| 修学旅行のパンフレットが配られ、それを見ながらクラスメイト達と自由時間の話で盛り上がった。 「そういえば、一樹会長と翼くんのお土産どうする?」 「月子さんにも声をかけましょう」 颯斗と相談しながら生徒会室に向かっていると「ちゃん!」と声をかけられて振り返る。 あ、と呟き「颯斗くん、ごめん」と颯斗を見上げた。 「先に行っておきますね」と言われて「ありがとう」とは返し、そのまま自分を呼んだ人の元へと足を向けた。 「お友達、良かったの?はっ!もしかして彼氏?」 「違うよ、春姉ちゃん。あ、理事長って呼んだ方が良い?」 「できれば『春姉ちゃん』で」 に声をかけてきたのは星月琥春。星月学園の理事長で保健医の星月琥太郎の姉だ。 ちなみに、の姉の夏凛と同じ年である。 「ね、ごめん。悪いんだけど保健室まで案内してもらえない?」 「良いけど...理事長でしょう?」 「無駄に広いのよ、この学校」 その意見には賛成だ。 は「こっち」と言って琥春を保健室へ案内することにした。 「学校生活はどう?女の子が少ないからつまんないでしょう?」 「けど、まあ。分かってたことだからね」とが返す。 「そう?夏凛が心配してるのよね。時々電話がかかってくるわよ。悪い虫がつかないか心配だって」 琥春の言葉に苦笑する。 「課題は多いし、ちょっと大変なことあるけど、みんな優しいしここに入ってよかったよ。生徒会に入ってるんだけど、それも楽しいし」 琥春は「そう」と目を細めてを見つめる。 「そういえば、郁が教育実習生なんですって?」 「うん、そう。相変わらず意地悪」 が言うと「郁のあれは好きな子を苛める小学生みたいなものでしょう?」と琥春が笑う。 「郁ちゃんが高校生になってもわたしは苛められていた記憶があるんだけど」 「つまり、子供だって言ってるの」 なるほど、そういう意味か... 「ここだよ」と保健室の前で足を止めた。 「ありがとう、ちゃん」そう言って保健室のドアを開けて琥春は中に入っていった。 「遅くなりました」とが生徒会室に入ると颯斗だけしかいなかった。 いや、隣からなにやら物音がするのできっと翼はラボにいるのだろう。 「一樹会長はまだですよ。さっきの人、お知り合いですよね?」 「琥太にぃのお姉さん」とが言う。 なるほど、だからのことを知っていたのか... 一樹が来るまで修学旅行の話をしていようとパンフレットを取り出すと「何、それ」といつの間にかラボから出てきた翼が興味を示す。 「修学旅行のパンフレット、というか日程表。見る?」 「見せてくれるのか?ありがとう、書記その2!」 嬉しそうにが差し出したそれを受け取って翼はページを捲る。 「いいなぁ、いいなぁ。そらそらと、書記と書記その2は一緒に修学旅行にいけるんだな」 「まあ、2年の行事だからね」 「俺も一緒に行きたかったなー」 「一樹会長とお留守番をしててください。お土産を買って帰りますから」 颯斗が言うと翼の顔がパッと輝く。 「ホントか?そらそら、ホントにお土産を買って帰ってくれるのか??」 「ええ。さっき、教室でさんとその話をしてたんですよ」 「わーい!お土産がもらえるー!!」 嬉しそうにいう翼にと颯斗は顔を見合わせて笑った。何だか子供みたいだ。 「ああ、もうそんな時期か」 少ししてやってきた一樹が賑やかに騒いでいる翼の言葉に反応した。 「そういえば、コースって毎年一緒なんですか?」 そう言いながらは翼から返してもらった自分のパンフレットを一樹に見せる。 「あー、そうだな。順番は違うけど場所は一緒だ。ここは去年俺達が泊まったホテルだし」 「そうか」とが呟く。 「どうした?」 「姉と兄にもお土産を送ろうと思っていたんですけど。たぶん、兄が行った時にもお土産を渡してるだろうし...自分が何をもらったかを忘れた薄情者なので、被るのはちょっとなー、と」 苦笑しながらが言う。 「ああ、こういうとき兄妹で同じ学校ってのは困るかもな」 「琥太にぃも覚えてないだろうしな...」とが呟く。 の呟きに少し颯斗が表情を曇らせた。 翌日、と颯斗は天文科に顔を出した。 教室の中を覗いていると「どうかしたのか」と声をかけてきたのは七海だ。 「つっこちゃんは..お休み?」 教室の中にその姿がないようだ。 「いや、さっきまでいたけどな...おーい、錫也。月子知らないか?」 少し離れたところにいた東月に声をかける。 「陽日先生に呼ばれたみたいで、さっき職員室に行ったけど。何か言付けとく?」 そう言いながら彼はドアまでやってきた。 生徒会室で話をしても良いが、お土産を渡す相手の前で話をするのはちょっと控えたい。 「では、昼休憩にまた来ます」と颯斗が言うと「じゃあ、俺達今日は食堂だから食堂で待ち合わせにしたらどうかな?さんたちは、今日は食堂?」と東月に言われて「うん、食堂。じゃあ、そうしよう」とが頷く。 昼休憩となってと颯斗が食堂に向かう。 食券を買って本日の昼食をトレイに載せて食堂の中を見渡した。 まだ月子たちは来ていないようだ。 たちは適当に場所を取り、あと3人は座れる席を確保した。 暫くして天文科の3人がやってくる。 「さっきはごめんね」と言いながら月子は椅子に座り、用件を聞いた。 「修学旅行のお土産を一緒に選べたらなって思うんだけど、どうかな?あ、でもつっこちゃんは部活もあるよね...」 クラスの仲間と一緒に回ることになっているだろうし、部活仲間ともお土産を買う。その上、生徒会。 月子の自由時間が無くなるかもしれない。 「ううん、一緒に選びたい。時間を決めて待ち合わせをさせて」 月子の言葉には頷き、他との調整をするからと言ってその場では時間を決めずに一緒に買う約束だけで終わらせた。 |
桜風
11.8.19
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