| ザフトの軍事ステーションはいつもよりも人が多かった。 本日17時にジュール隊が集合することになっている。 そのための最後の点検やクルーなどでいつもよりも人口密度が高くなっているのだ。 も時間に余裕を持たせて自分の乗る船、ジュール隊の旗艦であるボルテールへと向かう。 「久しぶり!あら、。良い指輪してんじゃん!!ダーリンからのプレゼント?」 と肩を叩かれて振り返ると、既に繋ぎを着ているメカニックの・が大きな荷物を持っている。 「あ、。久しぶりね、休暇はどうだった?」 「まあまあねー」 そう会話をしていると 「久しぶり」 と別の人物の声が掛かる。 2人が振り返ると赤い軍服を着ているシホ・ハーネンフースがいた。 「あ、久しぶり。シホ、休暇はどうだった?」 がに聞いた同じ事をシホにも言う。 「ええ、それなりに」 答えは両者とも似たようなものだ。 は2人と同期という奇妙な立ち位置だ。 最初、アカデミーに入った時の同期がで彼女は勿論イザークたちと同期だ。 そして、がドクターになるためにより高等な教育を受けにアカデミーに出戻った時の同期が、シホである。 はドクターを目指していたため、シホよりも長くプラントに止まり、その間にシホは戦場に出ていた。 少しこんがらがる関係だが、とにかくこのボルテールの中では仲の良い3人でそれは隊長も認識している人間関係だったりもする。 「ところで、。髪を下ろしてるって珍しいね」 に言われては顔が引き攣る。 「え、そうかな?」 「そうね。いつも髪は上げているでしょう?治療の邪魔になるからって」 シホも同意する。 「いや、ほら。まだ治療とかするような状況じゃないし」 目を泳がせながらが言い、それを受けてとシホが顔を見合わせてそして頷く。 パサリ、と2人は同時にの両側からその下ろしている髪を払った。 「あった」 の首筋に赤い痕を見つけてが楽しそうに呟く。 「ホント?」 とシホも楽しそうだ。 「ま。楽しい休暇だったようね、は」 からかうような口調でが言う。 この船でとイザークの関係を知っているのは、ディアッカととシホの3人だ。艦長でさえも、多分知らない。 いや、薄々気付いているかもしれないが、誰も確認は出来ない。何となく、してはいけないような気がする。 「いや、あのさ。これって...」 「大丈夫。男たちは案外気がつかないわよ。エルスマン以外は」 何か言おうとしどろもどろに単語を口にしようとしたを制してシホが言う。 「お。副官を呼び捨てですか?」 がシホに言うと 「ええ、そうよ」 とにこりと微笑む。 どうもシホとディアッカは反りが合わないらしい。いや、合わないのはシホが一方的なのかもしれないが、シホはディアッカにあまり良い印象を抱いていない。 両者の友人であるはそれが少し残念だが、逆に、友人だからこそシホにはディアッカの性格が気になって仕方が無いというのは想像つく。 ディアッカの方はシホのことを大して気にしていないだろう。ディアッカはアレであまり他人を気にしない。 迷惑を掛けられたりすれば気にしだすかもしれないが、嫌われている程度で任務に差支えが無い場合はなにもアクションを起こすことはない。 「しっかし。イザークも本当に...のことを考えてあげれば良いのにね」 の言葉には強く同意をすべく頷こうとしたがそのタイミングでパシッ、との頭をはたいて誰かがたちを追い抜く。その人は白い軍服でこの船にはそれを着ている人物は限られる。 「隊長を呼び捨てにするとは良い度胸だな」 振り返って彼はにやりと笑う。 「痛いなー。暴力反対!」 「休暇明けはちゃんと軍服で乗艦しろと言っただろう。命令違反だな」 「横暴!」 「命令違反をしてそれで済んだんだ。寧ろ感謝してほしいものだな。ハーネンフース、19時にパイロットをブリーフィングルームへ集合させてくれ」 イザークはそれだけ言って先に進む。 「痛い!」 はに向かって訴える。 自分に訴えられても... そんなことを思いながら「ご、ごめん...」と一言謝っておいた。 |
桜風
07.11.9
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