地の章 第1話





炎の国を出発して四日ほど経過した。


そろそろ地の国へ着くというので、皆はブリッジに集まっていた。

「飛翔、ここにいる時くらい、本を読むのは止めろよ。」

「んー、もうちょっと。」

操縦室で飛翔が古文書のような物を読んでいるのを炎狼が注意した。

「ねぇ、あの本どうしたの?」

「オヤジが昔、書の練習で書き写したのを譲ったんだと。飛翔は家でも本ばっか読んでんだよ。」

「ふうん。飛翔って古文書読めるって事?古文書って古代文字が多いよね?」

「ああ、あいつ読めるぜ。ウチのも、風のも。他もいけるんじゃないか?」

「凄いじゃない。何か、イメージどおりだな。」

雷が感心した声を出す。 

「でも、邪魔になってないしいいんじゃないの?ところで、大地。地の国ってどんなところ?暑い国だって言うのは聞いたことあるけど、炎の国とどっちが暑い?」

沙羅が興味を示す。

操縦席に座り、外を眺めていた大地は立ち上がり、部屋の中央のテーブルに着いた。

「暑い、ねえ。まあ、間違いではないな。昼間は灼熱の砂漠が広がり、夜は、寒冷な空気が闇を包んでいるな。国の殆どは砂漠で、人々はオアシスに集まって生活しているんだ。水とか食料は、やっぱり貴重だな。収穫が少ないから。でも、一応、生きていけないほどではないな。
ウチの国は、内乱が頻繁に起こっているんだ。レジスタンスとかそういうの。だから、戦災孤児がたくさん出てきているのに、それを知ってても国王は決定的な対策を講じられない。まあ、他人より自分の方がかわいいんだろうよ。炎狼のところ見てオレ、驚いたからな。こんな王もいるんだって。余計にウチの王がくだらなく思えてきたよ。」

大地は険しい顔で淡々と語った。

沙羅は、首を傾げながら、

「ねぇ、砂漠なのに何で寒いの?あと、大地って王族の人?そうじゃないなら、どうやって地の国に入ることが出来るの?」

と聞くと、大地は眉間に皺を寄せ、先程よりも険しい顔で沙羅を睨んだ。

「オレが王族?止めてくれ、反吐がでる。私腹を肥やすことばかり考えて贅沢三昧に暮らしている、あの阿呆共と一緒にしないでくれ。国に入ることは出来る。...たぶん。ああ、あと、夜に寒いのは熱を遮る物がないからだ。でも、今の時期はマシな方かな。丁度雨季に入ったから水も十分にある。」

「「...たぶん。」」

炎狼、沙羅は青くなり、呟いた。終始黙ったまま聞いていた氷と、飛翔は、口を閉ざした大地の背を眺めていた。











桜風
05.2.13


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