帝光祭 3





季節はずれのサンタさんこと、赤司が体育館にやってきたのだ。

さん!」

「黒子ーーー!!」

良く分からないが、黒子と桃井、そしてそれを追いかける緑間と紫原が別の入り口からやってきた。

「ほら貝を!」

「はいはい」

黒子に言われてそれを素直に渡す。

桃井と黒子はチームを組んでいるらしいので、彼に渡すことは桃井に渡すことに繋がる。

「青峰っち!全色揃ったっス!!」

「捕獲しろ!!」

黄瀬が桃井と紫原を掴まえ、青峰が緑間と黒子を掴まえた。

君、どうしたこの騒ぎは?」

「寧ろ、赤司くんのその袋の方がどうしたの?」

赤司は引き摺るようにして大きな袋を持って歩いている。非常に重そうだ。

そんな話をしていると

「赤司っち!こっち来てほしいっス!!」

と黄瀬に言われて赤司は不思議そうにそちらに足を向ける。

荷物はに預けた。

「ヒーロー参上!」

黄瀬が言う。

「多いなー...」

は苦笑した。

隠しキャラのブラックはともかく、パープルなんて聞いたことはない。

とりあえず、クイズ研は青峰・黄瀬チームも合格させた。

「...何だったんだ?」

解放された赤司たちはのことへと足を向ける。

「てか、紫原くんどうしたそれ」

紫原はなぜかひらひらドレスだった。しかも、ちゃんとカツラも被っている。

「んー?オレの衣装」

「...衣装?」

赤司が眉間に皺を寄せる。

「黄瀬くんと同じクラスでしょ?演劇だったっけ?」

「縁日だし」

「...ふーん」

適当な相槌を打って、は赤司の荷物に視線を向ける。

「あと、赤司くんもどうしたの?これ、季節はずれのサンタさんじゃあるまいし...」

「少し、楽しみすぎたよ」

赤司が言う。

曰く、オセロ部、囲碁部、将棋部、チェス部など、色んな部の大会を制覇していき、景品を全て貰い受けたらこうなってしまったとか。

「...へー」

は呆れる。荷物が多いからと景品は断れば良いのに。

「そうだ、紫原。これをやろう」

そう言って袋から取り出したのは、まいう棒。量がハンパない。1年分だそうだ。

「軽いんだろうけど、容積取るねー」

は苦笑した。

「ああ、丁度良かった」

「ありがとう、赤ちん!」

弾んだ声で紫原が言う。

「あ、ちんにも分けてあげるね。トクベツだからね」

そう言って1本くれた。

「わーありがとー」

棒読みの礼を口にする。

「ほら、開けて。一緒に食べよう」

そう促された。

「え、ここ体育館」

「いいよ。ほら、開けてあげるし」

そう言って紫原はの手に渡したまいう棒の封を切った。

「はい、どーぞー」

「どーもー」

受け取ったは、さすがにそれを持ったまま歩けないので、食べることにした。

一口食べた

「どー?それ、オレのおススメ」

と紫原が言う。

「どうしよう、これ...」

は口に手を当てて目を丸くした。

「どうしたのだよ」

緑間が心配そうに問う。

「口の中の水分、全部持ってかれる...」

「たしか、フレッシュフルーツジュースの店があったな。そこに行くのだよ」

「では、俺はもう少し楽しんでくるよ。荷物も少し軽くなったしね」

食べ物系は全て紫原に渡したのだ。

「道場破り、頑張って」

が言うと

「制覇してくるよ」

と笑顔を浮かべて赤司が校舎に向かっていく。

「...赤司のことだ、本当に制覇しかねんな」

溜息混じりに緑間が言う。


ジュースを購入し、緑間はまだ手伝いがあるからと去っていった。

紫原も当番があるからといなくなる。

また気ままなひとりになったは、静かな場所に移動した。

旧校舎の屋上の入り口の更に上。

ごろんと寝転んで空を見上げていた。

日が傾いてきた頃、人がやってきた。

やがてその人数は増え、賑やかになる。

その様子をは静かに眺めていた。

仲間の輪というものの中にどうやって入って良いかが分からない。

だから、眺めていただけだった。

それでも、楽しいと思った。


皆がいなくなり、ひょいとそこから飛び降りる。

「どうして声をかけてこなかったんだい?」

帰ったと思っていたのに、そこに赤司がいた。

「邪魔しちゃ悪いでしょ」

その言葉に赤司は盛大な溜息をつく。

「邪魔..か。あいつらの誰が君を邪魔と言うのだろうね...」

呆れた口調の赤司には苦笑した。

「明日も部活ってホント?」

「午後練だけどね。連絡が行ってなかったのか?大会まであるし、家の事があるなら無理をしなくてもいいんだが...」

「いえいえ。是非とも来ますよ。桃井が奢ってくれるチーズケーキ食べに」

君、楽しかったかい?」

静かに問われてはコクリと頷いた。

とても楽しい思い出が出来た。










桜風
12.12.12


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