前までは、おまじないとか占いに一喜一憂している人を見て、

何でそんなに盛り上がれるんだろう?

そう思ってた。

でも、今では私もその一人。良い事が書いていると嬉しくなるし、悪いことがあるってあるとやっぱり気にしてしまう。







恋占い






宮田くん情報を仕入れにいつものように達也の家に行く。

「やほ!」

「...お前、本当に暇なんだなぁ。」

呆れてそう言う達也を無視してそのまま部屋に上がりこみ、ベッドの上に座って達也の持っている雑誌を取る。

「俺、まだ読んでるんだけど?」

「すぐ終わるから。」

そう言いながら探すのは星占いのコーナー。大抵どんな雑誌にも載ってるから。

パラパラとページを捲ってお目当ての占いコーナーで手を止める。

達也も覗き込んで

「何々。ふーん...」

薄い反応の達也とは対照的にあたしは大喜び。


今月あたしはツイテルらしい。特に愛情運が!

ラッキーアイテムがブレスレットで、ラッキーカラーは赤。

しっかりチェックする。


「もういいだろ、返せ。」

そう言って達也はあたしの手にある雑誌をスッて抜いて取り戻した。

雑誌に視線を落としながら

「そういや、宮田って何かバイトやってるんだってさ。」

って言うから

「どこで!?..きゃあ。」

達也の言葉に勢い良く反応してしまったあたしはそのままベッドから落ちた。でも、ベッドに凭れて座っていた達也がそのまま片手であたしの体重を支えてくれたお陰で怪我も痛みもなく、無事に済んだ。

「ったく、危ねぇな...。知らね。どうせ俺が聞いてもどうせ教えてくれねぇよ。お前が聞けばいいだろ?もうそれなりに仲良くなったんだろ?」

「うん...。...達也って力持ちだね。」

「あ?まあ、鍛えてるからな。でも、お前重いな。」

悪戯っぽく笑って言うからからかってるだけなんだろうけど、でも、それが本当なら大問題。

だって、あたしは宮田くんに『重い女』って思われているかもしれないじゃない?!

「本当に重かった?」

「いや、別に?」

間髪入れずにあっさり返ってきた言葉にあたしもあっさり納得してしまった。



しかし、聞けばいいだろと言われても、いきなり『どこでバイトしてるの?』なんてプライベートなことを質問できるはずがない。

そんなことを考えて過ごしていたある日の学校からの帰り道、シャーペンの芯がなくなったことを思い出した。

少し道を変えたらコンビニがあるからそこに寄って帰ろうと思っていつもの道を外れる。


シャーペンの芯だけ買うのも何だし、他に何買おうと思いながらそのコンビニに入っていくと

「いらっしゃいませ..あ。」

という声が聞こえてあたしの足も止まる。

この声は...

顔を上げてレジにいる店員さんを見ると、やっぱり宮田くん。


神様、ありがとう!!


「こんにちは。」

挨拶をしてシャーペンの芯を探して籠に入れてそのまま少しお店の中をウロウロ。

他にお客さんもいなくて、店員さんもレジには宮田くんが独り。

ひとつの空間の中に2人きりというのが嬉しくて恥ずかしくて、だからお店の中で色々籠に入れながら時間を潰す。

でも、いい加減怪しい人になりそうだからレジに籠を持っていくと

「...いつもこんなに食べてるんですか?」

呆れられた。

「そんなことないよ。ただ...そう!これは非常食。」

「非常食、ですか?もう少し栄養のあるものにしたらどうですか?」

少し笑っている宮田くんに言われた。

「う〜ん、考えとくよ。バイトしてるんだね。」

わざとらしく聞いてみると、

「まあ、そうですね。」

支払いを済ませてあたしは袋を手にした。

「それじゃあ、また来るね?」

ドキドキする心臓を何とか押さえながら冷静を装って言ってみると、

「ええ。それじゃあ、また。」

そんな返事があった。嬉しくて飛び上がりそうなのを我慢しながらいつもの速さで歩く。

角を曲がってコンビニから見えなくなった途端、嬉しくて叫びそうになるけど、それを何とか抑えながら走った。


そして今日も階段を走って上る。

今日の嬉しかったことを聞いてもらいたくて。




占いは見るの好きです。
悪い事は見なかったことにして、良かったことだけ拾って楽しんでいます。

『恋占い』といえば、『花占い』。
そう思っていたのですが、結局花占いにはなりませんでした。


桜風
04.5.25


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