いちごみるくのナイショ





今日の授業は素敵なことに自習だった。

『自習』。

つまり課題も出てたんだけど、まあ、何故か提出日に余裕もあることだしサボリも悪くない。

そう思って屋上に上がるとそこにはブレザー姿の男子生徒。

そして、私はこの彼の後ろ姿を見て誰か分かった。

「宮田くん。」

そう。彼は私の親友―――彼から言えば『類友で悪友』らしい―――の宮田の双子の兄、宮田一郎。

宮田兄妹はそれはそれは仲が良い。

この歳にしてこれだけ仲が良いってのも珍しく、私は秘かに宮田くんとはシスコン&ブラコンだと思ってる。

「...宮原か。」

振り返った宮田くんはちょっと驚いたように私の名前を呟いた。

「サボリ〜?」

からかいながら宮田くんに近づいてて気が付いた。彼の口元にストローが。そのストローを辿っていくとその先には...

苺ミルク!!!

「ちょ、宮田くん!!苺ミルクぅ?!」

笑いを堪えられず思わず大爆笑。

宮田くんといえば、『クールでクレバー』らしい。

それなのに、それなのに苺ミルク!!

かわいい〜!!

「わ、笑うな!」

赤くなりながら宮田くんが慌てる。

「このことは...」

「はいはい、内緒でしょ?」

どうやら彼は『お兄ちゃん』としてこだわりがあるらしい。

ここでは

『お兄ちゃんたる者、甘い苺ミルクは飲まない』

ということころだろう。

まあ、あと1年もしない内にプロボクサーだから甘いものは厳禁になるらしいしね。


勝手に納得しながら頷いてたら宮田くんが傍までやってきて

「宮原。」

「あ?」

私の口に自分が飲んでた苺ミルクのストローを入れてきた。

「これで、お前も共犯だ。」

そう言って飲みかけの苺ミルクを私の手に持たせながら笑った宮田くんは、そのままドアを開けて屋上から出て行った。

私は宮田くんのくれた残りものの苺ミルクを飲みながらその後ろ姿を見送った。

そして、視線を動かして思わず苦笑。

そうだった、ここの屋上は丸見えだ。



それから約1年後。

宮田くんのボクシングのトランクスが『ピンク』に決定したときには思わず笑ってしまった。

でも、は宮田くんが苺ミルクが好きだったって事は知ってたんだと思う。

そして、あの日の苺ミルクは家庭科の授業中だったに目撃されてた。

調理室からあの屋上は丸見えなんだよね。特には目がいいからお兄ちゃんの姿がばっちり見えてしまったらしい。

あの時、私と目が合ったからからは「内緒にしててよ」って言われた。

あの子も一応お兄ちゃんを立ててるからね、陰では。




苺ミルクの内緒。

実は私が抱えている内緒はとの1つしかないのは、これまた内緒ごと。




こちらは、宮原嬢をお好きだと言ってくださる『Strawberry Sugar』の関さんへの
サイト1周年のお祝いプレゼントです。

この間、自転車で走ってたら大工の兄ちゃんが苺ミルクを飲んでて思いついた話しです。
全く大工の兄ちゃんと一郎さんに共通点が見当たらないのは気のせいでしょうか??
ヒロインの親友(悪友ともいうらしい)の宮原嬢の視点です。
彼女は何だか宮田兄妹を見守るお姉ちゃんって感じですねぇ(苦笑)

桜風
04.11.5


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