雨のち晴れ





バイトが終わってお店を出てみたら雨が降っていた。どちらかと言えば雨は好きではない。

今日のこの時間の降水確率は、20パーセント。低いほうだけど、一応傘を持ってきている。

ふと、視線を巡らすと店の庇の下で雨宿りをしている男の人がいた。

私はその人を知っている。

よく花屋さんで店番をしている人だ。話をしたことは無いけど、時々なぜか顔を腫らしていて、

『せっかく整った顔をしているのに勿体ないな』

と思ったりしている。

幸いここから家まで近いし、

「どうぞ、使ってください。」

持っていた折り畳み傘を押し付け、私は走って家に向かった。

深緑色だから男の人が持っていてもおかしくないよね。

後ろから声が聞こえてるけど、振り返らずに走った。



数日後、例の花屋さんの前を通ったら、

「あ!ちょっと待っててください。」

と店の中から声が聞こえた。見ると、彼が慌てて奥へ入っていく。

たぶん私の事だから店先で待つことにした。


「これ、ありがとうございました。風邪を引いたりしませんでしたか?」

彼は、私が押し付けた折り畳み傘を返す。

「時々店の前を通っていたの見ていたからずっと待っていたんですよ。俺は、木村達也っていいます。」

「私は、です。私も時々木村さんを見ていたのでおせっかい焼いちゃいました。

でも『木村』って。私、バイトの人かと思っていましたよ。」

「ははっ、実家ですここ。普段ボクシングをしているから、時間のある時に手伝っているんですよ。一応、これでもプロボクサーなんですよ。」

「ええ!?ボクサーさんだったんですか?」

人は見かけによらない。

こんなに優しそうに笑う人が、ボクシングをやっているなんて。

でも、時々顔が腫れている理由が分かった。


ついでだから、花も買って帰ることにした。

「俺、時々店番していますから良かったらまた来てください。サービスしますよ。」

「私もあのお店でバイトをしているんです。良かったら寄ってみてください。大抵いますから。」

そう言って私はお店を後にした。

あんな雨の日もいいな、と快晴の空の下、上機嫌で家路についた。



み、短い上に、ロマンスが始まってない。
ごめんよ、キム兄さん。

名前変換も一箇所で自己紹介のみ...精進します!

桜風
04.5.1


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