Shooting star





キラリと星が流れた。

手を組んで口の中で何事かを唱える。

「何を願ったんだ?」

振り返るとゆっくりこちらへやってくる宮地が居た。

並んで星を眺めていたが少し寒かったので飲み物を買ってくると彼が席を外したのだ。

隣に座って買ってきたコーヒーを渡す。

「ありがとう」と受け取るの手は冷えていた。

「冷たいな。ちょっと手、貸してみろ」

そう言って宮地は大きな手で彼女の手を包む。

弓道をしている宮地の手は豆の跡などもあり、見た目よりも少しごつく感じるが、それがの安心感に繋がる。

「宮地くんは体温が高いのね」

「寧ろ、が冷たいんだ」と返して大切そうに彼女の手に自分の手を重ねている。

「で、さっき。流れ星に何かを願ったんだろう?」

話を戻す宮地には悪戯っぽく笑って「内緒」と言う。

「何だ、それは」と呆れた口調で宮地が言う。

「ところで、宮地くんは何を飲むの?」

そう言って宮地の傍においてある缶を見る。

「あー、ココア。甘いものがほしくなったんだね...」

感心したようにが言うと「あ、甘いものは体の疲れを取るのに最適な」と言い訳のようなことを口にし始める。

誰も『悪い』なんて言っていないというのに。

「良いじゃない。一緒に甘いものを食べられる彼氏って素敵なのよ?」

「そ、そうなのか?」

少し声が弾んでいる。

素直な宮地に内心苦笑しながらは頷く。

「だって、デートでカフェに入っても一緒に楽しめるでしょう?中には『そんな甘ったるいものを食べるなんて気が知れない』っていう彼氏もいるらしいんだから。友達が嘆いてた」

「む...人の嗜好に口を出し、あまつさえ非難するとはけしからん」

眉間に皺を寄せて宮地が呟く。

その反応には目を細める。

「ありがとう、もう良いよ。宮地くんの体温、だいぶもらっちゃった」

そう言ってが手を引き、宮地は彼女の手を離す。

「いくらでもやる。俺の体温くらい」

冷めたココアのプルトップを上げて一口飲んだ宮地も星空を見上げた。

「そろそろ春だな」

星空を見上げて季節を感じるのはやはり彼が星に興味があるからだろう。

も宮地のお陰で随分と詳しくなった。

そうでなければせいぜいが雑誌の星占いで記憶した12星座がいえるくらいで終わっただろう。


「あのね」とが言う。

星空を見上げていた宮地が彼女に視線を向けた。

「どうした?」

「星って皆にたくさんお願い事をされているでしょう?」

「ん?まあ、そうだな」

「だから、わたしはお礼を言ったの」

「お礼?」

先ほどの流れ星のことだろうか...

「宮地くんに会えたのは、お星様のお陰でしょう?」

まあ、否定は出来ない。

宮地は頷いた。

「だから、お礼。ありがとうございますって」

そう言ってにこりと微笑む。

「む...それなら、俺もお礼を言わないとな」

そう言って宮地が空を見上げると、キラリと星が流れた。






宮地で何かを、と思い。
やっぱりスタスカのキャラを書くときには星だとか月だとか天体が出てきます。
他の人もそうなのだろうか...
結構あれでロマンチストな彼なので、ロマンティックな何かを..と思ったのですが。
『星に願いを』ではなく『星にお礼を』になってしまった。
星もたくさんの人の願いをかなえて忙しいだろうしね。


桜風
11.03.27


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