Blue6





び、びっくりした...

さっきは寒くて全然余裕が無かったけど、お風呂であったまって戻って一郎を見たらびっくりして動揺してしまった。

だって、全然顔つきが変わっちゃったんだから。

なんて言うの?『精悍さ』ってのが2割増ってところ?

本当に驚いた。

でも、一郎が元気無さそうで。

ちょっと心配で「どした?」って声を掛けたら顔を押しやられた...

微妙に失礼な!!

一緒に居たらドキドキして大変そうだったから、この家に無いものを飲みたいってリクエストした。

ちょっとわがままを聞いて欲しかったんだ。

そしたら、一郎。

前と変わらずあたしのわがままを聞いてくれた。

こんな冷たい雨の降る中、あたしが飲みたいって言ったココアを買いに行ってくれた。


今のうちに気持ちを鎮めておこう。


コタツの中でしとしと降る雨音を聞いていたら段々眠くなってきた。


「やっと起きたか」

いつの間にかコタツにうつ伏せていたようで、そして、少し上から一郎の声がした。

「おはよう?」

「ココア、飲むか?」

「飲むー...」

またしてもコタツの魔力に負けそうになったそのとき

「あっつ!」

ほっぺたに熱いものが当てられて驚いた。

しっかり目が覚めてしまった。

「寝るなよ。折角作ったんだぜ」

「はいはーい。あー、あったか...」

手渡されたカップを両手で包む。

芯からあったかくなってきた感じだ。いつの間にかドテラが傍に落ちていた。

もしかしたら、一郎に掛けてもらってたのかも...

「そういえば、何で締め出しなんて食らったんだよ?」

「聞いてくれる?これは、聞くも涙、語るも涙で」

「早く言えよ」

「あたし旅行に出てたのよね。で、旅行に行くのに家の鍵は持って行かない主義なの。落としたら大変だからね。ほら、最近物騒な世の中じゃない?それで、今まで家の鍵を外に隠して出ていたお母さんも用心し始めたんだろうね。いつものところに鍵がなかった...寒かった」

「帰る前に連絡したのか?」

「一応、昨日のうちに連絡は入れたけど...お母さん忘れちゃったのかなぁ?」

「かもな。あ、そうだ。ちょっと待ってろ」

そう言って一郎が部屋を出て行った。

何だろう?...面白そうだからついて行ってみよう!

一郎の部屋のドアの隙間から部屋の中を覗き込むと見当たらない。

「あれ〜?」

「待ってろって言っただろ?」

溜息と共に一郎のそんな声が聞こえた。

オマケにちょっと痛いよ?

「何?」

「土産」

私の頭に刺さったそれは一郎が買ってきてくれたらしいお土産だった。

「開けていい?」

「ああ。気に入らなくても文句は言うなよ」

包みを開けて見ると予想通り箱があった。

箱を開けると小さな木製のオルゴールがある。

「うわぁ!凄い!可愛い!!」

箱からそれを取り出してみると、可愛い模様が彫られていた。

「気に入ったか?」

ねじを巻いて音を聞く。

知らない曲だけど凄く優しい気持ちになる。

「うん!ありがとう、一郎」

「まあ、手ぶらで帰ったら煩そうだったしな」

そう言って一郎はベッドに腰掛ける。

あたしは何度もねじを巻いてオルゴールの音色を楽しんだ。




幼馴染のために一生懸命オルゴールを選ぶ一郎さん。
ぐはっ!携帯で写メりたい!!待ち受けにしたい!!
すみません、アホです...


桜風
06.10.7


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