| 「ちょ、ちょっと!速いよー!!」 後ろからほぼ駆け足で追いかけてくるクラスメイトをチラと振り返ったが青峰はその歩調を緩めない。 「おせーぞ」 「なんで、こんな走らなきゃ...」 もう無理、と足を止めたがふと 「あ、怖いんだ」 と呟く。 「な、怖くねぇよ!」 思わず足を止めた青峰が戻ってくる。 (聞こえたんだ...) 肩で息をしながらが心の中で呟いた。 自分の中で納得した言葉を零しただけだから青峰の耳にまで届かなくてもいいものだったのだ。 「てか、体力ねーなー」 「黒子くん程度はあると思うんだけど」 の反論を逡巡し 「そうかもな」 と青峰は相棒の体力のなさを認めてしまった。 走ったため、の体力がなくなってしまった。 余計にのんびり歩かなくてはならない。 「あのさ、青峰くん」 「んだよ」 「怖いんだったら楽しい話でもしながら歩こうではないですか」 「怖くねーよ。けど、まあ。その提案は採用だ」 あくまでも怖くないということを主張しつつもの提案に乗った。 「んで?何の話をすりゃいいんだ?」 「や、わかんないよ。青峰くんが『楽しい』って思う話って何?」 「そーだなー...」 腕組みをしながら歩く青峰をは見上げながら歩き、「うわっ」と躓いた。 「おい」 咄嗟にの二の腕を掴んで彼女が地面と激突をするのを防いでやる。 「何やってんだよ。意外とドン臭いな、。さつきも相当だけどよ」 呆れながら青峰が言った。 「青峰くんを見上げながら歩いてたからだよ。もっと小さくなれ!」 上を向いて歩けばバランスだってとりにくい。 しかし、青峰はの抗議に「へっ!」と笑って「ちび」と言う。 「失敬な!」と抗議の声を上げるを無視して、 「おっぱいか、バスケだな」 と青峰が言う。 「...バスケにしようか」 一瞬何の話かわからなかっただが、先ほどの自分の質問に今答えられたのだと気付いた。 「うん、そうだな。おっぱいかバスケだ」 「だから!バスケしか選択肢はないよ!!何でクラスの女子とおっぱい談義っていう選択肢が浮かぶの!!」 が指摘するが青峰は愉快そうに笑う。 は元々バスケ素人なので、基本、彼女が質問をして青峰が答えるという感じの話だった。 しかし、残念なことに青峰は感覚でプレイをしていることが多く、あれはどうやってるのかと聞いても「テキトー」というまさに適当な答えしか返ってこない。 ちなみに、ミーティングや試合観戦の時には大抵の隣には赤司が座っている。 バスケ素人のにも分かるように理屈やルールを丁寧に教えてくれるので非常に助かる。 お陰で、この4ヶ月間でかなりの玄人じみたことにも気付けるようになった。 延々しゃべって何とかゴールに辿り着いた。 「あー、疲れた」 肩を回して青峰が言う。 「はいはい、お疲れさん」 が言うと「そういや、」と青峰が振り返った。 その姿勢を見ては「おや?」と思う。いつでもスタートが切れるような、そんな体勢だ。 「二の腕あるだろ?二の腕の、肘を90度上げたら下になるところな?あそこの肉の柔らかさって、おっぱいの柔らかさなんだってさ。ちっせークセにそこそこ触り心地良かったぜー」 そう言ってダッシュした。 「青峰ぇー!」 がそれを追いかける。 何故青峰が追いかけられているのか皆は、知らない。 ただ、何かやらかしたんだろうなーくらいには思っている。 今回は、の体力が元々枯渇しているところでの追跡で、さらに相手が逃げる気満々だったバスケ部最速のエースだったため、掴まえることができなかった。 「青峰ぇ...」 唸るように呟いたのその声は、殺意に満ちていたとかいなかったとか... |
桜風
12.8.25
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