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「失礼致します、国主様。沙羅です。お話がございます。今、宜しいでしょうか?」
ノックをして、荘厳な扉に向かって沙羅が声を掛けると
「入りなさい」
という声が聞こえ、扉が開く。
中には衛兵がおり、炎狼たちは睨まれた。
「居心地わる〜」
「どこも自分の国のような対応になるとは思うなよ。頭領が大らかな方だからああだっただけだろ?」
炎狼の言葉に苦笑しながら大地がそう言い、
「確かに。オヤジはそういうの気にしてねぇし、飛翔も一緒だったから気にならなかったんだろうな」
と炎狼も納得をする。
「長らく留守にしてしまい、申し訳ありません、お父さま。実は取り急ぎ聞いていただきたいお話があるのですが...」
沙羅の言葉に父である国主は頷く。
入り口の衛兵を下がらせ、沙羅に話を促した。
「いえ、あの。お父さま...」
「近衛隊長は、いいだろう?お前も幼い頃から世話になっているではないか。お前が姿を消して特に心を痛めていた者のひとりだ」
「いえ、国主様。私がいては姫様がお話できないようでしたら私は席を外させていただきますが...」
控えめに国主にそう言い、傍を離れようとした。しかし、
「いいえ。そうですね。ご同席いただけませんか、近衛隊長」
と言って沙羅が止めたために一緒に話を聞くことになった。
話を聞き終わり、国主は眉間を押さえてため息を吐いた。
「沙羅。何もお前がすることは無いだろう。そこにいる者たちに任せておけば良いではないか」
そんなことを言う。
父の突然の言葉に一瞬、言葉を失っていた沙羅だが気を取り直して食い下がる。
「何を仰ってるのですか、お父さま?!わたしが行かないと皆が、国が、世界が!!」
「大きな声を出すものではない、はしたない。いいか、沙羅。この世界は他に6人いるが、この国にはお前しかいないのだぞ?!何故それが分からん!!」
「陛下!」
続けられた国主の言葉に、傍に控えていた近衛隊長も声を上げる。
「陛下。少し落ち着いてください。七勇の伝説は陛下もご存知ではありませんか」
「だが、ここには6人しかおらぬではないか」
「ですから、先ほどもお話したとおり。時の国の勇者は...」
沙羅が再び説明するが、国主は聞く耳を持たない。遂には、
「この者たちを牢に入れておけ。我が娘を誑かした不届き者だ」
と言い始めた。
それを聞いて沙羅が声を荒げる。
「お父さま!それでは我が国の品位が疑われます。お部屋に案内するべきです!!」
「では、お前が入っておれ。少し頭を冷やすのだな。他の者たちは部屋に案内しろ。外へ出ることは許可しないがな」
そう言って衛兵たちを呼び、指示を出した。
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