Kaleidoscope 1





ポニーテールを揺らしながら歩いていると「ふふふ」と隣を歩く同級生で、クラスメイトの青空颯斗が笑う。

「どうしたの?」とは声を掛けた。

身長差のお陰では彼を見上げるのが非常に辛い。

180センチを超える颯斗に対して、150センチちょっとのである。

「ああ、いえ。思い出したんです」

「思い出し笑い...」

まあ、何にせよ。楽しいことがあるのは良いことだ。

「ええ。もう少しでさんの誕生日だな、と思って」

言われてはげんなりとした。

彼が何を思い出して笑ったのかが分かったからだ。

「って、言っても。まだちょっと先じゃない」

溜息混じりに言うに「まあ、そうですね」とやはり少し笑った颯斗が答えた。


ちゃん!」

声を掛けられて振り返る。

「ああ、つっこちゃん」

は駆けて来る友人、夜久月子に手を振った。彼女の後ろには、いつもの幼馴染2人組がいる。

周囲はぴたりと足を止めて彼女達に注目した。


彼女達が通っている星月学園は星座にまつわる知識を専門に教育する全寮制の学校である。

専門的な学問の内容から求められる偏差値は高い。

星詠み科、天文科、神話科、宇宙科、星座科、西洋占星術科の6つの専門分野に分かれ各々3年間学ぶ。

そして、元々男子校だったこの学校は、近年共学とし、女子の受け入れも行っているのだが、立地条件や教育が専門的であることなど、色々な要素のお陰で中々その共学が実現しなかった。


今年度、といってもそろそろ年度も終わるのだが、めでたく女子が2人入学した。

ひとりは天文科の夜久月子。

もうひとりは神話科の

彼女達はこの学園でたった2人の女子と言うことになる。

そのため、彼女達が友人としての縁を結ぶことは自然の流れであり、さらに彼女達は現在生徒会執行部として協力し合う仲間でもある。

同じく書記なのだ。

書記が2人と言うのは異例らしいが、生徒会長様がそうすると言うのだからそういうことになるらしい。

良く分からないシステムだと思う。

そして、と共に歩いていた颯斗も生徒会執行部の一員である。


「移動教室?」

が聞くと

「うん。そっちは体育だったんだね」

と月子が言う。

「ええ」と颯斗が頷き、ふと何かを思い出したような表情を見せた。

「ああ、そうでした。『今日の放課後、生徒会室に集合だ』と一樹会長が仰ってました」と颯斗が月子に言う。

「...なんだろう?」と首を傾げる月子に「そろそろ入学式の準備とかそんなところじゃないかな?」とが呟く。

つい数日前に卒業式を終わらせたばかりではあるが、あとひと月もしないうちに新入生がやってくる。

「ああ、なるほど」

「あっと言う間だったねー」

しみじみと話をしていたら予鈴が鳴った。

「まずい!」とが声に出し「遅れちゃう」と月子も慌てる。

「じゃ、放課後!」

「またね」

慌ただしくそんな挨拶をしてそれぞれ次の授業に向かった。









桜風
11.2.4


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