「他の誰の為でもない。お前だけの為に俺はいるんだ」





ずっと近い存在だった。近すぎる存在だった。

近すぎるからこそ、遠かった。

けど、そう思っていたのは自分だけだったと知ったのはちょっと前。

人当たりが良くて、性格も外交的。知り合い友人は結構たくさん居ると聞いたことがあるし、色んな女の子と噂にもなっていた。

だから、あんなことを言われたときにはその言葉が信じられなかった。



の幼馴染のディアッカは、どうも人気者らしい。

まあ、人気が出そうな性格だなとは思っていた。けど、その彼をちやほやしている女の子達は彼の表面しかみてないんだ、とは思っていたし、あながち間違いでもなかったはずだ。

そして、そんな表面だけを見ている人たちからしてみれば、ディアッカの幼馴染と言うだけで気安い関係にあるが面白くない。

「陰険...」

は呟いた。

誰、と特定できるものではないが、嫌がらせを受けていたのだ。

やり口がまさに陰険で嫌になる。

ディアッカと幼馴染なのは、自分の事情ではなく、親の事情だ。文句は両親に言ってもらいたいものだ。

」とディアッカに名前を呼ばれた。

「なに?」

「最近、やけに元気ないけど、どうした?あ、ダイエットか?」

諸悪の根源、というと彼に悪いが当たらずとも遠からずだとも思う。

は盛大な溜息をつき、「べつに」と返した。

「嫌がらせを受けてるとか?」

ずばり言い当てられては驚いた。

しかし、それを素直に認めるとディアッカにも悪い気がして「なんでよ」と笑いながら返した。

「そりゃ、俺が人気者だから」

「ははは、殴っていい?」

笑顔で返すとディアッカは肩を竦める。

は、自分の彼氏が人気者ってどう思う?」

「は?」

突飛なことを言われたと思った。

「どう?」

促すディアッカは何を考えているか読めない表情だ。

「どう、って...てか、今の話の流れだったらディアがあたしの彼氏にって...」

「そう言ってるつもりだけど?」

予想だにしていなかったディアッカの言葉には固まり、やがて「悪くない」と返した。

その言葉があまりにも彼女らしくて、ディアッカは思わず苦笑を漏らす。

「じゃ、ナイトの最初の任務と行きますか」

軽い口調でディアッカが言う。

誰がナイトだ、とか自分でナイトとか言っちゃうんだ、とかは心の中でツッコミを入れていたが、自称ナイトは有言実行した。


「ディア、大丈夫?」

の言葉にディアッカは首を傾げた。何を心配されているのだろうか。

「や、ほら。この間の治めてくれたのは非常にありがたいんだけどさ。ディアは困らないの?」

の言葉にディアッカは笑った。

「笑い事?!」

「笑いごと。あのさ、。言わなきゃわかんないかな?」

何がだろう。

「他の誰の為でもない。お前だけの為に俺はいるんだ」

ディアッカの言葉にルりは目を丸くした。

「何、かっこいい事を言ってんのよ」

かなり動揺して返すと

「何だ、知らないのか?」

とディアッカがおどける。

これは、ロクなことを言わないな...

付き合いの長さゆえの勘がそう思わせる。

「俺はかっこいいんだよ」

「ははは、殴っていい?」

いつか言った言葉を繰り返すことになるとは...

の言葉にディアッカは軽く笑って「どうせならキスが良いな」というからは笑顔で右拳を彼のわき腹に向かって繰り出した。




勝手に応援企画第二弾。皆様からリクエストをいただいて、創作させていただいています。
5本目のリクエスト内容は次の通り。
ガンダムSEEDのディアッカからヒロインへ。
「他の誰の為でもない。お前だけの為に俺はいるんだ」
幼馴染→恋人のような関係で。

企画へのご協力、ありがとうございました!


桜風
11.08.07


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