何となく分かった。 があいつをどう思っているか。 聞きたくなかった。があいつをどれくらい想っているか。 でも、相手があいつなら俺に勝ち目はない。俺が、敵うはずがない。叶うはずがない。 最近がよく家へ来る。 いつもドタバタ階段を上がってきてノックもせずに勢い良くドアを開けて俺の部屋に入ってくる。 まあ、階段を上ってくる音がノック代わりって言えば、そうなんだけどな。 今日も賑やかな音を立てながらがやってきた。 雑誌のページを捲る手を止めて、の訪問を待つ。 バンッと勢い良くドアを開けてずっと走ってきたのか、頬を上気させたが入ってきて俺の前に走ってきた勢いのままに正座した。 「達也〜、宮田くんに会えたよ。ありがとう。」 そりゃそうだろ。本人からロードコース聞いたんだから。 「...良かったな。」 「うん!この前ばったり会ったことも覚えててくれたんだよ。『さん、この前も偶然会いましたよね』って言われちゃったー。名前も覚えててくれたんだよ。あぁ...」 そう言いながらは自分の手を顔の目の前で組んでいた。 そんな嬉しそうに話すを『良かったな』って思う反面、やっぱり、辛いものがあったりする。 でも、中坊のような恋愛をしているは本当に宮田のことが好きで、純粋な気持ちなんだろうって思う。 「ねえ、ねえ。宮田くん、あたしのこと何か言ってなかった?」 期待と不安が入り混じった表情でが聞いてきた。 「んあ?...いや、何も。」 俺が正直に答えるとやっぱり落胆したように溜息を吐く。 でも、これで嘘吐いたらそっちの方がを傷つけることになるもんな... 「そっかぁ、そうだよね。顔見知りってだけだもんね。」 そうが寂しそうに呟くから 「『今はまだ』、だろ?」 思わず応援してしまう。 「そうだよね、振られたわけじゃないもんね。まだ、始まったばっかりだもん。ありがとう、達也。」 そう言って笑うが眩しくて、俺はさっきより更に胸が痛かった... は当然、これが初恋というわけじゃない。 今まで彼氏がいた事もあるし、男と腕を組んで歩いて笑っているの姿だって見たことある。そんなを見ても、そのときはなんとも思わなかった。 でも今は、幸せそうに宮田の話をしているを見るのは正直辛い。 何でかは分からないけど、きっと、が純粋に宮田のことを想っているからなんだと思う。それが俺に痛いくらい伝わってくるからだと思う。 俺は胸の痛みを抱えながら、それでも願う。 のその笑顔がいつまでも続くことを... |
なんかもう、私はキム兄さんをこういう役所にしてしまう...
この人、手先は器用でも恋愛は不器用そうなので。
桜風
04.5.24
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