| 最近彼女の元気がなかった。 「どうかしたのか」と声をかけても「そっちこそどうかしたの?」と返される。 たまに、こういうところは可愛くないなぁと思う。 しかし、彼女のことは、大抵可愛いと思っているのでそこで色々と帳消しだ。 「気付いていないのかもしれないけどな、。此処最近のお前、溜息が多いんだぞ」 「青春には溜息がつきものなのよ」 「とっくに青春時代は終わってるだろう、お前」 呆れた口調で星月が言うと「枯れたおっさんみたいなこと言うのやめてね」と返される。 同じ年だ、と思いつつ「はいはい」と肩を竦めて見せた。 勤務先がお互い違うので会える機会はそう多くない。 星月は片田舎の全寮制の学校の保健医であり、普段は職員寮で生活している。 対して、は大都会の学校の講師をしている。 就職がうまく行かなかった。 「就職難って知ってる?」 真顔で聞かれて「はいはい」と星月が適当に流すと彼女は地団駄を踏んだ。 目の前で『地団駄』なんて中々見られない。 星月は思わず「ほう...」と感心した声を漏らしてしまい、そのときはまた彼女の不興を買ってしまい、その後は大変だった。 と言うわけで、彼女と会える時は星月は色々と万端にして彼女に会っている。 これまで彼女もそうだった。大抵元気で良く笑い、楽しそうに過ごしていた。 しかし、ここ最近はそうではない。 「悩みでもあるのか?」 「んー、悩みねぇ...」 違うのだろうか。 「琥太郎って、カウンセリングも出来るんだっけ?」 「そう本格的なものはできないぞ。生徒の悩みを聞いてやってることはやってるけど、その後は年長者としてのアドバイスをする程度のものだからな。何かあるのか?」 「そっか。じゃあ、気分が晴れないとき、琥太郎は何する?」 「寝る」 即答だった。 「晴れてるときは?」 「寝る」 同じじゃん、と肩を落とす彼女に「じゃあ、ドライブでも行くか」と誘った。 気分が晴れないなら、周囲の環境を少し変えてみるのも手だろう。 「良いコト言うじゃん!」 大賛成、と彼女は手を叩いた。 その日はもう遅かったし、が次の日の朝が早いと言うこともあり、次回のデートの約束となった。 「星って凄いよね。嫌いな人は居ないんじゃない?」 夕日が沈み、ひとつふたつ星が瞬き始め、それを見つけてははしゃいでいたが言う。 「んー、言われてみればそうだな...」 雨が嫌い、晴れが嫌い、海が嫌い、山が嫌い。 色々な『嫌い』があるが、星に対する『嫌い』は今のところ聞いた事がない。 星が嫌いな人は居ない、というのは言いきれないだろうが、少ないのではないかと思う。 少なくとも、自分の周りは星が好きなものが集っているので余慶に草考えてしまうのかもしれないが... 「ね、あの星は何?」 彼女の指差した星を辿り、解説してやる。 学校の教師ほど詳しくないが、そこそこ詳しい。 見つけにくい星座もあるが、そこは正直に伝えると「じゃあ、あっち」と別の星を指差す。 忙しいことこの上ない。 しかし、どうやら彼女の気は晴れたようだ。ドライブから今まで溜息は吐いていない。 彼女が指差した星の星座について、知っている神話があれば話をしてやる。 興味津々に聞いていた彼女だが、相槌が段々おざなりになっている。 「眠いのか?」 「まだ、眠くないよ...」 少し舌足らずの返事がある。眠いようだ。 「帰るか?」 せめて車の中に、と思ったが、「だいじょうぶ」と言われて星月は溜息を吐いた。 彼女の好きにさせようと思った矢先、肩が重くなった。 「まったく...」 星月が溜息混じりに呟いた。 この姿勢のまま、どうやら当分動けないようだ。 諦めて空を見上げた。 静かな夜に、愛する彼女と2人きり。しかし、彼女は寝ている。 欠伸をかみ殺し、星と語り合うことにした。 |
しまった!スタスカは今のところ全部夜だ!!
昼間に星が見えないのは仕方ないが、態々星に絡ませることないよね!
琥太郎がどれだけ星に詳しいか分からないけど、そこそこは詳しいと思う。人並み以上に。
周囲が人並み以上のさらに上、詳しいだけで。
彼氏に星座を教えてもらうのもいいかもね!
桜風
11.03.29
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