Kaleidoscope 58





「遅くなりました」とが生徒会室に入ると颯斗と月子だけがいた。

「あれ?会長たちは?」

「さあ?」と2人は肩を竦める。

自分達が来た時にはもういなかったそうだ。

鞄はあるから、おそらく見回りに出たのだろう。

「あ、おはぎ」

さんも如何ですか?」

「わたしもお菓子もらってきちゃったよ」

そう言っては手に持っている箱を掲げた。

「あ、うまい堂の箱」

「うん。みんなで食べよう」

そう言っては紅茶を淹れる準備を始める。

「つっこちゃんと颯斗くんは?おかわりいる?」

「ありがとう、頂戴」

「僕もいただきます」

2人の返事を聞いては頷く。

ちゃんは誰からもらったの?」

「琥太にぃというか、春姉ちゃん。前理事長から」

そう言ってが笑う。

「琥春さん、いらっしゃってるの?」

月子も会ったことがあるらしい。琥春からも聞いたことがある。

「もう帰ったって。昼間に来てちょっと話をして帰ったって」

3人分の紅茶を持ってテーブルに向かう。

月子と颯斗に渡すとそれぞれから礼を言われる。

「このおはぎはどなたから?」

が手を伸ばしながら聞くと「僕が音楽部の顧問の先生からもらったんです」と颯斗が言う。

「へえ...あ、美味しい。颯斗くんはおはぎが好きなんだ?」

「いえ、そうでもないんですけど...」

一度、もらったときに美味しそうに食べたらしい。嫌いではないので、美味しく食べた。

そうしたら顧問の中で颯斗はおはぎが好きなのだと言うことになり、よく差し入れをしてくれるとのこと。

「でも、和菓子って洋菓子に比べてカロリーが少ないから良いんじゃない?」

「こうやって、皆さんと食べるなら良いんですけど。僕一人で食べるとなったら結構きついですよ」

苦笑して言う颯斗に「先生もきっとわたし達をカウントしてるよ」とが笑う。


暫くして一樹と翼が戻ってきた。

が立ち上がり、コーヒーを淹れようとしたが、颯斗に制され、彼が生徒会室内の簡易キッチンに向かう。

「おー、どうした。パーティじゃないか」

笑いながら一樹が言う。

「おはぎが颯斗くんのもらいもので、シュークリームがわたしのもらい物です」

「ぬははー、美味しそうなのだ。俺も食べても良いのか?」

「どうぞ」とが言い、「ええ」と颯斗が頷く。

「ところで、一樹会長たちは何処に行ってたんですか?」

が問うと「え?」と一樹が変な顔をした。

「発明の下準備をしてるのだ」と翼が言うと「翼!」と一樹がたしなめる。

は颯斗を見上げた。

颯斗は少し黒い笑みを浮かべていた。

「また何か良からぬことを考えているのではありませんよね?」

「『また』とは何だ!俺達はそんなに良からぬことをやってるか?!」

一樹の抗議に、今度は颯斗がを見た。

が指折り数えてここ最近の反省文の案件を口にする。

「ちなみに、このうち反省文の未提出が3件です」

にこりと微笑む。

が何でそんなことを把握してるんだよ」

「颯斗くんが今忙しそうなので手伝ってるんですよ」

12月にはイベントが2つもある。

大掃除とクリスマス。

は腕を負傷しているのであまり体を使うことは出来ないので、デスクワークが中心となっており、本来がするべき仕事を颯斗が手伝ってくれているので、仕事を交換しているようなものである。

「くそ。颯斗が2人いるみたいだ...」

一樹の呟きに「僕が、何ですか?」と颯斗がやっぱり黒い笑みで聞き返し、一樹がしどろもどろに言いわけをしていた。









桜風
11.12.23


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