| 2学期になってすぐに文化祭の準備を始めた。 しかし、文化祭前には神話科と星座科は今年も発表会がある。つまり、会長と副会長が不在となるのだ。 「月子さん、大丈夫でしょうか」 「けど、つっこちゃん意外に頼めないでしょう。まあ、大丈夫じゃない?」 そう言いながら生徒会室に入ると翼と融が喧嘩をしていた。 最初は翼が人見知りを発揮して中々自分の意見がいえなかったが、最近ではこんな感じだ。 始めのほうこそ止めていた譲も最近はこの2人の喧嘩を放置している。 要は、同属嫌悪なところがある。 だから、いつかぴったりと息が合う日が来るような気がしているのだ。 颯斗に続いて「お疲れ様」とが入る。 「姉!こいつどうにかしてくれよ!!」 「そらそら、あいつに会計は無理なのだ!!」 昨年の一樹の気持ちが何となく分かった。 「融くん、相手は先輩。そして、翼くんは1年間会計の仕事をしているの。全体の仕事の把握は出来てるの」 が諭す。 「翼君、融君はまだ生徒会に入って3ヶ月。活動状況から言うと、実質まだ1ヶ月程度です。ですから、根気強く教えてあげないと」 颯斗が翼を諭す。 「ぬーん、。そらそらが冷たいのだ!」 「颯斗会長、姉があいつを贔屓する!」 と颯斗は同時に溜息を吐いた。 「先輩と颯斗先輩って夫婦みたいですね。手の掛かる子供がいて大変そうだ」 笑いながら譲が言う。 笑い事じゃない、と思いつつは颯斗に視線を向け、彼もに向かって困った顔をしている。 「遅くなりました」と月子が入ってきた。 今度は翼と融が一斉に月子に向かって訴え始める。 2人が同時にしゃべるので何を言っているか分からない。 しかし、2人が喧嘩をしていることは分かった。 「よし、じゃあ。今日は仕事が終わったら天体観測をしよう」 突然の月子の提案に室内は静まり返った。 「良いんじゃない?息抜きをしてみよう」 が賛成の声を上げて颯斗を見た。 「わかりました。ひとまず、停戦と言うことで。仕事をしてください」 パンパンと手を叩きながら颯斗が言う。 「何で天体観測?」 書類を棚に仕舞いながら隣に立つ月子に聞いてみた。 「だって、融君と譲君が入ってからしてないでしょう?」 まあ、していないけど... 「星を見たらみんな気持ちが暖かくなるよ」 月子はそう言って微笑んだ。 しかし、月子に指摘されるまで全然思いつかなかった。 そういえば、この生徒会になってから天体観測していない。一樹のときはやっぱり彼がサボりたいとかあって声を掛けていた節もあるが、きっとそれだけではなかったかもしれない。 ふと思いついては生徒会室を抜けた。 食堂に向かうと、先ほど職員室に向かったはずの颯斗が居る。 「颯斗くん?」 「さん。もしかして、今日のお弁当ですか?」 聞かれて頷く。 「急だから無理かなって思ったんだけど」 「僕もそう思ったんですけど、今作ってくれています。また後で取りに来るって話になりました」 「そっか」と頷いては回れ右をした。 「つっこちゃんに言われなかったら天体観測って思いつかなかったね」 が言うと「そうですね」と颯斗が頷く。 「最近忙しかったから、翼くんも融くんもストレスが溜まってたのかも」 苦笑して言うと颯斗が俯く。 「颯斗くん?」 「一樹会長だったらそれに気付けたかもしれませんね」 「こーら、他人と比べない!」 が「めっ!」と言う。 「子ども扱いしないでください」 「だって、言ってることが子供だよ」 苦笑してが返し、颯斗は肩を竦めた。 「颯斗くんも、最近ピアノ弾く時間が減ったでしょう?」 「そう..ですね」 「朝、もっと早く出る?放課後は生徒会の方が優先になっちゃうからさ」 が提案すると「僕だけ、早出をしましょうか」と颯斗が呟く。 「けち!」とが言った。 「けち、ですか?」 「わたしは颯斗くんのピアノが聞きたいのに、聞かせてくれないの?」 の言葉に颯斗は苦笑して「これは、失礼しました」と芝居がかって頭を下げる。 「では、明日から30分早く寮を出たいと思いますけど、良いですか?」 「うん、わかった」 が頷き、2人は手を繋いでゆっくりと生徒会室へと向かっていった。 |
桜風
12.11.30
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