」

「ううん。あのね、ぼくもパパみたいにおおきくなりたい」

体を捻って紫原を見上げながら息子が言う。

さんのDNAが勝ってたらアウトだよー」

笑いながらの母親が言う。

「平均までは行きますっ!」

ムキになってが返している。

どうやら焼き菓子を作ってくれるようで、キッチンでは手際の良い2人が作業分担をしている。

「へいきん?って、どのくらい??」

「えーと...男の子だと、たぶん赤ちんくらい?」

息子に問われて紫原が首を傾げて返す。

たぶん、アレくらいの身長ならたくさんいたと思う。黒子はちょっと小さい気もする。

「えー、ちっちゃいよ」

息子がそういった。

両親の友人たちはよく家に遊びに来てくれる。一緒に遊んでくれるお兄ちゃんもいるが、赤司は一緒に遊んでくれるお兄ちゃんではない。

でも、いつも美味しいお土産を持ってきてくれる。凄く不思議な感じのするお兄ちゃんだ。

「あっちゃん。それ、絶対に赤司くんに言ったらダメだからね!」

が慌ててそういった。

「そうなの?」

「うん、赤ちんショック受けるかもー」

紫原が頷くのを見て

「わかったー」

に返事をした。


ゴンッ

焼き菓子ができるのを待っている間にも、先ほどと同じ音がする。

乞われて高い高いをしたらやはり梁に息子の頭をぶつけたのだ。

火が点いたように泣く息子はに取り上げられ、彼女の父親が心底呆れた表情を見せ、彼女の母親は愉快そうに笑う。

「もう!この家ちっせーし!!」

紫原がそう言っての父親を見下ろす。

「んだと!」

真っ向からその喧嘩を受けて立つの父親。

「それでも、あっ君に懐くあっちゃんは凄いわー」

ビービー泣いている孫の様子を苦笑して見守る彼女の耳にピーッという電子音が届く。

「あっちゃん、クッキー出来たって」

「ほんと!?」

ピタリと泣き止む。

「...どう考えても、敦くんのDNAが強いでしょ」

呆れながらがそういい、息子を降ろしてキッチンに向かう。

「パパ、一緒に食べよう」

「うん」

息子に誘われて紫原はダイニングテーブルに向かった。



赤司の場合
【設定(妄想)】

息子がひとり。ママ大好き。

赤司が子供の相手とか凄く苦手そうなんですよね。自分のレベルを落として相手に合わせるのが苦手だろうなーって思うんですよ。

子供と視点を合わせて物事を見てやることが出来ないから、子供にどのように接していいかわからないと言う...

いても良いけど、相手はしないよ、みたいな。

で、息子も遊んでくれないお父さんが苦手です。

というか、お父さんをどのように呼んでいいかも分からない。

お母さんはママって呼んでます。

そして、お母さんが赤司のことを「征十郎さん」と呼んでるんですよ。彼女が「パパ」とかって呼んでたら分かりやすかったでしょうけどね。

【小話】

「ただいま」と家に入ると、パタパタと軽い足音が聞こえた。

靴を脱いで家に上がると、柱の陰から「おかえりなさい」と小さな声が聞こえる。

君は?」

一瞥して赤司が問う。

「ママは、おへや」

「部屋?」

眉間に皺を寄せて彼の言葉を繰り返す。

今の時間なら、基本的に台所に立って夕飯の支度をしているはずだ。そして、その足元でこの子がうろちょろしているのだ。

「コホンコホンってしてた」

息子の言葉に眉間に皺を寄せる。

彼は怯えて柱の影に隠れてしまった。

赤司は溜息をひとつ吐いて寝室に向かった。


自分には息子がいる。

それは不思議なことではない。だが、たぶん困ったことに息子に対して特に興味がないのだ。

意外と賢い子らしくて邪魔にもならない。だから、別にいても良いのだが、構ってやれといわれたらどうしていいのかわからない。

君」

ドアノブを回して部屋に入った。

ベッドの上には、小さな塊がひとつ。

ゴホゴホと苦しそうな咳をしている。

君」

ベッドに腰を下ろして声を掛けると彼女はガバリと起き上がった。

「もうそんな時間?!」

そう言ってまた盛大に咳き込む。

「寝ていろ」

「いや、征十郎さん。ご飯作るとかムリでしょう」

がそう言ってベッドから降りようとしたが、「寝ているんだ」と半ば強引にベッドに寝かされた。

「でも」

「僕だって、出来合いの買い物くらいできる」

そういわれては「よし、任せた」と言った。

ご飯を作ると言ったら、無理矢理にでも起きるつもりだったが、自分の力量をきちんとわきまえてくれているようだ。

「ところで、風邪薬は?」

「我が家にはありません」

「...それも買って帰ろう」

溜息を吐いて赤司がそう言ってベッドから離れる。

「あの、征十郎さん」

「...努力はする」

が言いたいことを察して赤司が答えた。


部屋から出るとちょこんと息子が座っている。

「買い物に行くよ」

赤司が声を掛けると息子は驚いたように顔を上げる。

君..ママは風邪を引いたみたいだ。ママの風邪薬と、僕たちの夕ご飯を買いに行こう」

「僕もいっしょに行っていいの?」

息子が驚いたように問う。

「ああ」と頷き、赤司は玄関に向かった。

息子は慌てて彼の後を追う。


てくてくと歩いていて、ふと気付く。

息子がいない。

振り返ると、彼は一生懸命自分を追いかけていた。

(そうか...)

歩く速さは、に慣れている。だから、今の速さは彼女の歩く早さだが、息子はもっと小さいからもっと遅いのだ。

「ご、ごめんなさい」

息切れをしながら息子が言う。

「いや」

そう言ってためらいがちに赤司は息子に向かって手を差し出した。

彼はきょとんとそれを見上げて遠慮がちにきゅっと握る。

「コンビニでもいいか。何処のでも、君の作るのより美味しいものがあるわけでもないし」

赤司は呟き、最寄のコンビニに向かった。

弁当のコーナーに行き、赤司は溜息を吐いた。

(どれもおいしそうに見えない...)

そして、息子を見下ろしていた。

「何か食べたいものがある?」

「んー...」

息子は唸っていた。

そういえば、と赤司は思い出す。

前にから聞いた。息子は白いご飯が好きなのだ。

(白いご飯か...米くらい研げる。炊くのは炊飯器だ)

「おかずだけ買って帰ろう。ご飯は、家で炊ける」

息子は驚いたように赤司を見上げた。

「ぼくの好きなもの、知ってるの?」

「...ああ。白いご飯だろう?」

「すごい!ママがね、えっと...」

言いよどんだ単語に気付き、「君がママだから、僕はパパなんだろう」と言う。

「パパって呼んでいいの?」

「ああ。間違いじゃない」

赤司は頷いた。

すると、息子が嬉しそうに笑った。

(あ...)

そっくりだ。

君が笑った顔にそっくりだな」

目を細めて言う。

「ママはパパの笑った顔にそっくりだっていうよ。どっち?」

そう言って息子は首を傾げた。

「どっちもなんだろうね」

そう言って、赤司は適当におかずを選んだ。息子もなにやら選んで籠に入れた。

「そういえば、お粥はあるだろうか」

湯ぐらい沸かせるし、その中に浸けて温めればできるはずだ。

「パパ、あったよ!」

得意げに息子が持ってきた。

「ああ、ありがとう」

「うん」

会計をしながらふと店員に聞く。

「ここらの薬局はどこあるだろうか」

「ぼく知ってる!」

足元の息子が手を挙げた。

店員は困った様子を見せる。

「本当か?」

「うん!ママと何度か行ったことある」

「...じゃあ、案内を頼もう」

息子にそう言って店員にも礼を言って店を出た。


息子の案内の下、薬局に向かった。

物凄く遠回りをしたが。

彼は、と共に通った道で覚えていたようだ。

つまり、別の道からそこへいけないので、一旦家に戻って、そこからのスタートとなり、先ほどのコンビニからだと徒歩5分程度の距離が倍になっていた。

だが、赤司は息子に礼を言った。

彼はとても嬉しそうに笑って、照れた。

風邪薬を購入した帰り、息子が寄り道をしたいといった。

構わないと思って付き合ってみると、彼が向かったのはバスケットゴールがある公園だった。今は誰もいない。

「ここは?」

「ママと時々見にきてるの。ママにたくさんパパの話聞いてるんだよ。ぼく、パパのこと、たくさん知ってるよ」

「...そうか」

「ぼく、今度バスケ見に行きたい」

息子が見上げてきた。彼はまっすぐ赤司を見る。

赤司の瞳は揺れ、目を瞑る。

「...そうだな。今度3人で見に行くか」

そう言って目を明けると息子が目を輝かせていた。

「ほんと?!」

「ああ、そうだね」

頷いた赤司は、息子が求めていた手を自然と握っていた。


「ただいまー」

息子が元気良く家に入り、「ただいま」と赤司も続く。

「わお、もうちょっとかかると思ったのに」

なぜか台所に立っていたが慌てる。

君」

窘めるように赤司が名を呼ぶ。

「ごめんごめん。お米研いで炊飯器にセットしたから。あと40分はご飯待ってね」

「寝ているんだ」

赤司に言われて「はいはい」とは寝室に向かう。

「ママー」

息子が呼び止めた。

「なに?」

「パパとママとぼく、今度バスケ見に行くんだよ」

嬉しそうに彼が言う。

「あらあら。素敵なお話じゃないデスカー?」

が赤司を見た。

なんだか照れくさくて赤司はふいと視線を逸らす。

「パパと仲良くなれた?」

「うん!パパ、やさしいね」

「そうよー。じゃあ、ごめんね。わたし、部屋で寝てないと、優しくないパパに怒られちゃうから」

「さみしいけど、ぼくがまんする!」

息子の宣言に

「わたしも、寂しいけど我慢するからー」

と返して彼女は部屋に向かう。

その様子を見て赤司は溜息を吐いた。











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