| 「達也さん!」 待ち合わせ場所に行くとそこには白い息を吐きながら私を待つ彼の姿が目に入る。 思わず走って彼の元へ急ぐ。 「あ。ちゃん」 「すみません、お待たせしちゃって」 「いいや。今来たところだから。じゃ、行こうか?」 そう言って彼が私手を差し出す。 私は慌てて手袋を外して彼と手を繋ぐ。やっぱり布越しよりも直接彼の体温を感じたい。 今日はクリスマスイヴ。 周りを見れば何処も彼処もカップルだらけ。この人たちの中にどれだけキリスト教徒が居るのだろうと無粋なことを考えてしまう。 かく言う私は仏教徒のはず。それでも、『クリスマス』と聞けばウキウキしてしまうのだからやっぱりクリスマスは不思議。 だって、『花祭り』だとあまりときめかないでしょ? 駅前に近づくにつれて人が多くなってきた。たぶん、この人たちは駅前のイルミネーションを観にいくんだろう。そして、私たちも例に漏れずそれを観にいこうと歩いている。 「大丈夫?ちゃん」 「はいぃ...大丈夫です」 でもちょっとキツイ。 この人ごみは何とかならない?と思ってしまう。 人に埋もれている私は少々酸欠気味になる... あれ? まっすぐに進んでいたのに突然の進路変更。 横道に逸れるとさっきまでの人口密度がウソのよう。 「大丈夫?」 人の波に溺れていた私に気付いた彼が避難させてくれたみたい。 いつも思う。優しいなぁ。 「はい。大丈夫です。ありがとうございます」 「しかし、あれ全部駅前のイルミネーション目当てなのかね」 彼は溜息を吐きながら大通りの方を見て笑う。 「たぶん、そうでしょうね。みんな、考えることは同じですね」 私も思わず苦笑が漏れる。 「さて。じゃあ俺たちもまたあの仲間に入ろうか。休みながらゆっくり行こう」 さっきみたいに手を差し出しながら彼が口を開いた。 「はい!」 彼の手を取る。 彼と居ると優しい気持ちになる。 だからってワケじゃないけど、世界中の幸せを願って メリークリスマス!! |
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