シスコン?
昨日試合があったから今日は休養日。バイトも一応試合の翌日は休みにしてもらっている。
と言うわけで、試合の翌日は、と一緒に帰ることにしていた。
「あれ?」
『試合の翌日は一緒に帰る。』これは俺達の暗黙の了解だからは教室で待ってるはずだった。
それなのに、の席に座っているのは、
「お?お兄ちゃんじゃん。」
の親友で、中学も一緒だった宮原だった。
俺はその前の席に座り、
「は?」
と聞いてみる。
「ん?呼び出しされてんのよ、男の子に。」
男?...ってことは告白か何かか?
「ははは。ごめん、嘘。進路指導室だよ。...宮田君ってシスコンだよねぇ。」
と、突然しみじみと言われた。
「...何で?」
「だって、さっき『男の子に呼び出されてる』って私が言ったら凄く怖い顔したんだよ、『その男許さん!』みたいな。
の彼氏になる人は大変だね、お兄ちゃんの厳しい目があるから。」
「そんなつもりは無かったけど。宮原は何でここに居るんだよ。待ちか?」
「そ。借りていた本返そうと思って。でもお兄ちゃんが来たならいいや。兄妹水入らずの中に入るほど無粋じゃないし。これ返しておいて。」
「分かった。」
宮原から受け取った袋の中には、厚い本が3冊。
「宮原も受験組だろ?こんなに読んでて良いのかよ。」
「まぁ、息抜きに。宮田君って私とは普通に会話するよね。他の子には素っ気ないのに。」
「だって、の親友だろ?」
「他にもの友達居るじゃん。それなのにその子達には素っ気ないと思うけど?あ!私に気があるんだ。」
「いや。」
あ、即答してしまった。宮原は苦笑いしている。
「悪い。でも、他の奴らってを俺と繋ぐパイプみたいに見てるだろ?
でも宮原は、どっちかと言えば俺と話をするのはとの付き合いのついでみたいなもんだろ?」
「うわ、ビックリ。宮田君見直したよ。私、君を朴念仁だと思っていたのに意外と見てるんだ。感心、感心。」
宮原は腕組みしながら頷いている。
俺、そんなに鈍そうか?
「そういえば、何では進路指導室に呼び出されているんだよ。あいつ、そんな突飛な進路を希望してんのか?」
「いや、推薦狙ってるからそれ関係でしょ。」
ふうん。推薦か、初耳だな。
「おっと、そろそろ帰らないと塾に遅れる。じゃあ、によろしく。」
そう言って宮原は慌しく出て行った。
宮原が帰った後、俺はの席に移動する。
窓の外のグラウンドを眺めていると、廊下を走る音が聞こえてきた。
「よう。」
俺の予想通り、廊下を走っていたのはだった。
「ごめん、随分長引いた。」
「いや。これ、宮原が。あいつは塾あるって帰ったぜ。」
「ん。わかった。じゃあ、帰ろうか。」
「そういえば、さっき宮原に『シスコン』って言われた。」
帰り道、並んで歩いていて思い出した。
「なに、一郎も言われたの?私もこの前しみじみと、『ブラコンだね』って言われたよ。
まあ、この歳でこんなに仲がいい兄妹ってなかなか居ないもんね。家では結構喧嘩しているのにね。」
「外面いいからな、俺たち。」
「だね。」
は楽しそうに笑っている。
俺はのこの表情が好きだったりする。
シスコン?
ああ、否定はしないぜ?
宮田が『外面がいい』と言ったのは、『外では喧嘩しない』と言うことで、
決して外で、笑顔を振り撒いているわけではありません。
彼は自他共に認めるシスコンらしい。
しかし、ストレートなタイトルつけたな、私。
桜風
04.5.10
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