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此処最近、女の子のお客さんが多い。

女性客というよりは、女の子。

学生さんなのか、高校生なのか。はたまたOLなのか。

とにかく、女性の中でも20代前半までの人が多いのだ。

何でだろう...

「あの、マスターさんは」

声をかけられて足を止める。

「はい」

「このお店に、GEのヤクモが来るってホントですか?」

「GE?いいえ、見たことないですけど...」

の返答に彼女はあからさまにがっかりした様子を見せて注文したものを残して帰っていった。

「綺麗に食べてけよー...」

見送ったは小さく呟いた。


忙しい時間帯を捌いてやっとゆっくりとできる。

しかし、何だってアイドルがこんな小ぢんまりしている店にやってくるなんて思ったのか。

不思議に思いながら片づけを続けているとドアチャイムが鳴る。

「いらっしゃいませー」

顔を上げて、固まった。

「うわぁお」

思わず呟いたに対して、入ってきた客も目を丸くしている。

「どうぞ、お好きな席へ」

の言葉に彼はぎこちなく頷いて、カウンターに座った。しかも真ん中。

思わずは苦笑した。

「なんだよ」

客が怪訝そうにする。

「そこ、この間トモ兄が来たときに座った席。兄弟だね!」

の言葉に客は眉を寄せて、ひとつ隣に座った。

それがまた可笑しくては笑う。

「何で、がこんなところに居るんだよ」

「ん?伯父さんに雇ってもらったの」

「伯父さん?...親父?!あいつ、今どこにいんの?」

興味を持ったらしく、彼は問う。

「この間、南米。エアメールが届いたから。でも、次はアラスカに行くとか何とか書いてたなぁ...」

の言葉に彼は深く溜息を吐いた。

「で、マコ兄。何にする?てか、永田の家を出たってホント?」

「コーヒーと..パスタがあるんだな。じゃあ、ミートソースで。家は出た。今は、中田誠」

何だって、座るところが同じでさらに注文内容まで同じなんだろう...

ミートソースのパスタは作るのが楽だからさっきみたいに永田と同じとは言わずに「承りました」と返した。


「中田誠、って。本名と殆ど変わらないじゃない。って、今どこに居るの?」

「拾ってもらった家で仕事してるよ。坊ちゃんのボディガードみたいなところ、かな?」

これまた似たような職業を...

兄の智也は秘書を、弟の誠はボディガード。どちらも誰かひとりのために働くという点では同じだと思う。

「で?ボディガードは今良いの?はい、お待ちどうさま」

パスタを出して、コーヒーを淹れ始める。

彼は飲み物は一番最後にほっと一息つくために注文するのだと昔聞いたことがあるので、そのとおりにしているのだ。

「ああ、今坊ちゃんは学校だから。ほら、近くにある高校。お前の母校だよ。終わったらすぐに迎えに行くんだ」

「ほうほう。高校生なんだ、坊ちゃん」

が返すとフォークを口に運びながら中田は頷いた。

「トモ兄もあの学校に居るでしょう」

「あー...見たときには悪夢だって思ったけどな」

口に含んだパスタを咀嚼して嚥下してそう応えた。

「真壁先輩が戻ってきてるって聞いたから」

「他のも戻ってきてるぜ」

「うん、真奈美から聞いた」

頷いていうに中田の手が止まる。

「真奈美?」

「今年の新任の先生よ。北森真奈美。3年のF組。通称、クラスZだって」

「坊ちゃんの担任だ...」

「うわぁお」

は思わず呟く。

縁があるというかなんと言うか...

「じゃあ、マコ兄もばっちりトモ兄との接点があるんだねぇ。いやぁ、中々切れない縁だね」

。お前、面白がってるだろう」

「ご明察!」

ケタケタと笑いながら言うに中田は渋面を作った。









桜風
10.1.1


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