僕たちの夏休み 4 −黒子編−





「あれ、黒子くん?」

さんのパートナーは僕のようですね」

それぞれ痛い視線を感じながらスタートした。


さんは、こういうのは苦手じゃないんですか?」

「ん?うーんそうだね。あんま気になんない。黒子くんも?」

「はい、あまり怖いと思えないんです」

「じゃあ、さ。お互い怖がらせながら歩いてみる?」

が提案した。

お互い怖いと思わない者同士が歩くのなら、それは普通に夜の散歩だ。『肝試し』とはいえない。

「いいですよ」

と黒子がの挑戦を受けてたつ。

「じゃあ、先攻・後攻決める?」

「じゃんけんはどうでしょう」

黒子の提案には苦笑した。

「選択権、譲ります」

じゃんけんをすれば必ずが勝ってしまう。それは、何だかフェアではない。

だから、選択権を譲った。

「ですが...」

「わたし、じゃんけんメチャクチャ強いから」

「なら、なお更勝負したいです」

黒子の闘志が燃える。

「まあ、いいけど...」

本人の希望なら、とじゃんけんをしてが勝った。

「じゃあ、先攻」

「いいですよ。では、僕は後攻ですね」

そうして2人の百物語が始まる。


の話は情景描写がしっかりされていて、そのため、リアルに想像しやすく、さらにその表現力を増すような声のトーンで話をしている。

対して、黒子の場合は、元々国語が得意と言うこともあり、言葉の選択が上手でさらに、淡々と話すその話し方が中々の玄人だ。

2人は交互に自分の知っている怪談を話し、相手の反応を見る。

「中々やりますね...」

「黒子くんだって、結構エグイの持ってたじゃない」

2人はすっかり熱くなっていた。

「じゃあ、次はわたしの番ね」

そう言ってが取って置きの話を始める。

黒子はじっとその話に耳を傾けていた。


「ちょ、ちょっとぉー!」

そんな2人を遠巻きに部員達が見守る。

既にゴールをしたと言うのに2人は決着が着いていないと言って、先ほどから勝負をやめないのだ。

しかし、2人は話が上手いので思わず聞いてしまうが、内容が怪談ということで竦みあがっている状況だ。

「誰か、止めるのだよ!」

緑間が声を上げた。

「黄瀬、お前が行け」

「えー!いやっスよ!青峰っちそういうの平気そうじゃないスか!」

に嫌われるからイヤだとかそう言うのではなく、あそこに近付くだけでなんか呪われそうな気がするのだ。

「ばっか。紫原、お前いっそを小脇に抱えてどこかに連れ込め」

「えー、あそこいきたくないし。桃ちんは?」

「ムリムリムリムリー!」


結局2人を止めたのは、突然の雷雨で、慌てて屋根のあるところに逃げる途中、紫原がを小脇に抱え、青峰が黒子を誘導することで2人を引き離すことができた。

自然の恵みに感謝しつつ皆は就寝したが、本日耳にした怪談が脳裏に甦り、翌朝、殆どの者が寝不足に陥ったという、ある意味伝説の合宿となったのだった。









桜風
12.8.25


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