| 翌日、月子の幼馴染達が態々神話科のクラスまでやってきた。 「つっこちゃんが、変?」 3人は同時に頷く。 「具体的に?」 「いや、どこがどうってバシッと言えないんだけどよ」と七海。 「どこか、俺達に何かを隠してるっていうか...」と東月。 「ねえ、彼女の悩みの相談に乗ってあげてよ」と土萌。 「まあ、良いけど...3人から言われたって言っていい?」 が躊躇いがちに頷くと 「いいわけないでしょ!」 と土萌に叱られた。 「あいつは俺達に心配をかけたくなくて『何でもない』って言ってるんだと思うんだ。だから、内緒にしてくれないか」 と東月。 「わかった」と頷くに「頼んだぞ、男同士の約束だからな」と七海が言い、彼らは自分達の教室に戻っていった。 「誰が『男』だ」 彼らの背中を見送りながらはそう呟いた。 放課後、生徒会室にいると月子がやってきた。 確かに月子の様子はおかしい。 しかし、颯斗も生徒会室にいる。デリケートな問題だったらやっぱり女の子同士のほうが良いだろうし... 此処ですぐに聞くのは避けたほうが良いだろうと判じたは月子の違和感に気づかないフリをして書類の整理を始めた。 「ちょっと職員室に行ってくるねー」 はそう言って生徒会室を出た。 「ああ、」 声を掛けられて振り返ると宮地が立っていた。 「すまない、に頼みがあるんだ」 「つっこちゃん元気ないなー、何でだろう。ちょっと聞いて、できれば彼女の力になって解決してよ」 殆ど棒読みにが言う。 「な、何だ?!」 「頼みってこれじゃなかった?」 の言葉に宮地は頷く。 「はいはい、折を見て聞いてみる」 「そうか、ありがとう」 そう言って宮地はいなくなった。 そういえば、今日は部活ないって言ってたな... 生徒会室に戻ると颯斗が出てきた。 「あ、終わり?」 「ええ...さん」 「つっこちゃん元気ないの。何でかなー。ちょっと聞いて、できれば彼女の力になってほしいなー」 先ほど宮地に言ったように棒読みでそう言う。 ただし、生徒会室の中に月子はまだいるので小声で。 「ええ、お願いしてもいいですか?」 さすがに1年も付き合っていると宮地みたいに驚くことはないようだ。 「ま、解決に至るかどうかは自信ないけど。話を聞くくらいはしてみるつもり」 「お願いしますね」 颯斗はそう言って生徒会室から遠ざかった。 「つっこちゃん、帰る?」 「え?あ、うん。私..ちょっと走って帰ろうかと思ってるの」 「ふむふむ。どうかした?」 の言葉に月子は俯いた。 「まあ、せっかく星に導かれて入学したこの学校にたった2人きりの女子じゃない。話してみてよ。本当の魔女じゃないからスパーンと解決できないかもしれないけど」 がおどけて言う。 強張った月子の表情が少し緩んだ。 「内緒だよ?」 そう言って月子が告白した内容には眉間に皺を寄せる。 「よし、検証しに行こう!」 「え、でも...星月先生がいたら恥ずかしいし」 「たぶん、それ..体重計の方がおかしい。どんなに甘いものを食べても1日でその増え方はおかしい。 本当にそれだけ増えたんだったら..ちょっと、うん。 ま、ほら。行ってみよう!」 に手を引かれて月子は生徒会室を後にした。 「失礼しまーす」 「どうした、と夜久。何かあったのか?」 「体重計借してください。星月先生は見たらダメですよ」 「はいはい。好きに使え」 そんな会話をしては月子に体重計に乗るように促した。 月子は恐る恐る体重計に乗り「きゃー!」と悲鳴を上げた。 また体重が増えている。 「ちゃん...!」 月子がに抱きついた。 「おい、どうした」 慌てて琥太郎が近付いてくる。 「ついでだ。星月先生、乗ってみて」 「はあ?俺が乗るのか??」 面倒くさそうに、怪訝そうに琥太郎は体重計に乗った。 「おお、増えてる」 「どれくらい?」 「劇的に」 琥太郎の言葉には頷き、鞄からノートを取り出した。 体重計の上に載せる。 ノートのような軽いものを計るように出来ていないのでそれを指摘しようと琥太郎が口を開くと「え?!」と隣から声がした。 月子だ。 「やっぱり、ほら。壊れてる。星月先生、壊れてますよ」 「昨日はどうだった?」 自分はあまり体重に頓着しないからは分からない。だから、申し訳ないが月子を見た。 彼女は女の子らしく体重を気にするようだから。 「いつもどおりでした」 「で?いつ壊れているって分かったんだ?」 やっぱり月子を見る。 「今朝、です」 「だったら、昨日わたしたちがいなくなってから今朝、つっこちゃんが乗るまでの間に誰かが悪戯をしたか、何かで壊れちゃったんですね」 の言葉に琥太郎は「まったく、何のために」と零す。誰の仕業か知らないが、仕事を増やしてくれるな。 「さあ?けど、つっこちゃんの悩みはスパーンと解決出来たんじゃない?」 が言うと月子は満面の笑みで頷く。 「どういうことだ?」 「悩み多き花の女子高生ってことです」 琥太郎の問いにはそう言って笑う。 「まあ、いい。用事が無いならほら、お前ら帰れ」 琥太郎に急かされてと月子は保健室を後にした。 夕食時、と共に月子が普通に食事を取っていた。 昼食は「要らない」と断っていたため、その月子の様子を目にした東月たちは安心したように顔を見合わせた。 |
桜風
11.5.6
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