| 「ふっふっふ」 隣を歩くの機嫌が良い。 宮田は少し心配そうな視線を送った。 「...さん」 名を呼ぶと彼女は「はあい」と上機嫌に返事をする。 しかし、これが本心からの上機嫌ではないことを宮田は承知している。 なぜなら、先程まで彼女は管を巻いていたのだ。 久しぶりのデートだったが、彼女が珍しく遅れてきた。 はいつも『5分前行動』を信条としているため、遅刻されたことは一度もなく、宮田も彼女を待たせてはならないと思って時間前に待ち合わせ場所に行くようにしている。 以前、待ち合わせ時間の意味について検討してみたものだが、目安的な存在で必要であると言うことに至った。 しかし、本日は珍しく彼女が遅刻した。 蒼い顔をして遅刻を謝る彼女に「気にしなくていい」と言ったが、それであっさり納得するはずがなく、しょんぼりしたまま食事に向かった。 そして、食事をしていると明らかにいつもと違うペースでアルコールを摂取していた。 途中、ボーダーラインを突然突破して珍しく愚痴が始まったのだ。今、仕事で色々とごたついているらしい。本日の遅刻もそのフォローに奔走したためのものだったのだ。 宮田としても『管を巻く』という行為を間近で見るのは初めてで、最初は珍しく面白かったが、段々彼女が心配になってきた。 「もう一軒!」 そういうを宥め、現在彼女を家まで送っているところだ。 「さん、危ないですよ」 歩道の植え込みに上ろうとするの手を引く。 「えー!一郎くんのけち」 「けちで良いですから」 ため息混じりに宮田が返し、隣を歩くは膨れる。 「さん」 名前を呼ばれては宮田を見上げる。 「大丈夫ですよ」 突然の宮田の言葉には目を丸くした。 「...何、が?」 の問いに宮田は答えず、「大丈夫です」と繰り返して繋いだ手を少し強く握る。 「うん...ありがとう」 俯いたは静かに頷いた。 |
『大丈夫』という言葉は安心できる言葉かと...
時と場合と場所と相手によるとは思いますけど。
けど、敢えて言いましょう。
大丈夫!
桜風
11.03.23執筆
11.04.24掲載
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