| 「さっきの、どう思います?」 食事を終わらせた彼らを追い出してと颯斗が通常業務の書類を片付けていた中、颯斗が手を止めて聞いてきた。 「あの2人が生徒会に入るの?」 「そうです」と颯斗が頷く。 生徒会執行部に入りたいといっているのは月見山で、陽条は彼の加入が認められなかったら入る気がない旨をはっきりと告げた。 陽条だけならほしいと言うのが颯斗の本音でもある。 「月見山弟は、バカじゃないよ。要領が呆れるほど悪いだけで」 「それって...」 「けど、良いとは思う。わたしたちは今年度で卒業でしょう?そうしたら生徒会経験者が翼君だけになっちゃう。新体制に入ってもある程度フォローできる人がいたほうが良いでしょう?」 の意見は尤もだ。 「では、役職は?」 「生徒会長が好きに作っても良いらしいよ?」 「作る必要が見当たりません」 その通りだ。 少し考えたは 「...育てるって言う意味で、月見山弟が会計で、陽条くんが書記かな?つっこちゃんが忙しいから陽条君がフォローに回れると良いだろうし」 「翼君と、月見山君ですか?」 それは非常に大変そうだし、翼も人見知りをするから中々大変だろうと思う。 そのことをに話してみると「うん、正直そうだと思う」と彼女も頷いた。 「では、なぜ?」 「さっき言った話に帰ってくるんだけど。わたし達が抜けた後も彼らが生徒会に残ってくれたら、上級生の翼君が何とかしなきゃいけないでしょう? だったら、今のうちにアクが強いのに慣れている方が良い。今の状況でわたしたちがあの子のたずなを持つのは簡単だけどね」 なるほど、と颯斗は納得した。 「ひとまず、今日の放課後に月子さんと翼君にも話してみましょう。2人には僕からメールを送っておきます」 「まあ、さっきわたしが言った組み合わせにしたら会長の苦労が倍増するとは思うけどね」 肩をすくめて言うに「僕を支えてくれるという約束を守ってくれる副会長がいるので、何とか頑張ってみます」と颯斗が微笑んだ。 放課後、今日の昼休憩の話をすると「何で誘ってくれなかったの?!」と月子に責められ、「そなのだ!」と翼が不満そうにする。 「え、そこ?」 が思わずそう漏らす。 「すみませんでした。今度から声をかけます。それで、肝心の内容です。お2人の意見はいかがですか?」 そう言って翼を見る。 翼も、これから自分が背負っていくものを感じているし、それが受け継がれていく姿を見た。 「俺..頑張りたい」 「私、賛成だよ。星月学園生徒会執行部にはトラブルがつき物じゃない!」 それはちょっと勘弁願いたい。 「さんは?」 「良いと思う。片方は確実に即戦力だし、もう片方だって根性はある」 「わかりました。では、明日彼らに話しをします」 そう言って颯斗が話を締めたが、「ところで、彼らはいつから生徒会執行部としての活動を始めるの?」とが確認する。 明後日には体育祭だ。と、なると。 「せめて顔合わせは今日..ですかね?」 連絡先なんて知らない。 颯斗はを見た。 「たしか、月見山弟は乙女座だけど?」 「僕と同じ寮だと言うことですね。しかし、そうなると...」 結局明日からの活動になる。 「あ、でも。心当たりがあるかも」とが言う。 「心当たり?」 月子が聞き返すと「たぶん、空手部」と頷く。 「ああ、なるほど。僕、ちょっと見てきます」 そう言って颯斗が生徒会室を後にした。 残った3人は生徒会室で仕事を片付けていた。月子が残っているのは、颯斗が彼らを探しに行った理由が顔合わせのために呼び出す必要があるからだ。 「部活、大丈夫?」 「うん。けど、もうちょっとしたらまた抜けさせてね?」 手を合わせて月子がお願いする。 「それはわたしは構わないけど...」 そう頷いて翼を見た。 「翼くん」 落ち着かないらしく翼は先ほどから全然手が進んでいない。 「な、何だ?」 「大丈夫だから。何かあっても、わたしたちがいる間はちゃんとフォローするし。思うとおりに指導してみなよ」 「う..うぬ」 暫くして颯斗が戻ってきた。 道着姿の月見山と、制服姿の陽条も一緒だ。 「あれ、陽条くんは制服」 「僕は将棋部ですから」 それは意外... 「月子さん、翼君。先ほど話をした2人の一年生です」 颯斗が言い、 「1年宇宙科の陽条譲です。青空先輩の話だと僕は書記ですか?」 「1年星詠み科。月見山融。会計だそうで。というか、姉は?」 「わたしは副会長。一応、ケジメのために」そう言ってが自己紹介をし、月子、翼が続いて自己紹介をした。 「仕事は一緒にやっていきながら覚えてもらいたいのですが、明後日に体育祭があるのは知ってますよね?それでちょっと今は通常業務が滞りがちなので、体育祭が終わった後が大変だと思ってください」 颯斗が言う。そして、 「生徒会はメンバーを名前で呼んでいます。融君と譲君もそのようにしてください」 「わかりました。では、これからよろしくお願いします。えっと、先輩、月子先輩、翼先輩」 初めて『先輩』と呼ばれた翼は少しくすぐったそうだった。 「はいはい。えっと、颯斗会長と、月子サンと、翼先輩。姉はそのままで良いだろう?」 「良いワケないでしょ」 がすかさず返して「けち」と月見山が呟く。 しかし、結局彼はのことは引き続き『姉』と呼ぶことになった。翼が颯斗のことをあだ名で呼んでいることが発覚したので自分だって良いはずだと主張されてしまったのだ。 夏の盛りを目前に、新生生徒会執行部の活動が始まった。 |
桜風
12.11.2
ブラウザバックでお戻りください