| 春が来て、、千堂共に進級できた。 がクラス替えが掲示してある中庭に行くと、珍しく千堂が先に来ていた。 「。今年もクラス一緒やて。」 「本当?...あ、ホントだね。それじゃあ、あと一年ヨロシク。」 それから数日後、が公園でサックスを吹いていると常連の子供たちが集まって来た。 ロードワークの途中でそれを見かけた千堂は足を止めて公園の中に入った。 「姉ちゃん。今日はボク、『きらきら星』聞きたい。」 と、一番小さな子が言う。は一瞬苦しそうな顔をして、笑顔を作る。 「どないしたんや、。」 その表情を目撃してしまった千堂が声を掛けるが、 「何?...どうもしないよ。じゃあ、『きらきら星』..いく、ね?」 はゆっくりと演奏を始めた。 しかし、曲が終わらないうちに音が途切れる。 「姉ちゃん...?」 「、どないしたんや。どっか痛いんか?」 「ごめっ...」 は涙を流していて演奏が出来なくなっていた。 「お前ら、今日は姉ちゃんの調子良うないみたいやから、また今度にしぃや。」 千堂の言葉に従い、子供たちは散っていった。 「ごめんね、千堂君。ロードワークの途中でしょ、大丈夫なの?」 とりあえず泣き止んだが口を開いた。 「気にすることないて。泣いとる女の子を放っといたら強うなるいうもんやないし。こそ、どないしたんや。体の調子悪いんやったら早お帰ったほうがええで。」 「ううん、元気だよ?」 「...『きらきら星』がアカンかったんか?」 は驚いた顔を千堂に向けた。 「何で...」 「あのガキが『きらきら星』言うたとき、一瞬やけど、苦しそうな顔したんや。何かあるんか?」 千堂から視線を外したはぼんやりと地面を見つめながら話しだした。 「私ね、8歳下の妹がいたの。生まれつき体が弱い子でね、入院と退院の繰り返しだった。あの子、私のサックスが好きでいつも家に居られるときは私に演奏をせがんでいたんだ。リクエスト曲は決まって『きらきら星』。いつか、『どうしてきらきら星なの?』って聞いたら、あの子、こう答えたの。 『わたし、もうすぐお星様になっちゃうから。』 それから何日かして急に容態が悪くなって、自分で言ってた通り、お星様になっちゃった...。ランドセル背負って学校に行くの凄く楽しみにして..た.のに。」 再びの瞳から雫が零れた。 千堂はを抱きしめて口を開く。 「...、笑っとき?自分がそないに泣いとったら妹も心配するで。そんで、ゆっくりでええから『きらきら星』出来るようになったらええやないか。妹、好きやったんやろ?の『きらきら星』。せやったら演奏したったらええわ。大好きな姉ちゃんの『きらきら星』が聞けたら妹も喜ぶんとちがう?」 は千堂の腕の中で言葉はなく、でも力強く頷いた。 「ごめんね、千堂君。そして、ありがとう。私頑張ってまた『きらきら星』演奏できるようになるよ。」 「おう、頑張れ!ワイもそろそろ行かなアカンから。それじゃ、また明日な?」 そう言って千堂はロードワークを再開した。 今までのの音が悲しそうに聞こえていた理由が分かった。 そして、次に聞くときの音色が楽しみになる。 (今度は、どないな音になるんやろ。) そんな事を思いながら、千堂は走った。 |
やっとこの話のタイトルの由来が出てきました。
星関係の歌と考えて『星に願いを』をちょっと思ったのですが、
(果たして小学校に上がる前の子供が知っているだろうか...?)
という疑問の下に却下。
で、幼稚園で歌った記憶がある『きらきら星』に決定となった訳です。
桜風
04.12.29
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