| 「!」 医務室に飛び込んできたのはで、手袋を嵌めたまま、つまり仕事の途中で抜け出してきたようだ。 「どうしたの?」 目を丸くしてが聞く。 「聞いた?アスランの事!」 つい今しがた、も噂好きのクルーを捕まえて聞いた。 が頷くと「行こう!」とが手を引いて走る。 「行くって何処に?!」 「イザークんとこ!」 走りながらは答え、隊長室へと向かった。 隊長室でブザーを押した途端、返事を待たずにドアを開く。 「ちょっと、」 「イザーク!」 部屋の中にはイザークと、そしてディアッカが居た。 「あれ、ディアも居たんだ」 「?も!?どうしたんだよ」 「アスランの事、イザーク詳しく聞いてない?!」 の言葉にイザークは深く溜息を吐いた。 「何処から仕入れたんだ、その情報」 「何処からでも良いでしょ!で、どういうコトなの?!」 イザークのデスクに詰め寄るに対して、は入り口のドアに凭れて息を整えていた。 本気で運動不足かも... 「脱走した。撃墜した。以上だ」 「はあ?!何、その2行で終わりそうな報告。もっと詳しく、原因とか。理由とか!」 「ない、な」 ギシ、と椅子に深く座って呟くように答えた。 「だって、アスランは結構バカだったりするけど。理由もなくそんなアホなことしないわよ!」 ...結構酷いことを言うな。 「えーと、まあ。俺もそれを言いにこの部屋に来たんだけど」 ディアッカが頭を掻きながらそういう。 「なあ、司令部の方に駆け合えないか?だって、も言ったけど、アスランには何か理由があるんじゃないか?だからさ..」 「出来ないな」 イザークの返答にディアッカは眉を顰め、は「何でよ!」と食って掛かる。 「証明できるものがないからよ」 静かに聞いていたが言う。 「どういうコトよ!?」 「私たちは、アスランのことを知ってるからバカだけど愚かじゃないってのを知ってる。けど、他の人は知らないでしょ?軍本部からの報告だけが、真実でしょ?」 「それは、まあ...」 とディアッカは頷く。 「例えば、ここで、ジュール隊が軍本部に異議を申し立てるとする。そうしたら、軍本部はジュール隊を煙たがる。そして、最も危険な戦域に派遣って流れになるんじゃないかな?」 の言葉に頷き、イザークが口を開く。 「俺たちは納得してそれを受け入れることは出来るが、他のクルーはどうだ?俺たちの暴走で無駄に危険な目にあわせるわけにはいかないだろう」 「で、でも...だって...」 は納得いかないように何かを言い募ろうとするが言葉が続かない。 「それに、撃墜されたんでしょ?冷たい言い方するようだけど、今騒いでも仕方ないわ。そして、生きていたとして、もうザフトには戻ってこないでしょうね。が言ったように、アスランには理由があって脱走したんだろうし。だから、今回の事を騒ぎ立てて何かいい方向に流れることはないわ」 肩を竦めながら言ったはとディアッカを交互に見た。 「まあ、そういうわけだ」 話は終わりと言わんばかりにイザークは一言言って締めた。 「そうだよ。イザークだってアスランが心配で仕方ないのに我慢してるんだから、2人ともそっとしておいてあげてよ」 のこの言葉にとディアッカが温かい眼差しをイザークに送る。 「な!?!!」 しれっとした顔では視線を逸らす。 通信を告げる音がしてイザークがそれを開く。 『ジュール隊長、軍本部から通信が入っています』 「分かった」と返事をして部屋の中にいる3人を見渡す。 「では、失礼致します」 が敬礼して部屋を後にする。 「え、ちょっと待ってよ!」 が追いかけようとして 「、熱源反応部分の調整を少し変えてほしいんだが」 とイザークに声を掛けられた。 「じゃあ、メールで送っておいて。時間がないでしょ?それが無理ならディアに言っといて。」 は一言返事して部屋を後にした。 「えーと、んじゃ。俺も下がるわ」 適当に敬礼してディアッカも下がる。 イザークはひとつ息を吐く。 「ったく、何をやってるんだ、アイツは!」 一言毒づいて本部からの通信を開いた。 |
桜風
08.5.8
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