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上空から街を見下ろすと魔族、召喚獣、軍隊など混雑していた。
「うーん、どうしよっか?」
<俺に聞いてんのか?自分で決めろよ>
「よし、わたしたちも降りよう。その前に、『ユニコーン』!」
上空でユニコーンを召喚する。
すぐ傍の建物の屋根の上にユニコーンの姿が現れた。
「我ガ乙女、我ノ力ガ必要カ?」
「ええ、お願い。そこで好き勝手に動いている召喚獣をまとめて指揮してくれる?あなたの指揮なら聞いてくれると思うんだけど...」
ユニコーンは眼下の召喚獣たちを一瞥し、
「了解シタ」
と言って街中に駆けていった。
「じゃ、降りましょう」
沙羅は近くの建物の屋根に降り、リョクも人の形をとった。
「ふーん、リョクって髪長いんだ?たれ目なんだ??」
『放っておけ。お前は、軍の方まで行くんだろ?蹴散らしてやるよ』
そう言って沙羅を抱えて街まで降りた。
リョクの武器は大刀だった。それを軽々振りかざしながら沙羅を軍の司令官のところまで連れて行った。
ユニコーンに指揮された召喚獣は大型の魔族を蹴散らしていく。
軍は残った中型から小型の魔族を倒していった。
「そろそろ引いた方がいいと思うが?」
上空で地上の様子を見ながら戦っていた飛翔が風使いの敵の指揮官に声を掛ける。
「...うるさい。お前に言われなくても分かってる。引き上げるぞ!!」
その声に反応して、生き残った魔族と、連れ去られた能力者が去っていった。
その中に、砂輝と爛の姿もあった。
軍の者たちに後始末を任せ、自分の召喚した召喚獣たちを異世界に戻してから沙羅は仲間の元に走った。
「大丈夫だった?」
既に中央広場で集まっていた皆に声を掛けた。
「ああ、沙羅もご苦労さん」
「爛さんたちいたな、どうだった?」
「やっぱ、リセットされたみたいだな。爛に冷たい目を向けられるとやっぱりヘコむぜ...」
「砂輝も全くオレのことを忘れてるみたいだ。ただ、拳は覚えてるみたいだな。何とかなりそうな気がしてきた」
それぞれ、報告を済ませ、城に戻ることにした。
戻る途中、飛翔が沙羅に告げた。
「沙羅。さっき、沙羅のお母さんに会ったよ。沙羅をお願いしますって頭を下げられた。綺麗な人だな。それに、優しそうだ」
「ん。そうだったね。何となく、覚えてる。わたしさ、思い出したの。あの遺跡のことを教えてくれたのもお母さまだった」
「どういうこと?」
「うん。今回、初めてお母さまの声を聞いたけど、覚えてた。わたしがお母さまのお腹にいたときか、それとも、お母さまが亡くなってからか分からないけど...でも、きっとお母さまが教えてくれてたのよね」
そう言って、涙がこぼれないように空を見上げた。
「母親って、偉大だな」
「そだね」
見上げた空はひとつふたつ星が瞬き始めていた。
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