| 目の前で忙しそうに右へ左へと動いているをディアッカは頬杖をついて眺めていた。 「ちょっと、気が散る」 「オレは散らないよ」 の抗議は軽く流されてしまった。 しかし、今日のディアッカの発言は大目に見る、とは心に決めている。 年に一度の誕生日。こちらとしても大目に見ようと思うってもんだ。 「ねえ、まだ?」 の言葉に「まーだ」とディアッカが笑う。 実は本日、はディアッカへの誕生日プレゼントを用意していない。 数ヶ月前からそわそわしながら探していたのにディアッカにストップをかけられた。 「今年のオレの誕生日プレゼント、リクエストして良い?」 これまで何回かあったので、それについてはは別に構わないと思い頷いた。 しかし、今日までリクエストをしてくれなかった。 結局、ディアッカはからのプレゼントなしの誕生日を迎えた。 「今からでも遅くない、買いに行く」と先ほどディアッカが家に来たときには言ったが、「まだ内緒」と彼は言う。 仕方ないので、今日ディアッカにご馳走する料理に取り掛かったのだが、ディアッカはこちらを満足そうに眺めているだけなのだ。 早くしてくれないと店が閉まると言うのに... 結局が腕によりをかけて作った料理は出来上がってしまった。 「できちゃったよー」と拗ねて言うと「美味そう!」とディアッカは笑う。 「ねえ、いつ教えてくれるの?...まあ、誕生日過ぎてもプレゼントあげるけど」 せっかくならこういうタイミングであげたかったのに、というを「まあまあ」と宥めてテーブルに着く。 そのままワインをあけて、食事を始めた。 少し拗ねていたも、せっかくの誕生日だしと機嫌を何とか直して心からディアッカの誕生日をお祝いしながら食事を続けた。 ソファに座って食後のコーヒーを飲んでいると「」とディアッカが声をかけてくる。 待ってました、とが笑顔で振り向くとディアッカが少し怯んだ。 はそろそろだと思っていたのだ。 「これ」とディアッカが小さな紙に包んだ何かをポケットから取り出した。 「なに?」 「開けてみて」 首を傾げてはその包装紙を丁寧にはがす。いつもは包装紙は丁寧にはがすので時間が掛かる。 普段ディアッカは「もう良いじゃん、破っちゃえば?」と言うのだが、今日は何故か言わない。 開いた紙の真ん中には指輪。そして、その包装紙の内側には『I will marry』と書かれていた。 「この先、誕生日プレゼントいらないから、オレはのこれからがほしい」 ディアッカが言う。 状況の整理が出来ずに呆然と手の中のものを眺めていたは、真剣なディアッカの声に反応して顔を上げ、その瞳に射抜かれてはコクリと唾を飲んだ。 「えっと...」 答えはもう決まっている。だが、声が出ない。 どうしたら良いんだろう... 「たぶん、頷けば良いんだけど」 ディアッカの的確な指摘に反応して慌てては頷いた。 コクコクと何度も頷く。 「...ありがとう、」 そう言ってディアッカはを抱きしめ、大きく息を吐いた。 「すげー緊張した」 苦笑しながら言うディアッカには笑う。 「珍しい」 「だって、やっぱりさ。これまで何回か言いたかったんだけど、中々思い切っていえなくて。やっと、言えたのが自分の誕生日って。ちょっと情けないなって思ってたし」 肩を竦めて言ったディアッカがを離し、瞳を見つめる。 その視線が強くて少し居心地が悪い。 「健やかなるときも、病めるときも。ずっと永遠に愛してる、」 「ばか、不意打ち」 震える声のに少し笑って 「誕生日だから許してよ」 ディアッカはそう言って静かにキスをした。 |
ふと思ったのです。
あ、ディアッカの誕生日。
基本、スルーです。種のキャラで誕生日を祝うのはイザークだけで充分。わたしの場合。
しかし、思い出したのも何かの縁。
幸せな話を読んだら、幸せになるかもしれない。
ディアッカに一役買ってもらいました。
桜風
11.03.29
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