| 冬休みに入って星月家に行き、元日に実家に帰った。 姉がその日から実家に帰れると言っていたのだ。 迎えに来た姉と共に電車で実家に向かう。 「アキ、車で帰ってくるんだって」 「疲れるよー」 夏凛の情報にが驚く。 「ま、筋肉だるまだし」 笑って言う夏凛もそれなりに心配しているようで「電車の乗り方分んないのかしら」と呟いていた。 実家に帰って全部の窓を開けて空気を入替える。 夏に大掃除したが、やはり数ヶ月空けていると家の傷み具合も大きい。 此処最近、琥雪は忙しくて家の事を見ることが出来ていないと謝られて夏凛は恐縮した。 そんな姉と琥雪のやり取りを見ていたは覚悟を決めた。 「あ、そうだ。お姉ちゃん」 「なに?」 「颯斗くんは何でうちに来るの?」 「あたしに話があるって言ってたから。生意気よねー」 夏凛が笑う。だが、どこか嬉しそうだった。 両親の墓に参り、またそのまま帰宅した。 今晩と明朝の食事は星月家のお節と餅を分けてもらったので足りる。 「問題は明日の昼からかー」 「お兄ちゃん、いつ帰ってくるの?」 「昼には着くって言ってたからなー。何か食材買って帰れって言わなきゃ」 最近は2日から営業しているスーパーもある。 来るまでにそれを見つけて買い物をして来いとメールを打っておいた。鍋にするからその食材を、と。 「と2人って凄く貴重だわ」 家に帰って夕飯を摂りながら夏凛が呟く。 「そうだね。お姉ちゃんと2人ってのはないね。お兄ちゃんともだけど」 が言う。 そりゃ、を独り占めさせないためよ... 心の中で晴秋の行動を抑制していた理由を呟く。 翌日、朝食を摂っては部屋の掃除を始めた。 夏凛も、テレビを点けて正月恒例の関東大学対抗駅伝を流しながら掃除機をかける。 昼前に晴秋がやってきて、午後に颯斗から電話がある。 「あ、正月だからバスの本数少ないんじゃね?」 晴秋がゴロゴロしながら言い、夏凛に尻を蹴っ飛ばされた。迎えに行けと言われた。 「わたしも行く!」と迎えに行く晴秋に言うと「じゃあ、あたしも」と夏凛が言う。 「家族全員でか?重役扱いだなぁ」 苦笑して晴秋は車を走らせた。 に電話をしてバスの時間があと1時間先だと告げていた颯斗の携帯にからの着信がある。 『もしもし、颯斗くん?』 「はい。どうかしましたか?」 『今、みんなでお迎えに行ってるから。駅前ってコンビニ出来てたよね。そこに入って待ってて。寒いでしょう?』 『みんな』と言われて驚いた。 「皆さんで、来てくださるんですか?」 『そーよー、感謝しなさい』 の電話を取ったらしい夏凛の声がした。 「はい」と颯斗は頷き、駅前の小ぢんまりとしたコンビニに入った。 「颯斗くん」 普段、あまりコンビニを利用しない颯斗は店内を見て回っていた。 珍しいものがあるわけでもないが、寧ろコンビニの品揃えに驚き、それが面白かった。 「お久しぶりですね、さん」 先ほど、電話でしたが新年の挨拶を改めて行う。 「荷物少ないね...」 「ええ」 「お泊りでしょう?」 「...はい?」 きょとんと颯斗が問い返す。 「あれ、違うの??」 は慌てて車に戻って夏凛に確認する。 「え、泊りよ。うちに午後からってそれ以外ないでしょう」 真顔で返されてはまたコンビニに戻る。 「泊まりってお姉ちゃん言ってたよ?」 「そう、だったんですね」 「実家で何か言われる?」 「いいえ、そっちは特に...」 元々自分は居ないものとして扱われているので、そこらへんは全く心配要らない。 「着替えとか」 「寝巻きはお兄ちゃんのスウェット借りたら良いよ。下着は..ここで買う?」 そういえば、そんなものもあるんだと感心したばかりだ。 「そうします」 そう言って颯斗は下着を適当に選んでレジに向かった。 「何やってんの、あの子?」 「下着買ってるんじゃないの?さっきのの話しだと颯斗は泊りって思ってなかったらしいし」 「うちの立地条件知っておいて?やだ、颯斗っておばか??」 「姉ちゃん。普通、彼女の実家に泊まるとか思わないって...」 そっちの方が常識的な判断だ。 ただ、晴秋はこの夏に颯斗が泊まったことを知らないからそう思うだけで、泊まりの経験があることを知っている夏凛は、颯斗の判断が不思議で仕方ないのだった。 暫くして颯斗とがやってきた。 「、後ろよー。颯斗、前」 夏凛がそういい、「はい」と颯斗は頷いて「お邪魔します」と晴秋に声をかける。 「お兄ちゃん、颯斗くんに寝巻き貸してあげて」 「スウェットで良いよな?」 「はい、お手数をおかけしてすみません。今日は、よろしくお願いします」 丁寧に言う颯斗に「おう」と晴秋が返して車を実家に向かわせた。 |
桜風
13.2.22
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