月光 57





「疲れたー...」

同じ学校を受験している友人達は居たが、だけ学部が違ったので受験科目が違う。

待っていても良かったのだが、疲れたので月子に先に帰るとメールを送って帰路につく。


どこか寄り道をするか、と考えていると「」と名を呼ばれて振り返る。

「一樹会長!」

が駆け寄った。

「どうされたんですか?」

「いや、お前たちの受験が気になってな」

苦笑して言う。

も苦笑した。

「本当にお父さんですね」

「うるせー!」

に言葉に一樹が返す。

その反応には笑った。

「月子たちはどうした?」

きょろきょろと周囲を見渡す。

「わたし一人学部が違うので」

が返した。

「あ、そうなのか?お前、何学部?」

「文学部です」

「...一気に文系だな」

苦笑して一樹が言うが

「人のコト言えませんよ?」

に指摘されて「そういや、そうだな」と彼は笑った。

「じゃあ、もう帰るのか?」

「寄り道すべきか悩み中です」

「なら、とーちゃんがコーヒーを奢ってやろう」

「やた!」

は両手を挙げて喜ぶ。

「ははっ、本当に解放された感じだな。結果はまだ出てないのにな」

一樹が水を差し

「明日から、頑張ります」

が返す。


近くのカフェに入って2人でお茶をする。

「颯斗は元気か?」

「はい。翼くんも、融くんと譲くんも。みんな元気です」

「今の会長は、翼で良いんだよな?」

覗うように一樹が言う。

「はい。凄くしっかりした演説でした。一樹会長が見に来てたら感無量で泣いちゃってたかもしれませんよ」

「一番手の掛かった息子だったからなー」

うんうんと頷きながら一樹が言う。

「もう、卒業だな」

「はい。凄く寂しいものですね。中学のときはさほど思わなかったんですけど」

苦笑してが言う。

「それだけ、大事な場所だったんだろうよ。星月学園は」

はコクリと頷き、コーヒーを一口飲んだ。

「颯斗は、留学って聞いたぞ」

「はい」

「寂しいな」

「言わないでください」

が軽く抗議をする。

「ちゃんと、颯斗に言ってやれよ。お前の気持ち」

「...留学ってただでさえ色々と神経を使うのに、それ以上使わせるなんて出来ません」

が言うと一樹は手を伸ばして彼女のおでこにデコピンをする。

「痛い...」

「ばーか。そういうの、言わない方が余計な神経を使わせることになるだろうが。何を考えてるかわからないってことだろう?教えてやれよ。ちゃんと、お前の想いを」

ガリガリと頭を掻いて「あいっかわらず不器用な2人なんだなー...ったく」と一樹が言う。

「...勉強になります」

が言うと一樹は苦笑した。

「よし、じゃあ。もう学園に戻れ。颯斗が待ってるぞ」

そういわれては頷く。


学園に帰ると正門前で颯斗に会った。

「颯斗くん!」

「お帰りなさい」

そう言っての持っているバッグを持って歩き出す。

「あれ、用事があったんじゃ...」

「はい。さんのお帰りを待っていました」

「あ、ごめん。寄り道しちゃった」

「いいえ。それで、どうでしたか?」

颯斗の問いに「ま、やれるだけはやったよ」と返す。

「そうですか」と颯斗は頷いた。









桜風
13.3.8


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