Special Day





のんびり過ごすのにはやっぱり我が家が一番。

そう思って、とりあえず一通り家事を済ませて午後のお茶をしていると


ぴんぽーん


インターホンが鳴った。


はいは〜い、

と思いながら玄関に向かうけど

その間も訪問者はインターホンを連打する。


...。


訪問者が誰かが予想がつき、思わず苦笑が漏れる。


玄関のドアに手を掛けて「はい」と出ると、

「誕生日おめでとさん。。」

人懐っこい笑顔の千堂さんがいた。

「こんにちは、千堂さん。どうしたんですか、今日は?」

とりあえず玄関で立ち話も何なので、家に入ってもらう。

「千堂さん、紅茶でいいですか?」

「ええよ。おおきに。」

返事を聞いて台所でお茶を入れる準備をする。

お湯を沸かしている間にさっきの疑問をもう1度口にする。

「それで、千堂さんはどうしたんですか。態々ウチまで来て。」

「何ゆうとんのや。今日はの誕生日やろ?の誕生日をワイが祝わんで誰が祝うんや?」

「そういえば、今日は私の誕生日ですねぇ...」

「『そういえば』って。覚えとらんかったんか、。」

千堂さんが唖然となって聞いてくるけど、

「まあ、この歳で自分の誕生日で騒いだりしませんよ。でも、そっかぁ。誕生日だ、私。うんうん、納得。」

そんな話をしていると、さっき火にかけていたケトルが鳴ってお湯が沸いたことを知らせる。

急いで火を止めてとっておきの茶葉で紅茶を淹れる。


「どうぞ。」

「ああ、ありがとさん。」

そう言って千堂さんが紅茶を一口飲んで幸せそうな顔をする。

こんなのんびりした時間が好きで、そしてそんな時間の中に千堂さんが一緒に居ることが更に私を幸せにする。

「どうしたんや、何か嬉しいことでもあったんか?」

「ん〜ん、好きだなぁって思って。」

「何が、好きなんや?」

「秘密。」

人差し指を唇に当てて笑ってみせる。


しかし、さっきから千堂さんに落ち着きが無い。

「どうかしたんですか?」

そう聞いてみると、千堂さんはパン!と手を合わせて頭を下げてきた。

「すまん、。どうやら、に買っとったプレゼント、急いどったから忘れてきたみたいなんや。」

「気にしないいでくださいよ、千堂さん。」

私が言うと今度は勢い良く顔を上げて

「気にするわ。さっき、の誕生日をワイが祝わんで誰が祝うんやって言ったばっかりやで?それなのに...」

しゅん、と項垂れる。

「でも、私はもう千堂さんからプレゼントは貰いましたよ?」

「何もあげとらん。」

「いいえ、貰いました。他の人からは貰えない、千堂さんからじゃないと貰うことの出来ないものを、ね。」

「それって何やの?」

千堂さんに聞かれるけど、やっぱり私は

「秘密です。」

と言って人差し指を口に当てて答えた。


千堂さん、貴方がくれたもの。

それは、『幸せ』ですよ?



うっかり千堂。
でも、この人はプレゼントを忘れそうじゃないですか?
で、あたふたしている千堂を見て苦笑しながら『仕方ないなぁ』って思っちゃうんでしょうね(笑)


桜風
04.10.9
04.12.31再掲


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