| 踏ん張って、歯を食いしばって頑張った。 けれども思った結果が得られず、周囲の落胆を目の当たりにしては奥歯をかみ締めた。 全てが全て、頑張ったら頑張った分だけ報われるとは思っていない。 それでも、こんな報われない現実を目にすると心が折れそうになる。 俯きかけて歯を食いしばって顔を上げた。まっすぐ。弱気になんてなれない。 「さん」 名前を呼ばれた気がして振り返ると世良が立っていた。 「あら、恭平くん。どうしたの、こんなところで」 自分のほうが年上だから弱ってるところなんて見せられない。 というか、本当になんでこんなところにいるのだろう... 「さん、お疲れっス」 そう言って世良は手を伸ばしての頭を撫でる。 目を丸くして驚いていたが我に返ったように頭を動かして世良の手から逃れる。 世良に頭を撫でられることが思いのほか心地よくてうっかり甘えてしまいそうになり、内心慌てた。 「なによ、生意気ね」 「いいじゃないスか、たまには」 そう言って世良はを抱きしめた。 「さん、すげー頑張ったから」 「甘やかさないでよ」 胸の中で泣きそうな声でが呟く。 「ははっ、泣いちゃえば良いのに」 「人の気も知らないで...」 「知ってますよ、さんがどれだけ頑張ってるか。さんがいつも一生懸命で頑張り屋なのは、悪いっスけど、俺が一番知ってます」 世良の言葉にはぎゅっと彼のシャツを強く握った。 小さく漏れる嗚咽を隠すように世良にしがみつくように抱きつく。 「俺、頑張り屋のさん好きです。けど、疲れたら疲れたって言ってください。俺、ちゃんと支えること出来ますよ」 「5つも下のクセに」 「何言ってるんスか。さんが100歳のとき、俺は95ですよ。そんな変わんないでしょ」 しれっとそう言う世良には思わず噴出した。 「何、その例え」 「5つなんて大したことないってこと」 が体を離そうとしたので世良も腕を緩める。 すぐ間近で目にするの鼻の頭が赤くなっている。目の端も。今のはお世辞にも美人とはいえない。 けれど、何処かしらスッキリした表情だ。 それを見た世良は少しだけ照れくさそうに笑った。 「なに?」 「俺、さん好きっス」 「はあ?!」 何をいきなり... 目を丸くして半ば呆れているにキスをした。 満面の笑みで自分を見ている世良を目にして、色々と小難しくあれこれを考えていた自分が何だか可笑しくなった。 「恭平くんは、凄いね」 「愛のチカラっス!」 胸を張って言う世良のおでこをペシッと叩いた。 「いてぇ」と声を上げる世良に「調子に乗らない」と釘を刺しては笑う。 おでこを押さえていた世良はの笑顔を見て「えへへ」と笑った。 |
頭を撫でられるっていうのを書きたかったんです。
年上に撫でられるのは良くあるけど..年下も良くね?
そう思って最初に浮かんだのは赤崎だったんですけどね。
生意気ぶりが、ちょっと赤崎じゃなかったので、世良になりました。
けど、世良で正解だと思う。
赤崎はもうちょっとヒネててまとめるのに苦労しそうだったから...
桜風
11.03.26
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