| 天気の良い休日のある日、仲良く手を繋いだ2人が人ごみの中を歩いている。 デートといった感じだが、2人の雰囲気は姉弟といった印象を受け、そして女性の方が周りを気にしているのかどこか落ち着かないようだった。 「さん。さっきから何キョロキョロしてるんだよ」 「ん?いやぁ、一郎くん、あの人かっこ良くない?」 と呼ばれた彼女は年のころは17、8。それに対して『一郎』と呼ばれた少年、宮田一郎はまだ顔にあどけなさが残る10代前半といったところだ。 しかし、それぞれの持っている性格はまるで反対である。 は少し幼く奔放さがあり、それに対して宮田は歳の割りに落ち着いていて、いつもが宮田に話し掛け、宮田はその話に相槌を打つと言った感じである。 宮田はの言葉を聞いて深く溜息をつく。 「あのさ、俺たち今何してる?」 「手を繋いで歩いてるねぇ」 「一般的にそれを何ていうか知ってる?」 「デートでしょ?」 の答えを聞いて宮田は再び深い溜息を吐いた。 そんな宮田の様子を意に介すことなく 「やっぱ私は、私より背が高くて、目が切れ長でちょっと愛想がないけどたまに笑った顔が優しくて余裕がある感じがいいよね」 と言う。 それを聞いた宮田は (どうせ俺はさんより背が低いし、ガキだし全然余裕なんてねぇよ) と不機嫌になる。 そんな宮田を横目にちらりと見ながらは続けて 「性格はねぇ、不器用で素直じゃないけどさりげなく優しくて逃げずに何かと真正面から闘っているのが素敵だよね?」 「ああ、そう?」 なおも不機嫌な宮田は素っ気なく答え、それを聞いたは苦笑をして 「5年後くらいの一郎くんって今私が言った様な人になってそうだよね?」 と宮田の顔を覗き込みながらいたずらっぽく笑う。 の言葉に少し目を見開いて驚いていた宮田はフッと笑い、その目の前にあるの唇に軽く口付ける。 「当然!それ以上に男になってやるよ!!」 そう言っての手を引いて歩き始める。 不意打ちを食らったは少しパニックになりながら真っ赤な顔で宮田に手を引かれながら足を動かした。 しかし、前を歩く宮田の耳が自分の顔以上に赤く染まっているのを見ては微笑み、少し歩調を早めて宮田の隣に並ぶ。 「一郎くん、少しくらい妬いてくれたかな?」 「...別に」 は前を向いたまま素っ気なく答える宮田を見てクスリと笑い、自分も前を向いたまま 「一郎くん、顔が赤いねぇ。まるで夕焼けだ」 と声を掛けた。 「さんほどじゃないよ」 しれっと答える宮田には苦笑をして 「意地っ張り」 と呟いた。 |