| オープニングセールで凄い安売りである。 そんなことが書いてあるスーパーのチラシが新聞の間に挟まっていた。 朝食を摂りながらは部活の終わる時間を計算する。 「行ける...!」 ポツリと呟き、そのチラシをしっかりと眺めた。 部活が終了し、すぐにそのスーパーに向かった。 学校帰りのことだ。公共交通機関を使うこともあるが、基本自転車通学なのは非常に便利、と思いながら世のオバサマたちに全く引けをとらない戦闘能力を発揮し、は食料の調達を終えた。 公園の前に差し掛かったとき、男にぶつかられ、自転車が倒れた。 「何してんだ!」 怒鳴りつけられた。 正直ムッとした。 (そっちが飛び出してきたんじゃない...!) ちなみに、は自転車を押していた。ちょっと買いすぎたから、荷台に荷物を置いて押していたのだ。 男はふとを見下ろした。 (何だろう...) 「まさか、」と男が呟く。 「!」 「ちゃん!」 (何でだ?!) 公園の中から緑間と黄瀬がやってきた。 「怪我はないか」 「あー、うん」 「ちょっと、あんたたち。ちゃんにぶつかっておいて」 黄瀬が文句を口にしようとしたら男達は物凄い勢いで逃げていった。 意外と俊足だった。 「...知り合い?」 「いや」 と緑間がの言葉に首を振る。 周囲に散らばった野菜や肉のタッパーなどを拾い上げた黄瀬が「これで全部っスよ」と渡してくれた。 「ありがとう」 「あれ、?」 公園の中からまた声がした。 緑間越しに見ると桃井と青峰、そして黒子が居た。 「あー、ちん」 ひょいと持ち上げられた。 がハンドルを持って支えていた自転車が傾き、緑間が慌ててサドルに手を伸ばす。 「どうしたのー?」 「さあ、まずは降ろそうか」 紫原の問いに答えることをせずにはそう返した。 「えー、まあいいけど」 を見つけるとやたらと持ち上げたがる紫原は、彼女をおろした。 その動きには思いやりが見て取ることが出来、普段の紫原からは想像できない。 ただ、からしてみればそんな思いやりはいらないからそもそもに持ち上げないで貰いたいといったところだろうが。 「んちってこっちなのか?ってことは、テツんちの近くってことか」 青峰が言う。 「ううん、ウチまではまだ結構あるよ。今日は時間もあるからこっちのスーパーに足を伸ばしただけ」 「主婦みてぇ」 青峰が笑う。 「じゃあ、今から行く」 紫原がいう。 「行っても良い?」とかそんな内容ではない。断定だった。 「なら、オレも行くっス!」 黄瀬が挙手し、 「俺もお邪魔しよう」 と緑間。 「おもしろそーじゃねーか」 と青峰が続く。 「わー、迷惑」 が笑顔で言うが、彼らに言葉が届いていないらしい。 「私も行ってみたいなー...」 桃井まで乗る。 は溜息を吐いた。 断っても来る。桃井は何とか遠慮してくれる可能性はあるが、他の4人はまずありえない。 緑間は単品だったらこんなことは言い出さないと思うが、今の状態だと遠慮するとは思えない。 「黒子くんは?」 「僕も、行ってみたいです」 少し遠慮がちではあったが、黒子が言う。 「よっし、決まりだ!!」 青峰が言う。 「誰か、携帯」 が言うと黄瀬が取り出した。 「何スか?」 「ネット接続しても?」 「いいっスよ」 そういわれては地図を表示した。 「ここがウチだから」 「え、一緒に行かないんスか?!」 黄瀬が声を上げた。 「だって、買い足さなきゃ」 そういいながらとりあえずの買い物袋を紫原に渡した。 「マジで?いいのか?!」 青峰が言う。 「オレは最初からそのつもりだったし」 紫原が言う。 「ほら」 と肩を竦めてが言う。 「ついていかなくても大丈夫か?」 緑間が問うが、 「チャリだから大丈夫」 と言っては反転し、先ほどの戦場へと戻っていった。 |
桜風
12.8.6
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