Kaleidoscope 67





屋上庭園を片付けて宿直室へと向かった。

宿直を引き受けているのでみんなで宿直室での泊まりとなる。

月子と共に風呂に入り、部屋に戻るが、まだ男性陣は戻ってきていないようだ。

「楽しかったね」と月子が言う。

「うん、たまにはこういうのも良いよね」とが頷いた。

少し話をしていたが月子がうつらうつらとしている。

「つっこちゃん。布団に入って寝たら?」

ちゃんは?」

「わたしはまだ眠くないし。大丈夫だよ」

そう言ったの言葉に甘えて月子は布団に入った。


暫くして颯斗たちが戻ってきた。

「あー、翼。お前のせいだぞ」

月子は布団に入って寝ており、は隣室の机にうつ伏せて寝ていた。

「ぬ〜...ごめんちゃい」

翼が風呂を泡だらけにしてその掃除をしていたため戻ってくるのが遅くなったのだ。

「しかし、まあ」

そう言って一樹はの寝顔を覗き込もうとした。

「布団で寝ないと風邪を引きますよね」とそれを遮るようにして颯斗がを抱き上げる。

気付くと翼は月子の隣で眠っている。

「ったく、しょーがねーなー」

苦笑して一樹が呟き、颯斗はを布団に入れた。

「オレ達も寝るか」と一樹が言い「そうですね」と颯斗も頷いた。


夜中、目を覚ますと知らない天井ではどきりとして体を起こす。

隣には月子が寝ていて、「そっか」と呟いた。

今日は宿直室で寝ているのだ。

目が覚めてしまったので中々寝付けそうにない。

仕方なくはコートを持って宿直室から出て行った。


カタンとドアが閉じる音がして颯斗は目を覚ます。

ゆっくりと体を起こすとがいないことに気が付いた。

さん...?」

そっと布団から出てのコートがないことに気が付いた颯斗は自分のコートを持って部屋を出て行った。

廊下は真っ暗だったが、今日は比較的空が明るい方だろう。月があたりを照らしているのだ。

の行き先は良く分からないが、この学園の生徒ならきっと...

そう思って屋上庭園を目指した。

ドアを開けてみると、がベンチに座って空を見上げていた。

さん」と声をかけると驚いたように顔を向けてきた。

「ビックリした...」

「眠れませんか?」

「...うん。ちょっと目が冴えちゃって」

苦笑したの隣に座った。

「颯斗くんは寝ないの?」

「僕も目が冴えてしまったので」と返す。

「みんなと年越しをするのって不思議」

ポツリと呟いたの言葉に「僕も不思議です」と颯斗は微笑んだ。

静かに空を見上げていると星が流れる。

「流れ星ですね」

颯斗の言葉に「そだね」とは頷く。

さんは、何かお願いしましたか?」

「内緒」

が微笑んだ。

その笑顔が何故か泣きそうなものに見えて颯斗は思わず手を伸ばす。

「颯斗くん?」

ひんやりした颯斗の指先が頬に当たりは驚いた声を上げた。

「あ、ごめんなさい。僕の手、冷たいですよね」

そう言って引こうとした颯斗の手を掴む。

「おそろい」と言って笑う。

確かにの手も随分と冷えている。

「手袋、持って来ればよかったね」

が言うと颯斗は彼女の手を掴んで自分のコートのポケットに入れた。

「これで少しは暖かくなりませんか?」

「うん、あったかい」

頷いたはそのまま空を見上げて静かに星を眺める。

颯斗もまた空を見上げる。時折、静かに空を見上げるの横顔をそっと盗み見ていた。









桜風
12.2.24


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