| 一番イベントの多い2学期が始まった。 まずは文化祭。 しかし、その準備の最中、神話科と星座科は合同で研究発表を行うのが恒例となっている。 そのため、と颯斗が準備できない日が出てくる。 新しい生徒会メンバーも加わり人数的には充実しているが、新メンバーはまだ勝手がわからないので戦闘力としては少し心許ない。 「大丈夫でしょうか」と呟く颯斗に「大丈夫だって」とが返す。 何とかなるし、何とかすればいいのだ。 準備で出来るところまで詰めてきたから、あとは月子と翼で進められるはずだ。 発表会と言っても、ずっと座っているわけではなく、内容によっては、聴講することはない。 各自休憩を取っている中、は時計を見た。 時差の計算をして、いたずらっぽく笑う。 『もしもし...』 寝ぼけた声で相手が応じた。 「おはようございます、一樹さん」 『あー、おはよ...は?!』 寝ぼけた声が突然覚醒した。 はクスクスと笑っている。 『?!』 「はい」 『お前、授業は?!』 「今日は、恒例の研究発表会です」 そう答えると 『あー、そうか。神話科はそんなもんがあったな...』 と一樹が納得した。 『じゃあ、今は休憩時間か?』 「今発表されているのは、ちょっと興味ないものだったので。レポートを書く題材にはしないつもりなんです」 課外授業なので、レポートを書かなくてはならない。 少し面倒くさいものである。 『そうかー...』 「あの、凄く今更ですけど。一樹さん、今の時間は起きるのに早すぎましたか?」 恐る恐る聞くと向こうで苦笑された。 『本当に今更だな』 「ごめんなさい!」 慌てて謝るに 『けど、丁度いい時間だよ』 と一樹が言う。 「本当ですか?」 『本当だ。それに、今日はいい日になりそうだ』 「晴れてるんですか?」 『んー?天気も良いけど、の声を朝一で聞いた。いい日になるはずだろう?』 そんなことを言われては嬉しくなる。 「そうなると、嬉しいです」 『なってるんだよ。あ、そうだ。悪い、まだ返事書いてないんだ』 一樹の謝罪に「いいですよ」とが笑う。 メールや電話も良いが、せっかくなので手紙を送ってみたのだ。古風でたまには良いかなと思って。 「学校はどうですか?」 『文化が違うのは中々刺激的だな。面白いぞ』 一樹のことだから楽しんでいるだろうと思っていたが、やっぱり楽しんでいるようだ。 「綺麗なお姉さん、たくさん居ますか?」 からかって言うと 『居ることは居るが、が居ないからなぁ...』 と返されて言葉をなくした。 『お前が振った話題だぞ』 一樹がからかうように言う。 「そんな、さらっと返されたら...」 『何だ、やきもち焼きたかったのか?』 「...知らない!」 拗ねたに一樹は笑っている。 ふと時計を気にした。 「あ、時間大丈夫ですか?」 『あー...そろそろ準備しなきゃだな』 「じゃあ、切りますね」 『たまには、のモーニングコールで起きるのも良いな』 「毎日は無理ですけどね」 が返す。 『たまにで良いよ』 一樹の言葉を聞いてたまにはそうしてみようとは思った。 平日は無理でも、休日は大丈夫だ。ただ、休日は昼過ぎまで寝ておきたいだろうな、と思ってタイミングが難しい考える。 『?どうした?』 「あ、いいえ。そうだ、忘れてた」 が言うと『何をだ?』と一樹が返す。 電話口でチュッとリップ音を立てた。 「おはようございます」 『ば..馬鹿!』 慌てる一樹の声を聞いていると「さん」と颯斗に呼ばれた。 「あ、呼ばれてる。じゃ、一樹さん。いってらっしゃーい」 『こら、!!』 何か抗議の声が聞こえたがは電話を切った。 「さん?どうかしましたか?顔が赤いですが、風邪でも引きましたか?」 の顔を覗きこんで颯斗が言う。 「電話って偉大」 ニコニコと笑って言うを見て、一樹に電話をしていたのだと察した。 「そうですね。次の発表が始まりますよ。さんが気にしていた研究です」 「ありがとう」と返事をしては窓の外を見た。快晴の空が広がっている。 窓を開けて携帯で写真を撮った。 「一樹会長に送るんですか?」 颯斗に言われて「うん」と頷いた。 「空の写真もきっと嬉しいでしょうが、さんの写真だともっと嬉しいかもしれませんね」 と颯斗に言われた。 しかし、自分撮りは苦手だ。颯斗に言うと「僕が撮りましょうか」と申し出てくれた。 「お願いしてもいい?」 そう言ってが颯斗に携帯を渡す。 颯斗に撮ってもらった写真を見て「颯斗くん上手ね」とが感心する。 「そうですか?」 「わたし、絶対にぶれるもん」 「それは、ゲイジュツ的何たらってことでしょうか?」 からかい口調の颯斗に「颯斗くん!」と抗議の声を上げてメールを一樹に送った。 「ありがとう。会場、行こう」 の作業が終わるのを待ってくれていた颯斗に声をかけては会場ホールに向かった。 |
桜風
13.12.13
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