Kaleidoscope 30





が居間に顔を出すと意外な人物が立っていた。

「琥太にぃ?!」

「おー、ホントにいたなぁ」

苦笑しながら琥太郎が部屋の中を見渡す。

「ほら、スイカ。裏の井戸で冷やしておけ」

「殆ど使わないからさびが出るよ」

「飲むわけじゃないんだから良いだろう。あと、今日の祭りには行くのか?」

スイカを受け取りながら「うん」とは頷く。

「じゃあ、これ。男はどうでも良いけど、って姉さんが」と紙袋を差し出してきた。

「ちょっとこっち先にやってくる」

そう言っては庭に出て行った。

「あ、あの...」

代表して颯斗が琥太郎に声をかけた。

「ん?どうした」

「星月先生が、どうしてさんの家に?」

「そうか、お前達は知らないのか。俺とは『はとこ』だ」

「『はとこ』?!」

皆が異口同音で声を発する。

「そらそら、はとこってどういう関係だ?」

「確か、親がいとこで、その子供のことを言うだと思いますけど...」

「それだ」と琥太郎が言う。

「星月先生、お仕事は?」と月子が問う。

長期休暇も休めないって以前零していたはずだ。

「ああ、それなら時々お願いする先生に入ってもらっている。というか、姉が煩かったからな」

苦笑してそういった。

「琥太にぃ、何で来れたの?」

「今こいつらに説明したばかりだ。面倒だからこのうちの誰かから聞け」

というか...

、『琥太にぃ』って...」

宮地が言う。

「だって、ここは学校じゃないもん」とが答える。完璧なプライベートモードだなと琥太郎は苦笑した。

そういえば、と思って琥太郎は奥の部屋に勝手に入っていく。


「ああ、何だ。お前も居たのか」

仏間に着くともうひとり生徒がいた。

「星月先生?!どうして...」

「お前たちが此処にいるより俺がいる方が違和感は無いはずだけどな」

と苦笑しながら言う。

の姉貴からウチの姉に連絡が来たらしい。狼が来るから番犬寄越せって」

「...『狼』って俺達ですか?」

「たぶんな。で、俺が『番犬』らしい」

笑いながら琥太郎が言う。

「琥太にぃ」とひょっこり顔を出したはいつもと表情が違う。ああ、末っ子モードに入っているのかもしれないなと一樹は苦笑した。

「どうした?」

「さすがに皆と雑魚寝はイヤでしょう。皆も、『先生』と寝たくないだろうし。お兄ちゃんの部屋で寝て」

「わかった」

頷いた琥太郎を確認してはまた姿を消した。


居間に戻ったは先ほど琥太郎から渡された紙袋を見た。

「ああ、これって時期的にどうだろう...」

が呟く。

「なに?」と覗き込んだ月子が「浴衣だ」と呟いた。

「着たい?」と言うに彼女は頷く。

「じゃあ、着付けてあげる。2枚あるから2人で着ようか」

「着付けも出来るの?!」

「昔習ったからね」

がそう言うが、月子はをぼうっと見た。

ちゃん、何でもできるね」

「『何でも』はできないよ」とは返し、「下駄どこかな...」とまたどこかへ消えていった。

「何だ、は客の相手をせずに消えてるのか」

戻ってきた琥太郎がそう呟く。一樹も一緒に戻ってきた。

「ぬいぬい、どこに行ってたのさー!」

翼が言うと「んー、まあなー」と適当に誤魔化す。

琥太郎が冷蔵庫から飲み物を持ってきて「好きなの飲め」とテーブルの上に置いた。

家の勝手を知っているその琥太郎を見るとやっぱり身内なんだなと何となく皆は納得した。









桜風
11.6.24


ブラウザバックでお戻りください