Diamond ring 52





 クリスマスの朝、一樹は頑張って早起きしたが、それよりも早くの方が起きていた。

何で、起きれるんだ...?

そう思いながらのっそり一樹は布団から出た。

枕元にプレゼントが置いてあり、それを目にした一樹は苦笑する。

自分が早起きをしてやろうと思っていたことをされていた。


あけるのが勿体無いと思いつつ、自分が用意したプレゼントを手にしてがいるはずの台所に向かった。

「おはよう」

一樹が声をかけるとは振り返る。

「おはようございます。良い子にサンタさんからのプレゼントがありましたね」

嬉しそうに笑いながらが言う。

『良い子』と言われるような年ではない。何より、一樹はを引き寄せた。

「ゆうべ、あんなことをしても『良い子』なのか?」

言い終わっての顔を覗いてにやっと少し意地の悪い笑みを浮かべると、は赤くなって俯く。

「で、だ。、俺もサンタさんからプレゼントを預かってきた」

そう言ってにプレゼントを渡す。

「開けてもいいですか?」

嬉しそうに笑ってがいい、「俺もあけて良いか?」と一樹はここまで持ってきた枕元にあったプレゼントを軽く掲げた。

「一緒にあけましょう」

そう言ったの言葉に頷いて居間に移動して一緒にあけると、中から出てきたものはデザイは違えど同じもので2人は目を丸くした。

プレゼントはマフラーにした。

以前、夏凛と晴秋のクリスマスプレゼントを買いに行った時にがかなり気にしていたので、それを購入したのだ。

そして、も同じくマフラー。

「一樹さんは冬でも薄着だから、せめて首周りくらいはあったかくしておかないと」

が言う。

たしかに、着込むのは好きじゃない。

これまで使っているマフラーも使い込んできたので、そろそろ買い換えようと思っていたのだ。

「ありがとうな」

「手袋と悩んだんですけどね」

がそう言う。

しかし、手を繋ぐなら手袋越しは何だかイヤだから、と彼女が続けて一樹は頭を抱えた。

首を傾げるに、

「なあ、今日はもう予定がないよな?」

と一樹が言う。

「はい。大掃除もお陰さまで納得がいくまで出来ましたし。お墓参りも早々に終わりましたから。今日はあとは帰るだけですけど」

確かに、その予定だった。

「じゃあ」と言ってを抱き寄せてそのまま押し倒す。

「ちょ!一樹さん!!」

抵抗を試みるも、手加減しているでは一樹はびくともしない。かといって本気を出したら年末のこの時期に下手をしたら病院送り。

困った、と思っていると一樹の携帯が鳴った。

「一樹さん、携帯!」

「いいんだよ。メールだ」

そう言っていまだにの上からどこうとしない一樹に

「まだ鳴ってます!電話でしょ?!急ぎの用事かもしれないでしょ!!」

が抵抗した。

物凄く気が進まない様子で一樹は体を起こして携帯を手に取った。

「あ、颯斗だ」

「颯斗くん?」

心なしか、弾んだ声のをチラと見て、通話ボタンを押した。

『お久しぶりです』

「おう、どうした。元気か?」

『はい、お陰さまで。あの..朝早くにすみません』

言われるほどは早くない。

「気にするな。で、どうした?」

『実は』と颯斗が話し始めた。

彼は今日本に戻ってきていると言う。クリスマス休暇前には戻ってくる予定だったが、向こうの用事があり、先ほど帰ってきたのだ。

数日ホテルで過ごす予定なので、都合が合えば生徒会メンバーで一緒に夕飯をどうかと声をかけてきたらしい。さすがに翼はムリかもしれないが、月子とも集まれれば、と。

『一樹会長に声をかければ漏れなくさんにも声がかかるでしょうし。一番効率が良さそうに思えましたので。僕がさんに電話をしたら、一樹会長はやきもちを焼くかもしれませんしね』

とからかい口調で言われて一樹は言葉に詰まる。たぶん、面白くないのは確かだ。

一樹の背後ではが携帯を手にダイヤルしていた。

「いつが良いんだ?そうは言っても、実家にも帰るんだろう?」

『明日か、明後日はどうでしょう。今日は、さすがに急ですよね』

という。

「明日か明々後日か...」

口に出すとは一樹と同じ言葉を繰り返した。

「明日の方がいいそうです」

の返事を聞いて

「月子は明日の方がいいらしいぞ」

と一樹が颯斗に言う。

『月子さんとご一緒だったんですか?』

「いいや。そんなことになってたら、今度はがやきもちを焼いて大変だ。今、が俺の後ろで月子に電話してるんだよ。確かに効率はいいぞ」

と一樹が笑いながら言う。

『なるほどです。では、明日』

「時間と場所はこっちでセッティングしたほうがいいだろう。颯斗は、どこのホテルに泊まるんだ?」

場所の参考に聞くと、意外とのマンションから近い。

「今日中にメールするからな」

「今日中にメールするって」

一樹の言葉を聞いてが月子に伝える。

伝言ゲームだな、と思いながら一樹は颯斗に挨拶をして電話を切り、も月子との通話を切った。

「楽しみですね!」

満面の笑みでいわれては先ほどの続きなんて言い出せるはずもなく、「今日は早めに帰るか」とに提案した。

この家はネット環境が整っていないので、店を探すのも不便だからのマンションに帰って作業をしたほうが良さそうだ。









桜風
14.6.6


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