Kaleidoscope 47





1日目の行程が終了してホテルに着いた。

ちゃん!」と天文科から月子がやってくる。

女子2人はクラスが違っても同室だ。

「鍵もらってきたよ」と月子が言うのでその場で颯斗と別れた。


「あ、そういえば3人部屋なんだよね」

ベッドが3つ並んでいるのを見て月子が言う。

女子2人は教員の部屋に挟まれている。何かあってはならないから、という鉄壁のディフェンスだ。

消灯時間が近付き「ちょっとお手洗いに行ってくる」と月子が部屋から出て行った。

自分も行っておこうかな、と思っていると「ちゃん、隣に行かない?」と戻ってきた月子が言う。

「はい?」

「隣ね、陽日先生たちの部屋なんだって。遊びに来ても良いって言ってくれたの。行ってみない?」

行きたそうにしている月子を見て「じゃあ、ちょっとだけ」とは頷いた。

お手洗いを済ませて部屋に行くと酒盛りが始まっている。


「何だ、お子様じゃないか。月子ちゃん、こっちにおいで」

そう言った郁を軽く睨んで「つっこちゃん、あの胡散臭い人の傍にいくと胡散臭さが移るよ」と言って手を引いて郁から離れたところに座った。

「胡散臭いって何だよ」

「というか、セクハラ魔?」

「...?水嶋とは仲が良いんだな」

首を傾げて陽日が言う。

「はあ?陽日先生、目が悪いの?」「陽日先生、壮大な誤解です」

郁とが同時に言う。

ぶっ、と琥太郎が噴出し、月子も笑う。

「ちょっと琥太にぃ。つっこちゃんも!」

「そうだよ、琥太にぃ。何が可笑しいの。月子ちゃんも」

「だって、凄く仲がよさそうですよ」と月子が言う。

「そうだな、どう見ても仲良しだ」

月子と琥太郎の言葉にと郁は言葉をなくし、郁は目の前のグラスに手を伸ばした。

「ま、とりあえず乾杯だな」

陽日がそう言い、と月子はジュースをもらって乾杯をした。

琥太郎はグラスに注がれたアルコールに口をつけることなく「、ジュースくれ」と新しいグラスをに渡す。

「どれがいい?炭酸、大丈夫だっけ?」

そう言いながらは手近にあるジュースを注ごうとした。

しかし、琥太郎の背後に回った郁が彼を羽交い絞めし、陽日が無理やり琥太郎にアルコールを飲ませた。

そのまま琥太郎はごとんと倒れる。

「大人の飲み方じゃないよね、それ...」

呆れたようにが言い、琥太郎のために注ごうとしたジュースも元に戻す。

唯一慌てているのは月子だ。

「つっこちゃん、大丈夫。寝てるだけだから」とが声を掛けて「琥太にぃ、せめてベッドに行きなよ」と顔を覗きこむ。

「布団を後で掛けておくよ」と郁が言った。

本体を動かすよりも布団をかけたほうが良い。

「郁ちゃん無駄に大きいんだから琥太にぃをベッドまで運んであげれば良いじゃん」

「やだよ、重いじゃん」

あっさりとそう返す郁には肩を竦めて「そういえば、郁ちゃん」と話を変える。

「ん?」

「郁ちゃんのときも修学旅行のコースは一緒?」

「順番は違ったけど、行く場所は一緒。僕が昔修学旅行の話をしたときにアキにぃも『オレの時と一緒だな』って言ってたよ。たしか、アキにぃの時に今日の天文台が1年目だったはずだから、それ以来はコースが変わってないと思う」

「そっか」と呟くに「どうしたの、」と郁が理由を聞く。

「お兄ちゃんとお姉ちゃんにお土産を買うのにね。あと、春姉ちゃん。星月のおじさんとかおばさんも考えてるんだけど...」

「琥春さんは琥太にぃが頼まれてたからそれに便乗すれば?おじさんとおばさんはその琥春さんので良いんじゃないの?」

「じゃあ、そうしようかな」

と郁の会話を聞いていた陽日が「そういえば、何で2人は名前で呼んでるんだ?」と聞いてきた。

「え?!陽日先生それって今更!!」と郁が驚く。

「星月先生つながりです」

が言うと「琥太郎先生は面倒見が良いもんなー」とうんうん頷いていた。

それから郁と陽日と月子と日付が変わる時間まで話をしていた。

その間、琥太郎は1度も起きてこなかった。

「星月先生、大丈夫かな?」

「大丈夫でしょう。何だかんだで朝は起きてるみたいだし」

さらっというを月子はじっと見る。

「なに?」

ちゃんって、星月先生と水嶋先生のこと良く分かってるのね」

感心したように言う月子に

「つっこちゃんが東月くんとか七海くんのことを知ってるのと同じようなものよ」

は苦笑する。

「そっかー...」

何だか納得した様子の月子に「おやすみ」と声を掛けては眠りについた。









桜風
11.8.26


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