| ブザーを鳴らしてドアを開ける。 「・です」 一歩、部屋に足を踏み入れて敬礼をしたが、すぐにその手を降ろして「あれま...」と呟いた。 目に入ったのはソファとそれからはみ出している脚。 パンツが白、ということは隊長服を着た人物が寝ていると言うこと。 つまり、この部屋の主、イザーク・ジュールの脚である。 部屋の主が居眠りをしていてもまあ、おかしくはないのだろう。 珍しくはあるが... なるべく靴音を鳴らさないようにそっとデスクに近付き、は持って来た書類を置いた。 そして回れ右をして、足早になりそうになるのを押さえつつイザークの元へと向かう。 膝を突いて顔をじっと覗きこむ。 黙っていれば文句なしの美人だ。 起きているときは、この形の良い口からはかなり厳しい言葉が飛んでくるし、閉じている瞳は、明いているときは鋭い眼光で相手を黙らせる。 そして、このおかっぱ頭は..起きているときもさらさらのおかっぱだ。これは変わらない。 「わぁ...」と思わず溜息が零れる。 このサラサラは本当にサラサラだった。何のシャンプーを使っているのだろうか。 起きているときはあまり触らせてくれない。 暫くイザークの寝顔をじっと眺めていただったがその唇に自分のそれを近づけ、寸前でぴたりと止まる。 「何だ、おしまいか」 目を瞑ったままイザークの口が開いた。 「おしまい」 の返事を聞いて目を明けたイザークは体を起こす。 「続けても俺は構わなかったんだがな」 「寝込みを襲ってみたいって思ったんだから」 イザークは「なんだそりゃ」と返して伸びをする。 「書類、デスクの上に置いておきました」 先ほどまで思い切り公私混同していたは今更部下の顔になる。 敬礼をしてそういうに苦笑してイザークは手を伸ばした。 書類を寄越せと言うことなのかと思ったがデスクに足を向けようとすると「ちがう」とイザークが止める。 「では、何でしょう」 「お前だ、」 そう言って腕を掴んでぐいと引っ張る。 その勢いのままイザークの胸の中に納まった。 イザークに後ろから抱きすくめられているは一度肩を竦めた。 「仕事は良いんですかー?」 「書類が来てないからな」 「さっき来ました。わたしが持ってきました。デスクの上です」 「知らん」 そう言って一層イザークの腕に力が入る。 これは中々離してくれそうにないようだな、とは半ば諦めの境地だ。 「」 名を呼ばれ、「なに?」と振り返るとイザークにキスをされた。 「いつでも襲ってくれて構わないからな。俺は寝る」 「ちょ、わたしは仕事あるんだけど」 「安心しろ。仕事なら俺にもあるが、知らん」 そう言ってイザークはの肩に頭を載せてそのまま寝息を立て始める。 「気が向いたらねー」 そう返したの心臓はいつもよりほんのちょっとだけ早く打っていた。 |
疲れたときは甘えたら良いよ。
そう言う話に見えないかもしれないけど、イザークがわがままを言うのは彼女にだけってことで。
彼女もそれを知っているから強くいえないというか...
とりあえず、後ろ抱っこされているので寝込みの襲いようがないのですけどね。
イザーク、分かってるのかな?(笑)
桜風
11.03.25
ブラウザバックでお戻りください