It's so happy





の日課は、毎朝新聞受けから新聞を取り出してたその場での広告のチェックだ。

スーパーのとそうでないものを分けて、スーパーのものを見ながら家の中に入っていき、じっくり朝ご飯を食べながら眺める。

「んん?!」

目に留まった真っ赤な数字。

これは..これは...!!


学校に着き、教室に急ぐ。

の通っている学校は私立聖帝学園という。

まあ、ざっくり大まかに言えばお金のかかる学校なのだ。

しかし、有難い事にの親は一応お金を出してくれている。部屋だって借りてくれている。

だが、節約できるものは節約したい。

というか、まあ。自分にとって趣味のようなものではある。

しかし、そうではない人もいる。

「おはよう」と教室に入って挨拶をして教室の中を見渡す。

しかし、まだ来ていないらしい。

「まだか...」

「早く教室に入れ、邪魔だぞ

真後ろから声を掛けられて振り返る。探していた人物は今来たようだ。

「おはよう、瞬くん」

「ああ、おはよう。だから、早く...」

挨拶をすれば律儀に返す。

「これ、今朝の朝刊の」

早く教室に入りたいと言う瞬の言葉を悉く無視しては自分の鞄から今朝の驚くべき広告を取り出した。

「ん?ああ、いつもすまないな」

そう言いながら受け取った瞬が「なんだと?!」と声を上げた。

クラスの皆の視線が集まる。

「こ、これは本当か?!」

「いや、わたしが作ったわけじゃないから何とも言えないけど...」

「信じがたい...」

教室の入り口で騒いでいる瞬に興味を示した悟郎がやってきた。

「おはよ、ちゃん、瞬。で、何がそんなに驚きなの?って、わぁお!真っ赤だ...」

広告の数字が赤いものばかりで全体的に赤い広告となっている。

「これ、スーパーが潰れるんじゃない?」

「なに?!それは困る!!」

普段から安価な商品が多いこのスーパーが潰れると全体的に出費がかさんでしまうことになる。

「けど、ほら。ここ見て」

は背伸びをして瞬の手元にある広告の1箇所を指差した。

「協賛セール。そうか、別の支店が開店1周年からその協賛と言うことか...」

ほっと安心したように瞬が呟く。

その様子が可笑しくてと悟郎は笑った。


「瞬くん、今日のバイトは?」

「ああ、ある」

と瞬はよく一緒にスーパーに行く。

広告を持ってくるだって買い物は安いところで、と決めているのだ。

「じゃあ、放課後ダッシュだね」

の言葉に「ああ、そうだな」と瞬は頷いた。

「っつうか、オメェらだけだぜ〜。この学園でそんなみみっちいことに気を取られてるなんてよォ」

放課後の約束をしていると清春が声をかけてきた。

「うるさい仙道!」と瞬が反応する。

そこで反応するから...

そう思いながらは溜息をつき、予想通り教室の中で大騒ぎが始まった。

そんな騒ぎの中、瑞希は深い眠りの中だし、翼は「うるさいぞ、お前ら!」と怒鳴り散らし、「まあまあ」と一が宥める。

いつもどおりの朝の風景だ。



放課後、朝の約束どおりと瞬は急いで大安売りをしているスーパーに向かった。

「うっわ...」

「怯むな、!行くぞ!!」

夕方のタイムセール。今がきっとピークなのだろう。

心が折れそうなを短く励まして瞬はおば様方がひしめくスーパーに突進していった。

「ばんがりまーす!」

そう言っても突進する。

瞬は背が高いからまだマシかもしれないが、自分はそうは行かない...

「きつい...」

ぐぅと唸りながらも目的のものを手にとってレジに並んだ。

精算を済ませてレジから少し離れたところに立っていると「それだけか?」と声を掛けられた。

「うん、心が折れた。瞬くんは、相変わらず...」

チェックしたものを全て購入したらしい。

「まあ、俺の場合生活がかかってるしな」

そう言いながらも瞬はどこか嬉しそうだ。

「嬉しそうだね」

「当然だ!こんな、いつもの半額以下でこれだけのものを買ったんだぞ。これを幸せといわずに何と言う」

「...いや、瞬くんの幸せってヴィスコンティのメジャーデビューとかじゃないの?」

「それもあるが、日々それなりに幸せを感じたって良いだろう」

何だかとても前向きな瞬に思わず笑ってしまった。

「笑うな」

「ごめん」

やっぱり可笑しくてクスクスと笑い続けるに「まったく、仙道の次くらいに失礼な...」と零されてやっぱり可笑しくて今度は声を上げて笑ってしまった。









桜風
11.5.3