| 生徒会長選挙までの期間はあっという間で、いつもどおりの生徒会室の風景が心地よい。 毎日聞こえる爆発音がないと寂しいと思ってしまう自分に多少なりとも疑問はあるが、それでもやっぱり日常と言うのは尊いものだと思う。 生徒会長選挙は当日にもう一人の立候補者が辞退し、颯斗一人の立候補となった。 結果、信任投票と言うことになったが、全校生徒の信任を得て彼は新生徒会長に就任した。 「全校生徒全員からの信任を得るってやっぱり凄いことだよね...」 体育館から引き上げる中、が呟く。 だって、誰かしら意味もなく反対をしたくなるはずだろう。 それなのに、全員が颯斗が良いと言うのだ。 生徒会室に戻り、颯斗が皆に礼を言った。 一樹がソファで休むと言うと翼もソファで休むと言い、月子と颯斗、そしてを誘った。 「いや、それ全員は無理だよ。2人掛けでしょう?」 「ぬ..ぬいぬい、狭いのだ」 「お前が言い出したんだろう。ほら、颯斗...」 「な、何とか..けど」 そう言ってまだ座っていないを見上げた。 「いやぁ...無理」 首を横に振る。 月子も何とか納まっている状況で、これ以上は座るスペースを見出せない。 「よし、。良いから来い」 一樹が手を伸ばし、は怪訝な表情を浮かべつつも彼の前に立つ。 そんなの腕をぐいと引き寄せて自分の膝の上に座らせる。 「これで5人座った。お前がちっこくて良かったー。あんまり重くない」 「無理があるんですけど...」 5人と言うか、4人座って1人膝の上というのが正しい表現だろうし、これってかなり 「恥ずかしいし」 とが呟く。 「なんだぁ?照れてんのか?たまには可愛らしい反応するんだな」 の顔を覗き込もうとした一樹の視線からに逃げるように顔を逸らした。 ふと、視界に入ったのは翼の寝顔。 「翼くん、寝てますよ」 「月子さんもですよ」 颯斗の言葉で月子を見ると本当に寝ている。 「あの、背後から寝息が...」 「ああ、会長も寝てしまったようですね」 それなのに、を固定する腕は緩んでいない。 膝から降りたくても降りられない。 ふと、颯斗を見ると彼も疲れたのか眠ってしまったようだ。 「えー...眠くなっちゃうじゃん」 うとうととしていると生徒会室のドアが開く。 顔を上げると白銀だった。 「うわっ、何これ」 小声で白銀が言う。 「皆疲れちゃったみたいです」 「で、何で女神ちゃんは一樹の膝の上?」 「嵌る場所がないから、こうなっちゃったんです。降りたくても、ほら」 そう言って自分をがっちりホールドしている一樹の腕を指差す。 「うわぁ...これは中々外れそうにないね」 「一樹会長もやっぱりお疲れでしょうからこれを無理やり外した結果起こすのもちょっと気が引けて...」 「んー、そうだね。一樹も番長君のことで相当気を揉んでたみたいだし。けど、これは好都合」 そう言ってカメラを構えた。 「ちょ、待って...!」 パシッとフラッシュが焚かれる。 目の前が一瞬真っ白になる。 「な、何だ?!」 やっと一樹の腕が緩んだ。 その隙には彼の膝の上から降りる。 「くひひ、捕らわれの女神様の救出大成功」 「違いますよね、今の。今の目的は別のところにありましたよね?!」 白銀にそう迫るだったが「くひひ、内緒」と笑ってかわされた。 |
桜風
11.11.4
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