| がガモフを降りて1週間が経った。 シャワーを浴びてバスルームから出ると通信を告げるアラームが鳴っていた。 慌てて確認すると軍の回線、しかも、懐かしいガモフから。 何だろう、何か手続きで見落としでもあったかな、と回線を開くと『俺は怒ってるんだ!』という表情のイザークが立っていた。 が首を傾げると、 「何で俺に話さない!」 そう怒鳴れらる。 がイザークに怒鳴られることなんてこれが初めてで怖いとか思うよりもビックリしていた。 見慣れていたと思ったが、自分が怒鳴られるとなると見ていた時よりも結構迫力あるものだとどこか感心してしまう。 「何が?」 「船を降りることだ!」 まだ怒鳴るイザークの返事には少しだけムッとした。 態々部屋を訪ねて話に行ったのに、アスランのことを考えて聞いていなかったのは自分の方ではないか。 それを言おうとしたら、 「誰も俺にのことを話さないから、3日もガモフの中を探し回ったじゃないか!!」 やっぱり怒りながらそう言う。 けど、の腹立たしい気持ちは、もうどこかに行ってしまった。 イザークはあの限られた空間で3日間も自分を探し続けてくれたのだ。ちょっと間抜けだが、とても嬉しく思う。 他の誰かだったらさっさと探すのを諦めたかもしれない。たぶん、イザークの性格から言ってそうだろう。 「何で、3日も探し続けたの?」 聞いてみた。 だって、あの船の中にはが離隊したことを知っている人物は結構居たと思う。少なくとも、友人たちやドクターはちゃんと事情を知っているのだ。 「あいつら、俺に3日も黙ってたんだ。さっき、ディアッカがの離隊を教えてくれた」 「...てことは、3日探したって言ってたから、4日は気付かなかったんだね」 指折り数えながら言うにイザークはたじろぐ。 「まあ、いいけど。でもね、イザーク。私ちゃんとイザークに言ったからね。部屋に行って」 に言われてイザークは少し俯いて眉間に皺を寄せて思い出すように集中した。そして、何かを思い出したかのように顔を上げた。 モニタ越しにと目が合う。 確かに、聞いたような気がする... 「ね?」とが言うと居心地悪そうに「あ、ああ」とイザークは肯定した。 「でも、元気そうで安心した」 が言うとイザークの表情も柔らかくなる。 「も。勉強はどうだ?」 「大変だけど、楽しいよ。ちょっとだけ、寂しいけどね」 そう言って笑うは言葉の通り寂しそうだった。 「静かで良いんじゃないか?」 「うーん、半々。は元気?あと、ディアッカとか」 「ああ、アイツらも元気だよ。明後日、作戦があるんだ。内容は言えないけど、そのブリーフィングとかそういうのでは忙しくしてるな、皆」 クルーゼ隊ではないに作戦の内容は話せない。 もそれについて気分を害す事は無い。曲がりなりにもザフトの軍人だ。 「そろそろ、切らないとダメでしょ?」 部屋にある時計をちらりと見てが促した。 「...そうだな」 「ねえ、イザーク」 が呼ぶ。これから当分この声は聞くことが出来ない。 「何だ?」 「この前も言ったけど、死なないでね」 の言葉に一度瞑目して、「ああ」と短く返事した。 「も、無理はするなよ」 イザークの言葉には微笑んで頷いた。 「じゃあ、な」 そう言ってイザークは通信を切るために、目の前のボタンに手を伸ばす。 「」 切る寸前、イザークはの名前を呼んだ。モニタを見ればイザークが微笑みながら声を出さずに口を動かす。 『 』 何も映らなくなったモニタに向かっては呟いた。 「私もだよ」 |
桜風
08.3.8
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