| 秋になって文化祭の季節がやってきた。 たちのクラスは3年だというのにしっかり企画を立てて喫茶店で参加している。 「何で男子は制服のままで良いのに女子はウェイトレスの格好をしなきゃいけないのかなぁ。」 「まぁ、ええやん。可愛いカッコした女の子がおるほうが客も入りやすいし。売り上げに貢献してる思うて、な?」 なんだか納得いかなくてお盆を抱きしめながらぼやくに千堂がフォローを入れている。 実はこの企画、女子の服装の案を(こっそり)出したのが千堂だった。それに反対する男子もなく、さらに担任まで悪乗りして許可を出す始末。女子の知らないところで計画は進められ、拒否権無しの勢いで決定した。 しかし周囲は今、別のことで驚いていた。 千堂が、何となくだが、女の子の機嫌をとっているようだ。 一年前の千堂は、偶然に廊下で擦れ違うだけでもかなり緊張する相手だったはずなのに今の彼は、少し(?)やんちゃな普通の高校生に見える。 2日間に渡って行われた文化祭も終了して、後夜祭。 文化祭で使った看板を焼いたりするためのキャンプファイヤーが焚かれていた。 その周りでフォークダンスが行われている。 がそれを校庭の端から眺めていると、 「どないしたんや、こんなところで。参加せんの?」 と声を掛けてきた人がいた。 「ん、まあね。千堂君こそ行ったら?」 「ワイも、ええわ。」 「そう...」 2人はぼんやりとキャンプファイヤーの炎を眺めていた。 ふと、が千堂を見上げる。 千堂と目があった。 千堂がの頬に手を添えて2人の唇が重なった。 それが離れたあと、突然の目の前でパンッと手が合わせられる。 が驚いていると、 「すまんッ!!」 と千堂が声を出した。 その言葉を聞いたは笑顔で、千堂の足を力いっぱい蹴った。 「痛いやん。何するんや、ちゃんと謝ったやないか...」 思い切り『弁慶の泣き所』を蹴られた千堂は涙目で訴える。 「知らない!...何で、謝るのよ。」 が拗ねたように言ってそっぽを向く。の顔は赤かった。キャンプファイヤーの炎に照らされてそうなっているのかとも思ったが...。 千堂はの表情を見て、の言いたいことが分かった気がした。 「、ワイはのことが好きや。は、どうなんや?」 「私だって、千堂君のコト好きだよ。」 小さく呟くように言うに千堂は 「よお聞こえんかった。も一遍言ったって?」 と意地悪く聞き返す。実際聞き取り難かったし、さっき蹴られたお返しだ。 「私も、千堂君のこと、好きだよ。...聞こえてたくせに、イジワル。」 そう言ったを千堂は抱きしめて、もう一度言った。 「ワイは、が好きや。誰よりも大切や。絶対に誰にも渡さんからな。」 |
女心に鈍感な千堂。
さぞかし弁慶の泣き所は痛かったことでしょうね(笑)
ヒロインもヒロインで手加減無く蹴ってやったに違いないでしょう☆
桜風
05.1.19
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